イスラエル軍に催涙弾をくらった件~芸術テロリストを追って | 世界一周写真館~World Travel Photo Gallery
イスラエルの首都エルサレム(国際的には)を起点に

イエス・キリストが生まれたという町、ベツレヘムへ行ってみた。

エルサレムの旧市街から、バスで30分程度。


エルサレムに関してはこちらの記事へどうぞ↓
エルサレムで見た~ユダヤ人の聖地 『嘆きの壁』| イスラエル







ベツレヘムにはキリストが生まれたという教会があって

ベツレヘムに行く外国人観光客は普通これを目指す。



けどこの町にはもう一つ

分離壁に描かれた壁画を見に行く

という観光の仕方もある。

が、危険な為、地球の歩き方などのガイドブックには載っていない。



この記事ではその分離壁に行って

イスラエル軍がぶっ放してきた催涙弾をくらった

時の事を書きました。

キリストが生まれた教会の記事よりもずっとずっと刺激的でしょ?w





分離壁って何?




地図で説明をすると青いラインの内側はイスラエル。

そして緑のラインの内側がパレスチナ自治区。



より大きな地図で イスラエル_パレスチナ分離壁 を表示



イスラエルはユダヤ人の国。パレスチナはアラブ人の国。

しかし実情はイスラエルが実効支配しており現在も和平交渉は停滞している。


日本や韓国、アメリカ、ヨーロッパ諸国はパレスチナを国として承認していない。

なので日本ではパレスチナ自治区と呼ばれる。


しかしこの地図を見ると意外とパレスチナを国として承認している国も多い。

↓緑で塗られた国はパレスチナを国として承認している

パレスチナ承認国





で、分離壁というのはこのイスラエルとパレスチナを分断している壁の事。

となると当然、最初の地図の緑のラインに沿って分離壁があるはず・・・



この地図はパレスチナ部分を拡大した地図。
イスラエル/パレスチナの分離壁


グリーンラインとは第一次中東戦争が停戦した際に両者納得の上に定めた言わば国境。

赤く点滅しているラインが分離壁。(全て完成すると全長700kmにも及ぶ)

アパルトヘイト・ウォール、隔離壁とも呼ばれる。※アパルトヘイト=隔離の意味



あれ?国境を超えて壁が建設されてる。





この壁は、イスラエルが「パレスチナ側のテロ行為の防止」などと大義名分を掲げ

勝手に建設を続けている壁。

しかもパレスチナの中に侵入してパレスチナ人の土地を奪いながら建設している。

しかし実際の目的は違う。




以下パレスチナ情報センターより抜粋

----------------------------------
・肥沃な土地を奪う

・水資源を奪う

・パレスチナの町と町を分断する

・町を分断することで文化・教育・経済などパレスチナ人のあらゆる生活を破壊する

・町と町を分断するどころか町や村の中に壁を作り一方をイスラエル側にしてしまうことでそこに暮らす住民を追放する

・住居と農地の間を壁で遮断することで農業を破壊する

・パレスチナ人の土地を囲い込むことでパレスチナ人の人口が増えることを抑制する
単に領土を拡大する



などなど、様々な場所で様々な目的を持つ壁が建設されている。

----------------------------------




壁建設の中止と徹去を求める国連決議や国際司法裁判所の勧告が出された後も

イスラエルはアメリカの保護のもと、それを無視し壁の建設を続けている。







分離壁に関しては大体お分かりいただけたでしょうか・・?




芸術テロリスト「バンクシー」とは



以下ウィキペディアより抜粋

----------------------------------

イギリスのロンドンを中心に活動する覆面芸術家。

社会風刺的グラフィティアート、ストリートアートを世界各地にゲリラ的に描くという手法を取る。

バンクシー本人は自分のプロフィールを隠そうとしており、本名をはじめとして不明な点が多い。

2005年、自作を世界各国の有名美術館の人気のない部屋に無断で展示し、しばらくの間誰にも気づかれないまま展示され続けたことが話題となった。

街中の壁にステンシル(型紙)を使って反資本主義・反権力など政治色の強いグラフィティを残したり、メトロポリタン美術館や大英博物館などの館内に、自らの作品を無許可で展示するなどのパフォーマンスにより、一部の人々からは「芸術テロリスト」と呼ばれている。

また、世界に影響を与えた100人にも選ばれている。

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そのバンクシーがベツレヘムの分離壁を訪れ、9枚の壁画を残したそうです。

