昨日、開幕戦関連の記事を読んでいたら次のような記事を見つけました。


・・・・敗れて引き揚げる山形イレブンに川崎サポーターからねぎらいの拍手が送られた。ライバルをたたえるこのフェアな行為も、傷口に塩を塗り込まれた気持ちになった。「帰り際に拍手されて…。ちくしょうと思います。勝者の余裕がサポーターに出てましたね」宮沢主将は“上から目線”のねぎらいに屈辱感いっぱい。3年目のJ1は、ほろ苦い味で始まった。・・・・ (スポーツ報知)


受け取る側には”上から目線のねぎらい”に感じられたのでしょうね。

確かに、負けてたらそんな余裕もなかったかもしれないですが、私はそれでも拍手していたと思いますよ、フロサポなら。


こういうのって相手がどう受け取るかが全てなので、「そんなつもりはない」とか言うのは全く無意味だとは思うんですが、でもこれがフロサポなんですよ。

相手がどう感じるのか分からないというのはあるので、誰も積極的に拍手しようとは思っていないと思いますが、引き上げる選手がフロサポに会釈してくれたり、リスぺクトするような仕草をしたら、きっとその場にいるフロサポはみんなで拍手すると思います。


それは、余裕とかそういうのじゃなくて、仲間意識ですよ。

今年も開幕前にブロガー同志で集まる機会がありましたけど、そこで毎年出くる言葉は「とにかく残留してくれれば良しとする」とか「こんなことはblogでは書かないけど、最悪の場合には降格争いまで覚悟している」とかっていうくらい、サポート歴が長いサポーターになればなるほど余裕なんてありませんから。

← 毎年、川崎大師に残留祈願をしている古参のサポーターの皆さんもいるくらいです。


本当に、そういう意味では、みんな知ってるんですよ、J1再昇格後これまで何とか順調に来ているけど、それはみんなが努力して作り上げてきているのだということも、少しでも気を抜いたらすぐに元の状態に戻ってしまうということも。


僕らは、J1に昇格する喜びも知っていますが、J2に降格する悔しさも辛さも知っています。

フロンターレは、恐らく、他のどのクラブよりも色々なことを経験してきているクラブだと思います。そうしたことをチームと一緒に乗り越えてきたサポーターなので、選手の気持ちが、例え相手チームの選手であっても、よく分かるんですよ。

・ 負けてもブーイングをしない

・ 少しでも在籍したことのある選手と相手チームで対戦する時はブーイングではなくて拍手で迎える

・ ゲーム開始前のアウェーチームの選手紹介の際には、必ず相手チームのサポーターを拍手で迎える

これは、そんなチームの歴史から生まれた”決め事”だと思います。


だから、余裕とかそんなんじゃなくて、勝てない辛さも知っているので、頑張って!とついつい言いたくなるんですよ、特に僕らと同じようにJ2から上がってきたチームに対しては余計に。


そういうサポーターとチームの関係が、我々サポーターにとっては我が家のような落ち着いた、また選手にとっては優しく、かつ奮い立たせるようなあの等々力の雰囲気を作り出しているんだと思います。

昨日のゲームで嬉しかったことは、選手達も同じように感じてくれていることです。


新加入の田中選手:「ピッチでも選手だけじゃなくてスタジアム全体の一体感があった。」や、柴崎選手:「フロンターレでの初戦でサポーターとの一体感を感じながら勝てたことがうれしい。」

← 2人ともチームの一員としてフィットしていただけでなくサポーターとも一体になってくれていたようです。


そして、山瀬選手:

「スタジアムの雰囲気や声援というのは今まで敵としてしか見ることがなかった。そのフロンターレのサポーターの声というのが、味方になってみるとこんなにも後押しをしてくれる、ここまで力強いものなのかというのを肌で体感することができてよかった。」

← 力強いと言ってもらえるなら声の限り応援しますよ。届かなくても。


もうすっかり、チームの顔になり、次戦は是非得点をと期待している小宮山選手:「毎回思うが、等々力でプレーする以上の幸せはない。ほかのチームにはない、特別なグラウンドであり、特別なチーム。みんながフロンターレを愛している、というのが伝わってくる。」

← この特別というところがいいですよね。


最後は、リキ:「サポーターにはバスの中から感動していた。涙が出るくらいグッときて、絶対に勝ちをプレゼントしたい、と感じた。川崎のサポーターは日本一。その日本一のサポーターに、タイトルという形で恩返しするシーズンにしたい。」


等々力で愛するチームとサッカーを楽しめる。このこと自体がどれだけ恵まれたことで、幸せなことかを僕らは知っている、だから味方の選手も相手の選手もリスペクトする。

伝わらなかったけど、僕らにとってはただそれだけのことなんだと思います。



では、また。