キャッシュレス決済やキャッシングの関連犯罪を解説するページです。あらかじめ知識を得ておけば、無用な犯罪に巻き込まれるリスクが減りますよ。
スキミング詐欺:
スキミング詐欺とは?
スキミング詐欺とは、スキマーと呼ばれる小型装置を使ってクレジットカードやキャッシュカードの情報を盗み取る詐欺のこと。
被害経路は小売店やレストランなどのレジで盗まれてしまう場合もあれば、タクシー車内のような暗い空間でこっそり盗まれてしまう場合も。
- 小売店:会計処理の際に盗む
- レストラン:テーブル会計の際に盗む
- タクシー:暗い車内でそっと盗む
最近では銀行ATMのキャッシュカード挿入口にスキマーが設置されていた…なんて事例もあるので、気をつけていても完全に防ぐことは出来ません。
スキミング詐欺の事例:
参考までにスキミング詐欺の事例をいくつか紹介。
まずは銀行ATMに設置されていたスキマーの写真をご覧ください(SBI新生銀行より転載)。
ATMのカード挿入口にスキミング装置を取り付ける
カード挿入口に付けたスキミング装置により、磁気記録情報を取得し、かつ、ATM付近に小型カメラ等を設置することで、入力した暗証番号を盗撮する手口です。
また、セブン銀行のATMにスキマーとカメラが設置された事例もありました(転載元)。
正直、これだけ巧妙にスキマーを設置されたら、私たちには防ぐ術はなし。
不運にもスキミング犯罪の餌食となってしまった場合には、後述する盗難補償を申請して被害額の全額を補填してもらってください。
手間はかかりますが、それで被害額を0円にすることが出来ます。
国内におけるスキミング詐欺の現状:
日本国内におけるスキミング詐欺は、ICチップ付きのICカード普及によって減少傾向。
従来のように磁気ストライプの情報だけで偽造カード(通称:クローンカード)が作れていた時代とは異なり、そうカンタンに複製ができなくなったためです。
- 過去:磁気ストライプを読み取るだけで偽造カードが作れた
- 現在:ICカード化によって偽造カードが作りにくくなった
要は理論上はできるけどコストに見合わない…そんな感じでしょう。
古いキャッシュカードが狙われる:
これに対してキャッシュカードのICカード化はまだまだ。
地方銀行や信用金庫発行の古いキャッシュカードだとスキマー&監視カメラで簡単に情報が盗まれてしまう場合があるので、ATM利用の際は手元を隠した上で暗証番号を入力するようにしてください。
- クレジットカード:ICチップ付きが主流なため、複製が難しい
- キャッシュカード:ICチップが付いていないものがまだまだ多い
それでスキミング詐欺による被害を減らせるはずです(ICチップ対応のキャッシュカードに切り替えられる場合は早めに切り替えをどうぞ)。
海外におけるスキミング詐欺の現状:
尚、海外でのスキミング詐欺は大胆不敵。
近年増加傾向にあるのは、クレジットカード決済機を覆うようにガバッと不正装置を設置し、客側が入力した暗証番号を盗み取ってしまうもの(TechCrunchより転載)。
こうなるといつカード情報をスキミングされたのかすらわからないので、対処のしようがありません。
対策は厚みを確認したり揺らしてみるなど:
ではどう対処すればスキミング装置を発見できるのか、不正装置を作られてしまったIngenicoの公式手法としては下記の通りです。
- 決済機の厚みを確認する
覆うように取り付けられる装置は各部位の厚みが増す(スライド部分右の厚みが1cm近く太いなど) - 指で摘んで揺らしてみる
スキミング装置はガバッと接着されているだけなので、指でつまんで揺らしてみればグラグラと動く(揺れれば不正を疑う)
ただ日本で見慣れたカード決済機であればその「違和感」に気づけるかもしれませんが、海外渡航先で初めてみる機器で判別などムリな話。
さらに決済機をいきなり触り始めたら店員から怒られたり、下手すると警察沙汰になってしまう可能性もあるわけですから、私たちに出来るのは頻繁にクレジットカード利用明細書を確認し、不正利用されていないかを確認することくらいでしょう。
アナログな方法で盗まれることも:
ほかにも海外ではアナログな方法でクレジットカード情報が盗まれ、不正出金されてしまう事例がちらほら(外務省の海外安全ホームページより引用)。
- 店員からカードを使って欲しいと頼まれる
- 暗証番号を入力するものの使えない
- 店員が確認してくるとカードを取り上げる