彼はこれらの壁画を製作中にイスラエル兵に何度も銃を向けられたが、それでも絵を全て完成させた・・・という伝説も残しています。


このバンクシーの壁画を見るために分離壁を訪れました。




分離壁に描かれた壁画



日本語で書かれたメッセージ
ベツレヘムの分離壁に描かれた壁画



世界的に有名なパレスチナ人女性闘士「ライラ・ハリド」の壁画
ベツレヘムの分離壁に描かれた壁画



フランス革命を彷彿させる壁画

僕が行く数週間前に塗りつぶされてしまったらしい。
ベツレヘムの分離壁に描かれた壁画




戦う青年
ベツレヘムの分離壁に描かれた壁画




We can't live...
ベツレヘムの分離壁に描かれた壁画




We will win!
ベツレヘムの分離壁に描かれた壁画




FREE PALESTINE
ベツレヘムの分離壁に描かれた壁画




Peace on earth?
ベツレヘムの分離壁に描かれた壁画



壁を乗り越える為のはしごが描かれた壁画
ベツレヘムの分離壁に描かれた壁画




鳥かごに入れられたベツレヘムの街
ベツレヘムの分離壁に描かれた壁画




少年の後ろ姿
ベツレヘムの分離壁に描かれた壁画




壁に貼られていたポスター
ベツレヘムの分離壁に描かれた壁画






などなど、ほんの一部を載せてもこれだけの壁画があります。

そしてここからがバンクシーの壁画↓



天使の手からこぼれるハート
芸術テロリスト、バンクシーの壁画



兵士から武器を取り上げる少女
芸術テロリスト、バンクシーの壁画




防弾チョッキを着せられた鳩がロックオンされている

皮肉にも、鳩は平和の象徴であり、

くわえているオリーブの葉も平和の象徴である。


芸術テロリスト、バンクシーの壁画



どんな事を思い、これらの壁画を描いたのか・・・

しかしなぜか無言のメッセージが伝わってくるのがバンクシーの作品。



事態が急変・・・



何か様子がおかしいな~という事に気付きつつも夢中になって壁画の写真を撮っていた。



様子がおかしいとはどういう事かと言うと、壁画に描かれた絵の通り

壁の向こうへ向かって投石をしていた。




長いロープの先に当たったら大怪我をしそうな石を乗せ

ハンマー投げの要領でグルグルと回し

遠心力を使って、室伏もビックリする程の勢いで投げ込んでいる。




ベツレヘムの分離壁に描かれた壁画



投げているのはパレスチナ人。

投げ込んだ先は壁の向こうなのでイスラエル。


ベツレヘムの分離壁に描かれた壁画




壁の手前には届かなかった大きな石が散乱していた。

よくもまーこんなに投げたもんだ。

勝手に壁の建設を進めているイスラエルへの抗議の気持ちが

どれだけ強いのかが良く分かった。

ベツレヘムの分離壁に描かれた壁画





その様子を注意深く気にしていたつもりではあったんだけど・・・


ついにイスラエル軍が壁の向こうから反撃開始・・・



ベツレヘムの分離壁に描かれた壁画



始めのうちは

「ドッーーーーン!!!!!」



という大きな音を立てて空砲を撃っていたんだけどあちこちで炎や煙が上がってきた。


ベツレヘムの分離壁に描かれた壁画




さすが資金潤沢なイスラエル軍。

それに対し資金の無いパレスチナ。



石で戦える訳がないのに・・・

それでも石を投げ続けるパレスチナ人。


ベツレヘムの分離壁に描かれた壁画



その時、僕はたまたま一緒の宿に泊まっていた日本人5人位と一緒にこの場所に行ったんだけど


「さすがにこれはまずいだろー!」




っという相談を始めたのがこの頃。

遅すぎる。はい。




しかしバンクシーの壁画でどうしても一番見たかったやつが

まだ発見できていなくて・・・




それで結局その辺りをウロウロ・・・・

今思えば完全に平和ボケ。




したらついに目の前にも炎が迫ってきて・・



ベツレヘムの分離壁に描かれた壁画



さらに

「シューーーーーッ~!!」


とか音を立て、白い煙をモクモク噴出させた何かが


「カラン・・・・カラン・・カラン・・」


と目の前に何発も飛んできて・・



「もしかして催涙弾じゃね??!!」




とか言ってようやく身の危険を察知いたしまして


逃げる事にしたんですよ。



でも・・


「時すでに遅し」


って感じで全力で走ったものの煙に撒かれてしまい



目が激痛で目が開かず

涙も止まらなくなり



呼吸をすれば

鼻や喉の奥の方も激痛で

苦しくて咳も止まらなくなり





さらに一緒にいた5人は3人と2人で離れ離れになってしまい・・・・



「万事休す」



とか思った時に、シャッターが閉まっていた商店のシャッターが上がり

こちらに来い!っと呼んでる人がいる。



さすが宗教の聖地。

神が降臨したのである。




すると神はシャッターを閉めて煙をシャットアウト!

見事である。



さらにあるものを僕らにくれた。


それは人間界で言う

「た・ま・ね・ぎ」

であった。


それを鼻から思いっきり吸えと言っている。



しかしたまねぎなんて鼻から吸ったらさらに痛みが増す・・・





しかし相手は神。

言われた通りにしてみた。

催涙弾をくらって玉ねぎで落ち着かす




なんと!


たまねぎには催涙ガスの痛みを和らげる

特殊な効果があったのだ!




これにはビックリした。

しばらくたまねぎを離す事ができなくなった。




そして少し辺りが落ち着いたのを見計らってバスターミナルに向かった。



そこで偶然はぐれた3人とも再会し無事を確認。


その仲間にもたまねぎを分け与え、バスに乗ってエルサレムの宿へ帰った。


もちろんバスの中でもたまねぎは手離せない。

完全にジャンキーのようであるが現地の人は皆知っている。




たまねぎ=催涙弾くらった平和ボケしてる外国人

なんだろうね。





しかしこれで懲りたらバックパッカーとは言えない。

なんせバックパッカーはくっそ暇なのである。

時間はいくらでもある!次の日にリベンジした!




そしてこの偽スターバックスで情報収集。

正しくはStarbucks Coffee。

「&」なんてどこにもつかない。

ベツレヘムにある偽スターバックス


したら店員の兄ちゃんが大体の場所を知っていてそこに向かう事に。




分離壁ではなくてガソリンスタンドの壁に描かれているらしい。

そして歩くこと30分位・・・


ようやく発見!!


これはバンクシーの代表作で

「火炎瓶を花束に持ち替えろ」


という強いメッセージが秘められてる。


ベツレヘムの分離壁に描かれた壁画




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ーーー追記2015/6/26ーーー

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