自分は登山が趣味である。
やりはじめてもう4年ほどになるが、体力が伴っていない悩みがある。リモートワーク生活で普段体を動かすことがなく、体力不足が深刻だ。
先日、積雪期の武奈ヶ岳に行ってきたのだが、途中でどうにも足が動かず、同行者に相談して途中で引き返してもらうことになった(快くリタイアに付き合ってくれた同行者には感謝)。
雪山はこれがはじめてではないのだが、以前登頂できた赤坂山も、自分としてはかなりきついコースだったなぁとふりかえった。
昨年の秋に、友人とはじめて北アルプスに登った。
13時間で標高差1,400mを往復するコース(途中山小屋で1泊する)だったが、これもかなり自分にとってはきつかった。 yamap.com
もう少し、普段の地元の六甲山を歩くときのように「疲れたけど楽しかったねー」という感覚でこれらの本格的な山行を終えられないだろうか。毎度こういうしんどい山に登るたびに、体力をつけなければ、と思って1, 2ヶ月ランニングなどをしてみるが、どうも続かずに結局は仕上がっていない体で山に登っては後悔している。
自分の体がどうなったら、こういう山を楽しく登れるようになるのかがわからないので、モチベーションが継続しないのだ。
そんなおり、こんな本を読んだ。
以前、自分のブログでも紹介した、山行に必要な体力度を表す「コース定数」の発案者である、鹿屋体育大学の山本正嘉教授の著書だ。
ここに、自分にとって参考になる良い指標が紹介されていた。
一般に、身体活動の強度はメッツという単位で表される。
厚生労働省のサイトによると、座って安静にしている状態が1メッツ。通常歩行が3メッツ。ジョギングやサッカーが7メッツだという。
『登山の運動生理学とトレーニング学』によると、ハイキングは6メッツ、一般的な登山が7メッツ、雪山などのバリエーション登山は8メッツの強度に耐えられる体が必要だという。
では、自分が実際に現段階でどの強度に耐えられる体であるのか。この本では、それを計測する体力テストが紹介されている*1。
- 場所: 無雪期の整備された登山道で、ある程度急な傾斜が続き、1時間以上登り続けられるコース
- 方法: はじめに10分程度のウォーミングアップ歩行をする。その後きつさを感じる手前のペースで、1時間垂直方向にどれだけ登高できたかを測る
- 評価方法: 以下の表で評価する
自分の過去の山行記録からこれを測ってみると、おおよそ自分の登山における運動強度は6メッツ程度であることがわかった。六甲山を歩くのは楽しくて、北アルプスや雪山はしんどい、という体感と完全に一致する。
つまり、この表で8メッツ相当の体力を身につけることを具体的な目標とすればよいのだ。軽いザックを背負っての1時間の獲得標高が510m。
計測は週末に六甲に行き、上りが続くコースを1時間歩けば良い。摩耶山に続く上野道などがちょうど良さそうだ。
具体的な目標があり、計測手段があって自分の現在地と成長が実感できれば、モチベーションは継続しそうである!!
8メッツの運動強度はランニングと同等であるというので、日常的にランニングをすることにした。このブログを書いている時点で3週間ほど継続できている。最初は2kmジョギングするのもしんどかったが、2~3kmなら楽しく走れるようになってきた。
ランニングそのものにも目標を設定しようと思い、3月の市民マラソン大会の5kmの部へエントリーした。10kmの部くらいを目標にしても良いかと思ったが、継続するためには目標は小さく刻んでいくのが良いだろう。
さて、自分はこれを続けて、今年の夏のアルプス登山と、次の冬の雪山を楽しむことができるだろうか?