さて、この週末に、WUG10周年のファイナルツアー配信、ファイナルライブ応援上映がありました。
私は生憎日本にいなくて応援上映は参加できなかったわけなんですが、金曜日からの配信と、応援上映と同じタイミングで円盤を見てひとりで盛り上がることができました。
この一連が本当に楽しくて、懐かしくて、また新しい元気をもらって、明日からもなんとか人生第2章をやっていこうという気持ちになりました。
そんな時、ふと昔Wake Up, Girls!についての熱い思いを水音さんの同人誌に書いてたことがあって、ちょうどOKもらったので自分のブログでも公開しておこうと思います。
Wake Up, Girls!について
+ 1.「忘れないで でも上手に忘れて」
これは、Wake Up, Girls!(以下、WUG)から最後に伝えられたメッセージの一つだ。解散が決まって、最後に新曲が4曲出ることになった。その中の1曲の中のフレーズである。解散が決まってから新曲が出るだけでもありがたいのだが、その曲1つ1つがレクイエムなので、すべて聞くときは泣きながらになるし、フレーズ一つ一つも吟味したくなってしまうのだ。
さて、そんなメッセージ通りに、果たして本当に「上手に忘れる」事ができるのか。新曲が出た2019年の1月、私は不安でしょうがなかった。うまい事忘れて何てことない毎日が戻ってくるのか、それとも忘れられずに悶々とした日々を過ごすのか。
今これを書いているのは2019年の10月。1月に新曲が出て、1月~2月のファイナルツアーパート3、そして3月8日のファイナルライブ。その翌日にメンバー全員分のブログが更新されてWUGは完全に活動を終了した。それから7か月とちょっとの状態である。そんなわけで、機会をもらったので、WUGにハマってた大ファンの1人として、これまで、そしてこれからについてを文章にしてみたいと思う。
+ 2.出会い/ハマったきっかけ
WUGといえば、ヤマカンアニメの功罪みたいな所で語られがちであり、コンテンツとしてのWUGと声優ユニットとしてのWUGそれぞれに複雑な思いを抱えているファンも結構いることは認識している。幸か不幸か私はアニメコンテンツとしてのWUGにほとんど思い入れがない。劇場版は見たものの、最初のテレビシリーズの温泉回で見るのをやめて、最後まで通して見たり上下の劇場版を見たのも大分後になっての話しだ。
ハマったきっかけは明確で。2017年9月に行われた4thライブツアーのファイナル公演、ZEPP TOKYOでの事である。そこで現れたWUGちゃんの真っ白な衣装と、その衣装に合わせたかのような「雪模様、恋のもよう」という冬の雪景色の情景が浮かび上がってくるような恋の歌を聞いて、もうやられてしまった。
後から聞いた話なんだけど、ちょうどその4thツアーの頃って、アニメ作品の方が小休止期間でタイアップがない中のライブになっていて、メンバー間で「だったらその分ライブパフォーマンスでやっていくしかない」みたいな覚悟を決めた時期だったんだそうな。なのでそんな様な物をなんとなく感じたんでしょうなぁ。。というわけで、私のハマった理由は「パフォーマンスのすごいアイドルユニット」として、というところであった。(確かにハマってからそれ以前のライブBDなどを見たりしてるんだけど、当時もかわいいはかわいいのだけれども、その時点でこれを見たとして、がんハマりしていたかというと、そこまでのフックもなかったような気もして、そういう意味でも良いタイミングでハマったというか、絶妙な所だったと言える)
そっからは早かった。イベントに足を運び、ファンミーティングに駆け付け、楽屋花を送り、ファンレターを書いた。ちょっと余談になるけど、花を送ったりファンレターを書いたりするのは、最高に魂が浄化される行為である。送ったところで読まれるかどうかの保証もない、ただの自分の気持ちを一方的に送り付けるだけの行為であるが、それがどこかの何らかのルートを経てどこかに行っているかもしれないと思う事は、娯楽の中でももっとも崇高な楽しみの一つだと思う。見返りの無い無償の愛(アガペー)を感じる事ができる。
さらに余談ですが、私は吉岡茉祐さん推しである。
+ 3.解散してから…
そんな中で、5thライブツアーはまだかな~そろそろかな~おっやるのか楽しみだな~とか思っていた矢先の解散の報せ。会社で会議中に携帯でメールをいじっていた私(それでいいのかどうかは別の話。本当に別の話だ。しかもいいかどうかでいえばダメだ)は、文字通りひっくり返って周りをびっくりさせてしまった。本当にダメだ。
