先ほどアップした苫米地式速読に続き、今度は苫米地式記憶術です。
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速読でもそうですが、記憶術でも、苫米地さんの考え方は私と共通する点があります。

テクニックに走らず、根本の原理を捉えようとしているところでしょうか。

この「超」記憶法でも、記憶の基本はしっかり押さえられています。

本書で挙げられている脳の性質は次の2つ。


「脳は知っていることを覚えようとしない」

「脳は、通常、曖昧な記憶をする」

2つめのポイントは、私も池谷裕二さんの『記憶力を強くする』からよく使わせてもらっているポイントです。
参考記事をいくつか挙げると

→ 「記憶はあいまいでファジーなもの。だからいい」

→ 「脳にやさしい記憶法」

→ 
「脳科学の専門家が伝える「記憶の3箇条」とは?」

1つめのポイントは裏を返せば、「脳は知らないことは覚えようとする」ということであり、『合格る技術』で勧めている
 ● わかるところ・わからないところ、覚えているところ・覚えていないところを切り分ける
 ● 実際に過去問やテキストを見ながら読むよりも、なしで、思い出す、話す
ことに通じます。
苫米地さんも、「脳は失敗駆動型」であるとして、
「効率よく記憶するためには、一度失敗する」
と述べています。
失敗して、「わからないところ」がどこかをわかることは、記憶には効果的なわけです。
そこから、苫米地さんが推奨する具体的な記憶法が「予測記憶法」です。
「これは読んで字の通り、覚えたいものを先に予測して、その予測が外れることによって、『あ、失敗した。間違えた』と脳に認識させることで、長期記憶へと導く方法です。この『あ、間違えた』という認識が記憶のインデックスになるのです」
まさに、『合格る技術』で勧めている方法であり、テキストまるごと1冊記憶での、思い出す・話すは、この予測をしているといえます。
ただ、速読でもそうでしたが、苫米地さんは「繰り返し」というのを言わないんですよね。 池谷裕二さんの著書では、脳の基本性質として、繰り返しの重要性は述べられているのですが。。。
そのほか、本書では、見たものをそのまま再現する記憶である「写真記憶」はだれでも可能だ、ということで、写真記憶の訓練方法が紹介されています。
その手順は4つ
 1) 覚える光景をカメラで撮っておく
 2) 撮った写真を見る。心のなかで「カシャ!」とシャッターを切る
 3) 覚えた光景を絵で再現する
 4) 写真と自分が描いた絵を比べる
これを数回繰り返すことでコツがつかめると言われていますが、実際にそれによって写真記憶能力が高まるかどうかは??です。
いくらこれを訓練したとしても、1回で見たままをそのまま再現できるようにはならないと思います。
苫米地さんは、この写真記憶法と、先ほどの予測記憶法で、試験は乗り切れるとしていますが、やはり、そこには繰り返しが必要だというのが、今の時点での私の結論です。
写真記憶とは言わないまでも、人はぼんやりとでも風景を覚えていたり、テキストや過去問の図版の大きさ、位置などを覚えることはできます。
これは利用しない手はありませんし、『合格る技術』でも、目次記憶に見慣れた風景の記憶を使ったり、読んだテキストのページイメージを思い出して、テキストまるごと1冊記憶を行います。
ただし、記憶力なるものに期待するより、繰り返しが必要であることを覚悟して、とにかく回転して繰り返していくことが重要になります。
苫米地式記憶術を実践される方は、
 「脳は繰り返しによって記憶・理解する」
という脳の基本性質を補いつつ、活用されたらいいと思います。
まあ、「繰り返し」せずに、1回や数回で写真を撮るかのように記憶できれば、いいですが。。。
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