- 数分後、やっぱり使えなかったと返却
- 実際はその間にATMでキャッシングされている
ヨーロッパ観光に来たBさんは、屋台のみやげ物屋で買い物をするときに、店主から、「おつりが払えないのでクレジットカードで払って欲しい」と頼まれました。
言われたとおり、クレジットカードを店主に渡し、端末に暗証番号を入力しましたが、正常に受け付けられません。
すると店主は、「カードに問題がないか確認してくる」と言い残し、どこかへ行ってしまいました。数分後、帰ってきた店主に、「このクレジットカードはこの店では使えない」と言われ、結局Bさんは欲しかったお土産を買うことができませんでした。
がっかりして帰国したBさんですが、クレジットカードの請求書を見て仰天しました。多額の現金が、クレジットカードから引き落とされていたのです。
屋台の店主が、暗証番号を盗み見、クレジットカードを持って店を離れた時にATMから現金を引き出していたのでした。
対策は暗証番号を入力する際は手元を隠すこと、そして店員が促してきたとしてもカードを渡さないなどの対策が必要となりそうです。
昔は暗証番号がバレバレだった:
今から30年以上前に発行された磁気カードは、セキュリティ強度がもうガバガバ。
なんと磁気ストライプに鉄粉をふりかけるとカード情報&暗証番号を肉眼で読み取ることが出来たため、不正利用され放題だったんです。
まぁさすがにそんな状態が放置されるはずはなく、カード発行会社側でも対策を実行。
現在では磁気カード内に暗証番号が記録せず、サーバー経由で都度確認をする「ゼロ暗証番号方式」が採用されているのでご安心ください。
フィッシング詐欺:
最近、特に問題になりつつあるフィッシング詐欺の解説です。
フィッシング詐欺とは?
フィッシング詐欺とは、本物のWEBサイトそっくりのものを作ってクレジットカード番号や銀行口座情報などの個人情報を盗み出す詐欺のこと。
主に「新しいパスワードに変更ください」「支払いがまだ完了していません」といったEメールを無作為に送りつけ、本物からの連絡と勘違いしたターゲットから情報を盗み出すことが一連の流れとなります。
- 無作為にメールを送りつける
- メール内容に騙された人に個人情報を入力させる
- カード番号や有効期限を盗み取る
本物そっくりのメールが届くゆえに、騙されてしまう人があとを絶ちません。
フィッシング詐欺例:
参考までに私宛に届いたことがあるフィッシング詐欺のメール文をいくつか紹介します。
まずはイオンクレジットサービス株式会社を語ったフィッシング詐欺メールから。
イオンクレジットサービス株式会社 利用いただき、ありがとうございます。
このたび、ご本人様のご利用かどうかを確認させていただきたいお取引がありましたので、誠に勝手ながら、カードのご利用を一部制限させていただき、ご連絡させていただきました。
つきましては、以下へアクセスの上、カードのご利用確認にご協力をお願い致します。お客様にはご迷惑、ご心配をお掛けし、誠に申し訳ございません。
ご回答をいただけない場合、カードのご利用制限が継続されることもございますので、予めご了承下さい。
こんな連絡をもらったら誰でも慌てちゃいますよね。
そうして確認手続きの最中にカード番号や有効期限を入力させ、クレジットカード情報を盗む流れとなります。
Amazonからのフィッシング詐欺メール:
国内利用者が多いAmazon.co.jpを騙ったフィッシング詐欺メールはほんと多いです。
Aamzon.co.jpをご利用いただきありがとうございます。
アカウントで異常なアクティビティが検出されたため、注文とAamzon.co.jpアカウントを停止しました。
こういったシンプルに偽Amazonへ誘導するメールもあれば、
プライムへ登録の際に設定いただいたお支払い方法認証の際にエラーが発生しました。そのため、現在、お客様にはプライム会員特典をご利用いただけません。特典をご利用いただくには、3日間以内にお支払い方法の再登録をお願いいたします。
- こちらからお客様のアカウント情報をご入力下さい
- Amazon Primeをご利用のAmazon.co.jpアカウントにサインインして下さい
- 「アカウント&リスト」ページから「お支払方法-お支払方法の追加・変更」を選択して下さい。
- 既にご登録いただいている支払手段の有効期限を更新、もしくは新しいお支払法を選択して下さい。
エラーの原因は様々ですが、本エラーが発生する例としては、お支払い方法の有効期限が切れている場合が多く見受けられます。