で、そこからファイナルツアー、ファイナルライブまであっという間だった。さすがに妻子持ちのため全通というわけにはいかなかったが、たくさんライブを見せてもらった。
座間カラオケコーナーでの吉岡茉祐さんの恋ダンス、大宮での大接近、横須賀でのプレゼントと「ホーリーナイト」(WUG好きでとらドラ!が大好きな俺にとっては完全に私信ライブだった)、熊本で初めて披露される新曲、仙台、最後の仙台のハートラインのみんなのコール。どれをとっても忘れられない思い出ばかり。そして最後のさいたまスーパーアリーナまで、それでもあっという間に過ぎ去ってしまった。全部終わってしまった。
それでも、たった7か月しか経っていないのが不思議なくらい平穏な気持ちになっている。理由の1つは、自分なりにすぐ総括の気持ちになったことだ。ちょうどその時の心境をブログに書いていたので、そこから転載したい。
======
WUGの事を語り継いで、色んな所に曲やパフォーマンスを届けていく役割
・昔の事
もう6,7年前の事なんだけど、プリンセスプリンセスが震災のチャリティで期間限定で復活した時のファイナルライブでの話。ボーカルの岸谷(奥居)香のMCを今でも覚えていて。仔細はうろ覚えだけど、「解散した事でプリンセスプリンセスは、この世のどこにも居なくなってしまいましたた。それでも居なかったその十数年の間、ずっとプリンセスプリンセスの曲は流れていました。街角で、テレビで… そんな風に曲が流れてる時は、私達自体は居なくなっても、ずっとプリンセスプリンセスは生きていて、みんなの心に音楽を届けているんだと感じられて、とても嬉しかった」というような内容。
そこから続けて「私達がみんな揃って、プリンセスプリンセスとしてライブをする事はもうありません。チャリティーの期間が終われば、みんなそれぞれ歩んできた別々の人生に戻ります。それでも、またこれからずっと先、プリンセスプリンセスの曲を、どこかで聞く機会があるだろう、生き続けてくれるだろう、という安心した気持ちで終える事が出来ます」みたいな感じだったと思う。(それで後に「それでは、私達がいない間に、一番たくさん聞こえてきた曲を届けます」とか言って「M」が始まる奴)
翻って、プリンセスプリンセスの音楽だって、自然発生的に流れていた訳ではなくて、たくさんのファン達がいて、皆が良いよ、良いね、、って言い続けていたからこそ、色んな所で演奏されたり、流れたりしていた訳で。
・WUGの事を語り継いでいく「役割」
じゃあ同じように、WUGちゃんの事を、一体誰が、良いよ良いねと言って、世の中に流し続けて、それをメンバーに聞かせて安心してもらうの?って言うと、それはもう昨日のあの場を見ちゃった人の役割になっちゃうよね。
奇しくも昨日吉岡さんが、同じように「もう二度とこのメンバーのセンターに立つことはない」って、言ったのも大きくて。プリンセスプリンセスの場合は、別々の人生を歩んできた期間が長すぎて、一線を退いた人もいる中で、最後の最後まで「例えチャリティーであってもやるのに反対」するような意見がずっとあって、その沢山の調整があってようやくこぎつけた再結成だったわけで。
だから吉岡さんからあんな言葉が出て来るってことは、昨日のあの場面に至るまでに、沢山の、本当に沢山の大変な事があったからこその、実感として出てきたんだろうなと想像出来るわけです。
だからこそ尚更今まさに、WUGちゃんの事を広めていく役割*1が、WUGちゃん自身からファンに完全にバトンタッチされたということなんですよね。
WUGちゃんが解散した後もずっと、そんな風に少しでも多くの人に、WUGの事を届けるお手伝いを一人一人がしたらさ、きっとそんな語り続ける声がメンバーにも届いて、安心してくれると思うんだよね。そういう事を考えながら、これからの人生第2章を生きていくようにします。
====
というわけで、ひとつは「ロス」ってる場合じゃねえ、なんとかこの子たちが生きて活動していた形跡をずっと語りついで行かなきゃ…ってミッションめいたものが芽生えたんですよね、3月8日の夜に。その後だからといって大した活動はしてないんだけど、私は楽器が弾けるので友達を集めてWUGちゃんの曲ばかり演奏する会を開いたり(その友人たちはライブまでしていて本当に偉い)、インターネットでつぶやいたりとかそういうのをしている。別の友人たちはDJで流したりとか。とにかく何かやれることはあるはずっていう気持ちだよね。。
