この季節(初春)だけの特別な献立です。
なぜ小豆粥かというと、新年に食すと1年をすこやかに過ごせる
言われているからなんです。
宿坊でお世話になったところとは別で、妙心寺山内にあるお寺です。
普段は非公開なんですが、こういった特別なときだけ拝観が可能です。
このお寺の見どころは、樹齢300年という沙羅双樹の古木です。
6月の花の見ごろの時期には、美しい花を拝観できるそうです。
玄関からすぐのお部屋に通されました。
おごそかな気分。
精進料理の前に、祝菓子と梅湯茶礼をいただきます。
祝菓子は京都・鼓月 の生菓子など。
柿は、万物を「かき集める」おめでたいもの。
みかんは、代々つづき栄えるの意味があるなど、それぞれに意味が
あります。
祝菓子をいただいたあと、お寺の方によばれて別の部屋へ移動します。
このお寺の住職・西川玄房さんは、精進料理やスローフードの世界では
有名な方で、メディア露出も多いですし、料理本も多く出版されています。
毎週、住職が直々に教えてくださる精進料理教室があるみたいです。
着物でいらっしゃる方も多かったです。
ちょっとしたマダムセレブ会みたいな。
メインの粥膳。
食事の前に、般若心経と、食事五観文を唱えて、自分を戒め、
万物に感謝の気持ちを表します。
自分の粥膳の中から、少しの粥をこの木製ちりとりに授けます。
そして、庭木に備えて、小鳥などに施すということです。
焼餅入りの小豆粥。
大きい丸大根。
山椒の香りがして、食べ応えのある煮物です。
”蛇腹昆布”
まさに蛇のような不思議なカットです。
昆布の味がする、さくっとした揚物でした。
辛子胡麻味噌和えの畑菜。
こういったものは、すべてお寺で育てている畑で獲れたものだそうです。
ひじきしぐれ。
黒豆。
ここの精進料理は本当においしいと思いました。
味も濃すぎず、薄すぎず、だしがしっかりとでているし、
食べ物を粗末にしてはいけない。
新たに、1食1食を大切にいただこうという気持ちになりました。
東林院
京都市右京区花園妙心寺山内
電話:075-463-1334