詳細の原因につきましてはご登録いただいたお支払手段の提供会社(クレジット会社等)にお問合せ下さい。
Amazonプライム会員の支払いが出来ない…と、カード番号と有効期限の登録を求めてくるものも多いですね。
対策としてはメール上から手続きをせず、ブックマーク or 検索経由でAmazonにアクセスした上でご確認をどうぞ。これでだいたい防げます。
銀行名義で届いたフィッシング詐欺メール:
続いて私自身が銀行口座を保有していない、みずほ銀行からの詐欺メールは下記の通り。
平素より、みずほ銀行をご利用いただきありがとうございます。
みずほ銀行では2019年6月より金融庁の「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドライン」に基づき、お客さま情報やお取引の目的等を定期的に確認させていただいております。お客さまにはお手数をおかけいたしますが、何卒ご理解とご協力をお願い申しあげます。
※なお、確認させていただく時期はお客さまごとに異なります。
※2022年10月05日までに「お取引目的等のご確認へ」より、お取引の目的等のご確認をお願いいたします。
このようにフィッシング詐欺では、当該サービスを利用していない人にも無差別でメールを送信。
- みずほ銀行で口座を持ってる人:つい対応してしまう
- みずほ銀行で口座を持ってない人:フィッシング詐欺だとわかる
たまたま条件に当てはまってしまった人が、うっかり個人情報を入力するのを待っているのですね(人によってはみずほ銀行で口座など持っていないのですが…と丁寧に返信し、フィッシング詐欺に騙されてしまうことも)。
昔はおかしな日本語メールも多かった:
蛇足です。
昔はフィッシングメールといえば、おかしな日本語で書かれているバレバレの詐欺メールばかりだったんですよね(下記はオリコを騙るメール事例)。
eオリコサービスご利用のお客様
eオリコサービスはクレジットカードに異常があると提示しました。今はクレジットカードを制限します。身分情報を適時に提出して審査してこそ、正常に使用できます。
今アカウントを確認できます。あなたの情報を適時に更新してください。そうでなければ、アカウントは24時間以内に停止されます。
よく読まなくても「異常があると提示しました」や「身分情報を適時に提出して審査してこそ」など、日本人なら絶対に書かないような言い回しを見つけられるため、すぐに詐欺だと認識しやすい状況があったんです。
しかし近年では公式メールの文章をそのまま転載し、送りつけてくるフィッシングメールが増加中。
- 過去:おかしな日本語のメールが多かった
- 現在:公式そっくりな文章のメールが増加
それゆえ、文章の内容だけでフィッシングメールかどうかの判別は出来なくなりつつあるので、この点もあわせてご注意いただければと思います(ほかにもフィッシングメールの事例を見たい方はこちらのページ参照)。
フィッシング詐欺への対策:
フィッシング詐欺への対策は主に下記の通り。
- 送信元のメールアドレスを確認
- 文章の中身を確認
- Gmailを利用する
それぞれ解説していきます。
1.送信元のメールアドレスを確認
一部の精巧なフィッシングメールを除き、フィッシング詐欺メールは送信元がおかしなアドレスであることが多め。
たとえばAmazonからのメールなのに送信元が中国ドメインだったり、JR東日本からのメールなのにムームードメインから…みたいなヒントがそこにはあるので、怪しい送信元からメールが届いたら十中八九フィッシング詐欺と思って間違いありません。
下記画像のように経由地で判別可能な場合もあります(メールアドレスの横にcnドメインが確認できる)。
加えて不正を企てる人たちは、公式ドメインと類似のドメインを使う傾向あり。
Amazonならamason、nttdocomoならnttdoccmoになってたり…と、本物と勘違いしやすいドメインを取得している場合が多いので、こちらもあわせてご注意ください。
よく見ないとほんと間違えます。
2.文章の中身を確認
フィッシング詐欺対策、2つ目は文章の中身を確認すること。
昔のようにヘンテコな日本語でメールが送られてくる場合は少なくなりましたが、現在でもよく見れば違和感ある内容が多いですね。
- カード番号記載あり→自分のカード番号と違う
- 宛名が英語→メールアドレスから拾ってる?
