これからのWebテクノロジーを予測する
Webテクノロジーと近未来予想
秋元裕樹
アジアジン/サイボウズ・ラボ/他
なんだその格好?
- ネットに顔を出してないのですいません
- 指名手配中とか、
- オペラ座の地下にすんでるとか、
- 謀殺された父の仇を討つためとか、
- そういうことではないです。個人的な好みです。
自己紹介
- 2005年から職業ブロガーとしてサイボウズ・ラボで技術ブログを執筆。海外ウェブサービスの調査から面白い内容を日本語で紹介
- 2007年から反対方向(日本語→英語)での情報発信を個人で開始。アジアジン
- ネットサービス企画運営。ならべて.comとか
ブログ書いてるので良かったら読んでください
自己紹介: 社員ブロガー
- サンフランシスコで、サイボウズの英語版を作ってた
- サイボウズ・ラボ
- プログラマー→調査員→ブロガー
- 主に海外のネットサービスや新しい技術を紹介
自己紹介: 英語ブロガー
- Asiajin (アジアジン)
- 日本のIT/ウェブ業界を英語で紹介するグループブログ
- 10人ほどのボランティアメンバー
- Mixiとか絵文字とかを紹介
- 海外進出したいIT企業のスポンサー募集
自己紹介: 起業家予備軍
- エンジニアのバックグラウンドながら、サービスとしての成功・失敗について考えることが多くなった
- 去年の頭から会社は週3日勤務の契約に
- 第一弾はならべて.com (反省点は多い)
- 個人ブログ
本日の発表内容
- 予想する?
- 「僕の」予想です
- どれぐらい先? 今年から数年
予測といえば、まず反省から
2004年頃、RSSがすごい来る、と予測していた
- 当たったとも外れたともいえるかな
- 今頃はもう、みんな使ってると思ってた
- 一般の人が理解するという普及はなかった
- DoCoMoのiコンシェルとか延長にあるとは思う
- バックエンドでは活用されている
本日初公開
- 海外RSS関連ニュース
- 海外のRSS関係のニュースタイトルを和訳して紹介
- 趣味で起業前のサイドフィード社を応援してた
- 今日はじめて言いました
- 帰国して会社でブログを書くことにしたので止めた
ではつれづれに
キーワードを出して、それについてお話する形で
Web2.0
- Webの新しいトレンドを指す。最近ちょっと飽きられた感
- マルチメディアとかネオダマみたいな感じ
- 「ただのバズワードでしょ?」「そう」
- 「こういう要素は新しいよね」という特徴がいくつかあって、備えていればWeb2.0的だ、ということ
- 言ってたことはそう間違ってもいない
クラウドコンピューティング
- たぶん今年熱いキーワード
- Buzzで、定義も難しいけど
- オレオレ定義「スケールするバックエンドをネット越しに量り売りするサービス。それを使うこと」
クラウドコンピューティング(2)
- Amazon EC2/S3/etc.
- Akamai
- Salesforce
- Google App Engine
クラウドコンピューティング(3)
日本でやるところは?
- 米の大プレイヤーほどネットにラジカルじゃない
- エンド開発者向けには来ないかも
- ユーザ側の企業文化も違う
- 内部で持ちたい文化。サイボウズの顧客とかも
OpenID
- Webに特化したSSO
- MS Passportとかと似てるけど、特定の企業主導ではない
- ユーザの登録・管理を他(通常メガサイト)におまかせ
OpenIDは来るの?
- メガサイト側はおいしい
- 外部の人が自社ユーザに便利なサービスを提供してくれる
- 利用する側は?
- UIの慣れの問題もある→10年掛けてパスワードを覚えてもらった
- 今、relying partyが得する方法を思いつけたらすごいかも
OpenSocial
- 元々Facebook Appの対抗
- Facebookアプリが急速に経済圏を作った
- (例) Rock You
- アプリを作れば、SNSの数百万人に届く
- Facebook以外の共同仕様。Mixiも
FacebookやOpenSocialで大儲け?
- iPhone Appもそうだけど、儲かっているプレイヤーだけ見てると痛い目に
- 日本のケータイアプリとどう違う?
