株式会社戦略調達社長。コスト削減・経費削減のヒントを提供する「週刊 戦略調達」、環境負荷を低減する商品・サービスの開発事例や、それを支えるサプライヤなどを紹介する「環境調達.com」を中心に、開発・調達・購買業務とそのマネジメントのあり方について情報提供している。
大和ハウス工業が、異なるメーカーの家電製品や設備機器を共通でコントロールすることができるソフトウェア「住宅API」を開発し、これを用いて、iPhoneアプリで住宅内の各メーカーの家電や照明などの機器を操作できるソフトウェアを開発したということです(同社ニュースリリース、参照リンク)。
つまり、家電、住設機器メーカの協力が得られれば、iPhoneが1つあるだけで、エアコンの温度設定や、テレビ、照明などのオン、オフができてしまうのです。これが実現すれば凄くないですか?
確かに、これまでもメーカーを超えた共通リモコンはありましたが、AV機器のみへの対応や、共通リモコンそのものの購入が必要といったことが壁になってか、あまり普及していないようです。
その点、アプリとして携帯電話に新たに機能を持たせる形であれば、追加のリモコンを購入する必要がなく、普及の壁を1つ減らせます。例えば、jig.jpは同社が提供する、携帯電話でPC用サイトが見られるjigブラウザ上のプラグインとして、テレビ、DVD、照明、エアコン、PS2など、さまざまな家電に対応した携帯用アプリ「jigマルチリモコン」を提供しています。
こうした携帯アプリが普及すれば、家電や住設機器メーカーも、個々の機種にリモコンを付ける必要がなくなるのではないでしょうか。家庭にあるすべてのリモコンが、すでにある携帯電話に置き換われば、それだけ利用する資源を減らせます。また、リモコンの中にはそれぞれに電池が入っているので、この資源も減らせます。
リモコンがほしくて家電や照明を買う人は1人もいません。むしろ、DVDを見る時に、テレビをテレビのリモコンで付け、DVDプレーヤーのリモコンに持ち替えてDVDプレーヤーを操作するといったように、機器ごとにそれぞれのリモコンを操作しなければならないことにわずらわしさを感じてる人は多くいるのではないでしょうか?
ここは家電や住設機器メーカーの中から、個別の機器のリモコンをやめる英断をするところが出てくることが望まれます。こうした携帯アプリを主とし、望む人にだけリモコンを配布するという会社が出てくれば、リモコンをなくす動きが一気に加速するのではないでしょうか。
リモコンが携帯電話に置き換えれば、リモコンをなくして困るということも少なくなるでしょう。リモコンはなくしても、携帯電話をなくす人は少ないでしょうし、管理しなければならない数も数個以上から1個に減るのですから。(中ノ森清訓)
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