東京メトロは2月20日、列車運行状況などの同社オープンデータを活用したアプリ開発コンテストの優秀作品16アプリを発表した。鉄道事業者による国内初のオープンデータ公開は、主催した東京メトロ自身も「予想外」とコメントするほどの盛り上がりを見せたようだ。
2カ月間に281点の応募、海外からも
東京メトロのオープンデータ活用コンテストは、同社の創立10周年を記念した取り組みの1つ。全線の列車位置、遅延情報、駅構内施設情報などをオープンデータとして一般開発者に公開し、「東京メトロの利用者がより便利でより快適になるようなアプリ」の開発を呼びかけた(関連記事)。グランプリ賞金は100万円。
約2カ月間という短い募集期間にもかかわらず、オープンデータ(開発者サイト)の利用登録は2328件、アプリの応募は281件あったという。すべての応募アプリ(iOS/Android/Webアプリ)は東京メトロのサイトで公開されており、実際に使用できる。
乗り換え支援、ダイヤ乱れ時の判断、ディープスポット案内まで
グランプリを受賞したのは、路線図+時刻表アプリの「ココメトロ」(池間健仁さん)。「駅のホームにある路線図や時刻表を、手元でわかりやすく見られるようにしたい」という動機から、シンプルな路線図上に、最寄り駅からの次の発車時刻、目的駅への到着予定時刻、乗り換え路線の発車予定時刻といった複雑な情報を、わかりやすくまとめている。
また優秀賞は、列車遅延情報や気象情報と連携した目覚ましアプリ「もしもアラーム」(Ahiru Factory)、通勤通学路線でダイヤが乱れた際に具体的な状況を伝える「遅延予報 東京メトロ版」(エムティーアイ)の2点に贈られた。
goodデザイン賞は、訪日観光客にリアルタイム混雑情報や沿線の“ディープスポット”案内を提供する「TOKYOTOKYO」(博報堂アイ・スタジオ)、高低差のある“立体地下路線”上をリアルタイムに列車が走る「東京動脈 Flow-in」(栗山貴嗣さん)の2点が獲得した。
そのほか10thメトロ賞として10作品が、特別賞として1作品が選出されている(以下参照)。エレベーターやトイレの施設情報を利用したナビアプリ、他のネットサービスとマッシュアップをしたアプリなどさまざまだ。
■10thメトロ賞:地下鉄多言語化MOD(@mima_itaさん)/ママのお出かけサポート(gherzさん)/うちカエル(トムソーヤ)/Metronavi(Nobuhito Ibarakiさん)/いまどこ?(日向慧さん)/Metro Toilet Finder(hassakuさん)/東京メトロエレベーター案内(MetaPGRS)/TrainNow -トレインナウ-(yukionoさん)/ねえ、東京メトロさん これ見てよ!(ビッツ)/四季電車(おこいさん)
■特別賞:Citymapper(Citymapper)
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