- SNSの前提があるので、それを活用するアプリ
- 課金は依然課題。Nocaとか
OAuth
- ブラウザベースの認可
- 元サービスの資源を、第三者サービスにアクセスさせる許可を与える仕組み
- twitterが限定ベータ中
OpenIDやOpenSocialとどう付き合うか
- PRな視点。一時期のセカンドライフ対応のようなニュースバリュー
- 技術者としては、
- 本当に必要か考えるべき
- 本当に生かせるか考えるべき
エンタープライズへの適用
- RSSが社内に浸透したように
- 簡易なSSO等に使われる可能性
- 社内複数サービスの連携
- 社内と社外の連携
エンタープライズへの適用(続き)
- システム間を疎に保つ
- システム設計の粒度を小さくし、テスト可能性や相互運用性を高めるかも
- 仕組みが無かったわけではないが、コンシューマウェブで練られ敲かれた仕様やライブラリは、社内システム転用の余地はある(ウェブ掲示板やSNS、ブログ、RSSなど)
CGM/UGC
ユーザがデータを作ることで成り立つサービス
- 例: 2ch, Mixi
- 集合知
- 一番でかいCGMは?
- (答えは会場のみで)
CGMを支える技術
- レコメンデーションエンジン
- スパム対策
- 監視支援ツール
監視もCGM - GMail
Gmailスパムフィルタ
- 利用者が、どれがスパムか教えてくれる
- 世界中から判定されれば、スパムメールの確度は高い
監視もCGM - うごメモはてな
- 子供(DSiユーザ)のコンテンツを大人(はてなユーザ)が監視
- 任天堂
監視もCGM - WordPress
Akismetスパムコメント検出サービス
- ブログのサービスやシステムはタダ
- 世界中のブロガーにスパム判定させている
- Akismetデータの商用利用は有料
- Automatticの食い扶持
CGMの増加で、監視が売りになる
- 今は人手をかけられるところが強い
- モバゲーの新潟300人とか。この先大連とか
- 監視の自動化や省力化
ブラウザ
- エンタープライズはIE+FFで(会社によってはIEのみでも)問題でないだろう
- Safari, Opera, Chrome
- みんな仕様に合わせてきている。複数ブラウザ対応の苦痛は減っている
- 独自機能実装による差異化じゃなく、速度や安定性、UIで競うようになってきた
- 新仕様も数社が相談している
- 広く通用し、長く使えるシステムを作るなら、Web標準はやはり大事
RIA
クライアントリッチなアプリケーション
- Flash
- Silverlight
- JavaFX
- Javascript
UIの統一性はいつも問題になる
まとめ: 次にくるのは何か? エンジニアはどうするべきか
それがわかれば…
- はじめてYahooを見たときの思い出
- リンク集を作るとか、それをプログラムとDBで管理するとか
- 未来永劫Yahooがウェブを支配すると思ってた
- 今思えば恥ずかしい。たかだか10年以下の覇権
栄枯盛衰世の習い
- PC-9801も、Lotus 1-2-3も、一太郎も、マイクロソフトも、Yahooも、一番強かったときには永遠に続くかと思ってた。
- Yahooは一番最初ではない。Googleはもちろん最初ではない。MySpaceやFacebookも。AdWordsも。
- アイデアだけじゃなくて、実行力が問われる
- 実施する力→エンジニアリング(だけでもないけど)
常に次は来る
- Googleが5年後も10年後も最強かわからない。今もGoogleの次を作ってる人がどこかにいるかも。
- もっと狭い範囲でも、身近なツールやサービスでも同じ。まだまだウェブは始まったばかり
- 技術がなんでもひっくり返すわけじゃないけど、主役交替のときには必ず技術も関与している
- なんでも作ってみること、公開してみること
なんだかんだで、
ウェブ自身を、そしてウェブを通じて世界を変えるのはエンジニアだと思っている
おしまい
Special thanks
- サイボウズ・ラボのみんな
- 山口徹(ZIGOROu)さん(DeNA)
- 小山哲志(koyhoge)さん
資料
- http://akimoto.jp/blog/ 今日中にアップします
このプレゼンを作ったツール
- S5 Reloaed
- HTML, CSS, Javascriptだけで作れるオープンソースのツール(というかファイル)です
- 無料で、すごくサイズ小さいし、そのままウェブにも公開できます
時間があまれば
- 集合知と民主主義
- サービスの国際化
- 携帯ウェブ
- 多言語対応巨大SNSはあるか