ロイターがRAW現像を禁止する理由
ロイターのRAW現像禁止でJPGで提出という話題ですが、報道写真では色々あった結果です。
日本では報道写真に限らずHDR風のものや明瞭度(ローカルコントラスト)を使ったものはそれほど目にしませんが、海外では作家性のあるものに限らずドキュメンタリーでもバリバリに加工された写真が使われています。ロイターはそれをやらない!と決めたのでしょう。
2013年の世界報道写真コンテストの大賞に”ガザの葬列”(Gaza Burial)という写真が選出されたのですが、この写真の仕上げが問題視されました。
実際の写真を見ればレタッチしていることは明らかですが、それが報道写真として許容される範囲なのか、受け入れるべきではないのか、という疑問からです。
最終的に合成などは行われていないのでレタッチは妥当な範囲内だと判断され、大賞を受賞しました。
写っていたものをフォトショップで消すというのもありましたし、加工以外で問題になったものに写真のキャプションに書かれた場所と実際に撮影された場所が異なる、というものもありました。
この記事にもありますが、最終的には提出されたJPGとRAWを比較してレタッチが妥当な範囲内なのかを判断することになっています。 世界報道写真コンテストの他にもナショナルジオグラフィックもそうしているはずです。
カメラ内で作られるJPGにも演出はありますが、今のところ機械的な演出にとどまり、演出の意図はありません。
履歴書に貼る写真にプリクラを使っていいのか?と考えればロイターの決定が妥当なのは明らかでしょう。
今後はGPSによる位置情報と時間が必須になると思います。
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