ネットが現実社会とリンクするのは当たり前の時代だが、有名サイトでも個人運営の場合は、作り手の“顔”が見えないことも多い。本連載“顔の見えるインターネット”では、カリスマ的な人気を誇る個人サイトの管理人にインタビューして、サイトの運営法やコンセプト、情報収集術などを本音で語ってもらう。第1回は、オカルトニュースの情報源として不動の地位を築いている“X51.ORG”の管理人・佐藤氏だ。
X51.ORG
UMA(未確認動物)やUFO、奇妙な事件などのオカルトニュースを扱うサイト。最近はフリークスネタや動画も採り入れている。不定期で、佐藤氏が世界のオカルトスポットへ視察に出かけたレポート記事も掲載される。
フォローする海外サイトは2000〜3000件
── まず、X51.ORGを始めたきっかけを教えてください。
佐藤 2002年ごろ、何かサイトを始めてみようと思いました。ちょうどCMSが出始めた頃で、Movable Typeを使って作り始めましたね。昔からUFOやオカルトが好きで、コンテンツの内容は純粋に僕の興味本位で決まりました。
── 最初は、今のような人気サイトに成長させようとは考えなかったのですか?
佐藤 そうですね。気が付いたら、現在のような状況になっていますけど。長くやっている分、過去の記事の蓄積があるので、企業運営だとか企業がバックについているとか、よく誤解されます。企業だったら、こんなサイトやらないと思うんですけどね(笑)
── X51.ORGにはアメリカや中国など様々な国の記事が載っていますが、ネットでの情報収集はどれくらいの範囲に及ぶのでしょうか?
佐藤 英語サイトが中心ですが、南米や中国、ロシアの記事もチェックしていますね。すべての言語を理解しているわけではないですが、記事の画像などを頼りに、面白い記事は勘で分かります。チェックする件数でいえば、絶対目を通すのは100〜200サイトです。RSSを使って収集しているのですが、登録しているのは2000〜3000件になりますね。
── そうなると膨大ですけど、掲載する記事を選択するコツはありますか?
佐藤 そうですね。結構誤解されるんですけど、記事をアップする時に僕が嘘だと分かって載せていると思われるときがあるんです。「あのサイトってジョークでしょ」みたいな。僕は自分なりに最低限、記事の真偽を調べてから掲載するように心がけてます。
例えば、1箇所のサイトでしか掲載していない記事は疑ってかかります。ある程度大きいニュースだったら、最低2〜3件は載るのが普通ですから。1箇所しか載っていなくて、それがとんでもない情報だったりすると、それは報道側がねつ造したり勘違いした内容である可能性が高い。
そうやってフィルターをかけているんですが、確かにミスもあります。ただ真偽と言っても、「ネッシーは存在するか」というレベルの真偽ではなくて、「今回のネッシー報道は本当かトバシ記事か」といった意味での真偽ですが。
(次ページに続く)
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