- リンクの飛び先URL→公式と異なっていれば詐欺
- リンクの飛び先がIPアドレス→普通じゃありえない
心当たりのない内容が届いた際は、隅々までチェックするようにしてください。
3.Gmailを利用する
フィッシング詐欺対策、3つ目はGmailなどのインターネットメールサービスを利用すること。
これのなにが良いか…というと、それはフィッシングメールを自動的に判別してくれるから。
最先端のフィッシング対策機能を利用可能
Gmailで正当なメールか不審なメールか判別が難しいメールが届くと、通知が表示され、ユーザーが管理できます。
怪しいメールアドレスからのメールを弾いてくれるのはもちろん、他のGmail利用者が「これは不正では?」と判別したメールも同じように弾いてくれるので、こちら側でフィッシング対策をする必要がほとんどなくなりますよ(不正メールはだいたい自動で警告が付き、迷惑メールフォルダに入れられる)。
Gmailに切り替え可能な方は、ご検討ください。
SMSで届けられるフィッシングメールは騙されやすい:
パソコン上で確認可能なOutlookやThunderbird、そしてGmail等のウェブメールではメールの送信元やリンク先の確認がしやすい状況があるのですが、iPhoneやAndroid端末に直接SMSで送られてくるメールは表示がシンプルゆえに騙されやすい傾向あり。
それゆえ、メールにて緊急対応を求められた際は一旦落ち着いて、ほんとうにその内容が正しいかどうかを「いつものやり方」で確認ください。
- 間違い:
緊急の連絡が入ったのでメール本文にあるリンクをクリックして対応する(いつもとは異なるやり方で当該サイトにアクセスする) - 正解:
緊急の連絡が入ってもメール本文にあるリンクは使わず、検索やブックマークを使って対応する(いつものやり方で当該サイトにアクセスする)
そうすればフィッシング詐欺にひっかかる可能性を極端に下げることが出来ますよ。
大切なのは慌てて対応しないこと、ただそれだけです。
クレジットマスター:
メディアで度々話題になるクレジットマスターの解説です。
クレジットマスターとは?
