10月6日から10月10日に開催された最新IT・エレクトロニクス総合展「CEATEC JAPAN 2009」(関連記事1)。薄型テレビ関連だけでも、3D表示技術をはじめとする各社の最新技術が披露されるなど、とても1日では見きれないほどの話題が提供されたが、最大の話題となったのは、東芝の「CELL REGZA 55X1」だと言えるだろう。
今回、その会場で「CELL REGZA 55X1」の開発秘話を聞いてきたので、今週、来週の2回に分けて紹介したい。
東芝ブースは「CELL REGZA」一色!
CELL REGZA 55X1の発表は、CEATEC JAPAN 2009の前日にその会場で行なわれた(関連記事2)。「テレビの概念を超える」といったメッセージや、「圧倒的」という言葉の連呼など、東芝の自信がよく伝わるものだったが、それ以上に驚かされたのは、ブースがCELL REGZA一色だったということ。
まさにモンスター級の実力を何もかも、そして、将来的に登場するCELL REGZAの展開までも披露してしまう展示は見応えも十分だった。また、会場には、開発に関わったメンバーが説明員として参加しており、開発者自身がその優れた実力を熱心に説明していた。その自信に満ちた表情や、うれしくてたまらないといった説明を聞いていると、「このテレビのことが好きで好きでたまらないんだろうな」と感じた。
CELL REGZAの開発は、発表会では「構想4年」と言われていたが、アイデアレベルでは、ソニー、IBM、そして東芝が共同で開発しようとしたマイクロプロセッサ「CELL」が生まれた頃にまで遡るという。
「現在でも最高レベルのマイクロプロセッサですから、これを使って映像で何かをできないか、ということはいろいろと話し合っていました。テレビは今後もっと高度化していく、録画やネットワーク機能への対応も見据えると、CELLのパフォーマンスは強力な武器になるはずだ」と話すのは、東芝デジタルメディアネットワーク社 映像マーケティング事業部 映像グローバルマーケティング部の参事の本村裕史氏。そんなCELL REGZAのほかに類をみない特徴を次ページ以降で紹介しよう。