二つ目の理由としては、結構メンバーがバラバラになってもそれぞれ露出したり、たまに(全員じゃないけど)何人かが一緒に仕事をしていたりするのを見る機会が多くて、うれしい!という気持ちも得られた。解散しちゃうのは残念だけど、そのあと割とすぐに各人の仕事が続いてく感じが、ロスを解消してくれた。特にメンバーがみなTwitterかInstagramを始めたのはデカかったのよね。もともとブログしかなかったWUGメンバーが一気に身近になったような、いなくなったはずなのに、不思議な感じ。そんな不思議な気持ちに外間追っている間にあっという間に時間は過ぎていく。これが、「忘れないで、でも上手に忘れて」ってことなのかな。自分はもしかしたらうまくできているかもしれないな。
あともう一つおまけで完全に蛇足ですが、シャニマスにハマったのも小さくない出来事だと思う。なんとWUGのファイナルライブが2019年3月8日で、その翌日2019年3月9日がシャニマスの1stライブだったんだよね。見送られる者たちと新たに見守られる者たちとの小さな交差。自分が勝手に思ってただけかもしれないけど、そこに運命を感じずにはいられませんでした。
それでも、3月9日の朝起きたときには、WUGちゃんがいなくなった悲しみで、とてもじゃないけど外出する元気なんて全くでなかった。そこに背中を押してくれたのは、Twitterのタイムラインのみんなが「今日の1stライブ楽しみだな」とか「物販並んでるけどすごい勢い」とかそういう純粋に楽しそうにしている姿だった。アレを見ていなければ絶対おシャニのライブには行ってなかっただろうし、そのあと楽しく打ち込んでいる事もなかったように思う。こんな風にべつのハマり事を持っていたってのも大きかったかもしれないな。
+ 4.では、封印していたファイナルライブの映像を見てみましょう
さて、話を元に戻すと。そんなわけでうまく忘れているような気がする中、WUGちゃんコンテンツを見てどんな気持ちになるか整理してみようと思う。具体的にはこれ、「Wake Up, Girls! FINAL LIVE~想い出のパレード」の円盤を見てみよう。3月8日の気持ちが強すぎて、今まで封印して一度も見ていなかったこの映像、ちょっと見てきます。
…見ました。最高に楽しい空間だった。
あの時は見切れなかった細かいところまで、映像でゆっくり見られるからこそわかるところもあって、本当に楽しかった。オープニングはそれぞれの出身地で映像を撮影してたんだね。パフォーマンスの端々でのメンバーの笑顔・キメ顔、ひとつひとつじっくり楽しめる。ダンス、ぴょんと跳ねるところや来るっと回るところのきれいなシンクロの美しさ。いつも笑顔の七海、キメ顔と感情顔の演技がうまい青山、随所で照れる吉岡さん。叫びが決まる田中、ファンを大事にする高木、歌の上手な奥野さん、世界一美しいダンスの核永野。
曲も盛り上がるし、静かなのもあるし、大好きな曲SHIFTの背景映像で過去の名作ミュージカル(オズとかキャッツとか)のリスペクトも良い、なんかこう、隅々まで楽しめる映像だよ。いいなぁあ。いいものを所有しているな俺。幸せ製造機だ。。。
時々こんないい気持ちになりながら振り返ったりできるといいよね。
なんて…
いやだ。
いやだいやだいやだいやだ。これがもう二度と生で見る事ができないって嘘でしょ?何がWUGのダンスは跳ねるところが良いだよ、最後にミスっちゃってご愛敬じゃないんだよ。リベンジはないのかよ。あの時ちゃんとできなかったコールがあるんだよ。前の席でぺちゃくちゃしゃべってたくそ厄介をぶん殴っとけばよかった。ツアー全通しなかったおかげでもう聞くことのできない曲があった。それどころじゃない、もう全部もう聞くことのできない曲だそんな馬鹿な。何がいいタイミングでハマる事が出来ただ馬鹿じゃないの最初からハマってもっともっと想い出作ることが出来てたんじゃないの?何が解散ライブが出来るアイドルは幸せだ、フェードアウトするよりよっぽどましだって?どっちだっていなくなってしまえば同じじゃないか…何がバラバラでも露出していてうれしいだ、全員一緒じゃなくて寂しいってのが先にくるでしょ、来るよね・・・・
後悔、後悔、後悔…その気持ちをずっと忘れるな、そんなものなしに上手に忘れていこうなんて、そんなの図々しすぎやしないか?もっと、思う事、考える事があるんじゃないの?
…どうやらまだ、上手に忘れる事なんてできないようだ。どうしたらいいんだろう。まだ答えは出ない、こうしてちょっとだけ悶々としたまま、表向きはスカッとした感じでしばらくは生きていくんだろうな。