クレジットマスターは、コンピュータープログラムを利用して使えるクレジットカード番号と有効期限を探し出す詐欺のこと(引用元はこちら)。
クレジットマスターとは、クレジットカード番号の規則性を悪用し、他人のカード番号を割り出す犯罪行為を指す言葉です。
わかりやすくいうと適当に入力したカード番号が使えるかどうかを延々と繰り返し、ほんとうに使える番号を見つけ出してしまう手法なので、クレジットマスターを防ぐ方法は今のところありません。
ある日突然、空から隕石が降ってきて、不幸にも当たってしまったくらいの感覚に近いです。
なぜ有効な番号を見つけ出せるのか:
ではなぜクレジットマスターでは、利用可能なカード番号を見つけ出すことが出来るのか…というと、これはカード番号には規則性が存在するから。
ISO/IEC 7812と呼ばれる国際規格によってカード番号が決められるため、探そうと思えば比較的簡単に見つかってしまうものなんです(引用元)。
ISO/IEC 7812は、入場カードや銀行キャッシュカードやクレジットカードなどの磁気ストライプ付き(IDカード)の国際規格である。
1989年に最初に公開され、2部 (7812-1〜7812-2) から構成される。ISO/IEC 7812にてクレジットカードの番号が制定されている。当該規定で定められている番号の最大桁数は19桁である。
ISO/IEC 7812で定められている番号は、1桁の主要産業識別子 (MII) と、6桁の発行者識別番号 (IIN) 、個々の口座番号 および 1桁のチェックサムで構成されている。
有名なところだと三井住友カードの4980がありますね。
一部の航空系カードを除き、Visaブランドの三井住友カードはだいたい4980から始まるカード番号となっているので、安全そうに見える16桁のカード番号も法則性を学んだコンピュータープログラムによって容易に見破られてしまうこととなります。
クレジットマスターの現状:
無差別にカード番号を割り出されてしまうクレジットマスターには怖さがありますが、被害件数そのものは少なめ。
とりわけ日本では滅多に発生しない犯罪であること、そして不正利用は海外で行われる傾向にあることを考えると、さほど恐れる必要はないといえます。
- 日本ではあまり発生しない
- 海外での不正利用となるため発覚しやすい
- 3Dセキュアの普及などでセキュリティ向上
仮に不正利用されたとしても、カード会社が即座にクレジットカード利用を停止してくれることでしょう。
芸能人に被害報告がある:
そんなレアとも言えるクレジットマスター被害ですが、有名芸能人に経験ありな方がいるんですよね。
それが元SMAPの中居正広さん(引用元)。
元SMAPの中居正広(45)が、クレジットカードの不正利用被害に遭ったことを明かした(中略)。
「カードを全然知らない人に使われた。落としたわけでもない」という中居。自身が被害に遭った手口はスキミングやフィッシング詐欺などではなく「クレジットマスター」と呼ばれるもので、コンピューターを使って実在するカード番号などの情報を探し出し、暗証番号がわからなくてもその番号などのみで利用できるショッピングサイト等で不正行為を働くという。
「ほんと、ヤベェやつ。気をつけて欲しい」と呼びかけた。
幸いにもすぐ被害に気付き、請求を止めることができたため被害額は0円だったとのことですが、クレジットマスターによる詐欺件数はゼロではないので、みなさんも用心いただけると助かります*1。
クレジットマスターを防ぐ方法:
前述のようにクレジットマスターを防ぐ方法は存在しません。
それゆえ、不幸にもクレジットマスターの被害に巻き込まれてしまい、身に覚えのないの利用を見つけた場合には早めに連絡を入れるようにしてください。
- 利用明細書を確認
- 身に覚えのない支払いを発見
- カード会社に連絡
- 支払いが取り消しされる
それで支払いを取り消ししてもらえます。当然、みなさんが負担する被害額は0円です。
心配な方は利用通知メールをONに:
それでも心配な方は、大手カード発行会社が提供している「カード利用通知メール」をONにするのがおすすめ(エポスカードより転載&引用)。
カード利用通知サービスってなんですか?
エポスカードをご利用いただいた場合にメールでお知らせするサービスです。
万が一、不正利用時には早期発見ができますので、安心してカードのご利用がいただけます。
こうすれば自分が使っていないカード利用を即座に確認できるようになるので、「あれっ、今さっきカード利用なんてしてないのに通知が来たぞ?」とか、「おいおい、ドイツのスーパーマーケットで買い物したことになってるんだけど?」といった場合には即座にカード会社へ連絡ください。
カード代金が引き落とされる前に、請求をキャンセルしてくれるものと思います。
セキュリティコードがクレジットマスターを防ぐ:
ちなみに。
クレジットマスターはクレジットカード番号の規則性を悪用し、利用可能なカード番号と有効期限を見つけてしまう詐欺。
それゆえ、過去にはカード番号と有効期限のみの入力で購入できる通信販売がその餌食となることが多い状況がありました。
しかし、昨今ではセキュリティコードが普及し、通販サイトで買い物をするためにはカード番号、有効期限、セキュリティコードの3つが必要に変更。
- 過去:
カード番号と有効期限さえ合っていれば買い物できてしまう通信販売サイトが多かった(クレジットマスターで探し出したカード情報が悪用しやすかった) - 現在:
カード番号と有効期限に加え、カード保有者しか知りようがないセキュリティコードがないと通販サイトで買い物ができない
カード発行会社もこういった対策を行うことで、クレジットマスターへの対抗措置を取っているのですね。
セキュリティコードすら探し出す詐欺集団:
ここまでを読んでクレジットマスターはもう怖くない…と思われた方もいるのですが、海外の事例だとクレジットマスターはさらに進化。
なんと正しいセキュリティコードすらも探し出してしまうようなので、クレジットマスターによる被害はまだまだ無くならないものと思われます(下記作業をコンピュータープログラムで行うことで正しいセキュリティコードを見つける)。
- セキュリティコードは3桁の数字(最大1,000通り)
- 通販サイトAでセキュリティコード入力を試す→合致しない
- 通販サイトBでセキュリティコード入力を試す→合致しない
- 通販サイトCでセキュリティコード入力を試す→合致しない
- 通販サイトDでセキュリティコード入力を試す→合致しない
- 正解に辿り着くまでこれを延々と繰り返す
- 正しいセキュリティコードが見つかる
これに対してカード発行会社では3Dセキュアと呼ばれる、セキュリティコードの強化版みたいなものを導入開始。
こんな感じでカード会社と犯罪者集団のイタチごっこはこの先も続いていきそうです。
振り込め詐欺:
テレビや新聞でみかけることも多い「振り込め詐欺(ふりこめさぎ)」の解説です。
振り込め詐欺とは?
振り込め詐欺とは、オレオレ詐欺、架空請求詐欺、融資保証金詐欺、還付金等詐欺といった金品や現金を騙し取る詐欺の総称のこと(金融庁による解説を参照)。
元々は電話によるものが主流でしたが、最近では封筒やハガキで訴訟をちらつかせたり、フルーツや海産物を送りつけてお金だけを取ろうとする手法など、様々な手口が存在するのでご注意ください。
- 過去:電話によるものが主流
- 現在:はがきや訪問によるものも
以下、特徴的な振り込め詐欺の事例を紹介していきます。
オレオレ詐欺
電話で「オレだよ、オレ。交通事故を起こしちゃって示談金が必要なんだ。○○の口座に今すぐお金を振り込んでくれ。」などと親族、警察官、弁護士等を装って現金を振り込ませる詐欺行為です。
昔は孫や息子をかたるシンプルな手口が多かったんですが、最近では警察官、弁護士などを名乗って巧みに騙してくる手口も増加中。
「自分はオレオレ詐欺なんかに騙されない」と思っていても、背後から聞こえてくる救急車のサイレンや、迫真の演技に騙されてしまうことも多いようです。
架空請求詐欺
郵便やEメールを使い、「あなた○○のホームページを見ましたよね? ○○は有料サイトなので、利用料として○○円を今すぐ振り込んでください。」と不特定多数に料金を請求し、だまし取るものが架空請求詐欺。
出会い系サイトや成人向けサイトの利用料など、家族にバレると恥ずかしい事情がある方が「そのくらいなら…」と言われるがままに払ってしまう傾向あり。
ただ1度払ってしまうと弱みを握られ、次から次へと請求が届くことになるのでご注意ください。
過去には1億円以上のお金をだまし取られた方もいるほどです(朝日新聞より引用)。
北海道警札幌西署は11日、札幌市西区の50代男性が約1億900万円をだまし取られる架空請求詐欺の被害にあったと発表した。
署によると、10月14日に「利用料金の確認が取れていない」などと書かれたメールが男性の携帯電話に届き、男性がメールの連絡先に電話すると、「アダルトサイトの未納料金がある」と言われ、警察などを名乗る男らから「サイバー保険料」「損害賠償の補償金」といった名目で金を要求された。
融資保証金詐欺
融資保証金詐欺は「この案件に対して融資を行うためには保証金が必要です。指定口座にお金を振り込んでください。確認でき次第融資をいたします。」、「宝くじの当せん金を受け取るためには会員登録費用として○○円を指定口座に振り込んでください。会員登録完了後、当せん金を振り込みます。」といったような、大きなお金をチラつかせてお金をだまし取る詐欺。
だいたいは振込後に連絡がつかなくなるか、さらに別の名目で費用請求されることになります。当然、指示通りに動いても大金を手にすることはありません。
還付金詐欺
還付金詐欺は「○○税務署のほうから来ました。税金の還付金があるのですが、手数料を払っていただけないとお返しできないのです。つきましては、○○の口座に手数料を振り込んでください。」といった手数料を請求する手口や、「還付金があるので銀行ATMへ行ってください。そこでATM操作を教えますので…」とATM操作に不慣れな高齢者を狙ってお金をだまし取る詐欺。
税務署、社会保険事務所、市役所、銀行などなど、信頼の高い機関を名乗り、信じさせようとすることが多いです。
実際はATM操作によってお金がもらえることは絶対にありません。
やりとりに海外のポイントサイトが経由される:
突然、大富豪から届いた『あなたに3,000万円をあげます』なんてメールを信じ、詐欺師にいわれるがままやりとりしていると、ポイント制の海外サイトに誘導されがち。
こちらではメッセージ送信にポイントが必要となる仕様なため、自称大富豪に連絡を取るためにはポイントを買い続けるしかありません。
そうして5,000円、1万円、3万円、5万円とポイントを買わせていくのが詐欺師の手口。
ただいくら言われた通りに動いても『あれぇおかしいな。送金できたと思うんですけど、もう一度、手続きを行ってもらえますか?口座はほんとうに(間違った番号)でしょうか?』や、『すいません。送信していただいた文章が文字化けしているみたいなので、絵文字や記号の入力は避けてもらえますか?』などと、永遠に終わらないやりとりをさせられることになります。
- 詐欺師の行動:
うまく振り込めないと再度の連絡を求めてくる(時には文字化けや通信トラブルの主張も) - 被害者の行動:
連絡をしないとお金を振り込んでもらえないのでポイントを買い続けるしかない
そうして眼前にぶら下げられた大金と、すでに大量のポイントを購入してしまった焦りからか、人はまるでパチンコのようにあとに引けない状況に突入。
結果、数百万円以上のポイントを購入してしまう人が出てくるのですね。
名義貸し詐欺:
SNSを通して増加傾向にある名義貸し詐欺を解説します。
名義貸し詐欺とは?
名義貸し詐欺とは、覆面調査などを装って消費者金融やクレジットカードを申し込ませ、それを回収することで不正利用してしまう詐欺のこと。
たとえば『覆面調査として消費者金融に申し込みをしてくれ。大丈夫、解約はこちらでしておくから。報酬は3万円だ!』と言われると、お金欲しさについ快諾してしまいたくなりますが、消費者金融やクレジットカードではそのような覆面調査を行うことはありません。
100%詐欺なので、ご注意ください。
名義貸し詐欺の現状:
実際、大手消費者金融のレイクでも下記のような注意喚起を行っているほど。
このところ、WebサイトやSNS等で儲かる、返済不要と偽り副業を誘引し、登録料/初期費用やサポート費用の名目で消費者金融への申込み及び借入れを指示する事案が発生しています。
自分に借入れの意志が無い場合は、他人から頼まれても自分の名前で契約しないでください。また、契約したカードを他人に渡したり、IDやパスワードを絶対に教えないでください。
そのくらい今、被害が出てしまっている詐欺になってしまっているので、どんなに甘い言葉で誘われたとしても絶対に応じないようお気をつけください。
記載の通り、借り入れの意思なく契約してしまえば、詐欺に巻き込まれるだけとなります。
名義貸し詐欺の手口:
名義貸し詐欺の手口はさまざま…ですが、よくある事例は3つほど。
- 覆面調査やモニターとして
- 社員の実績づくりとして
- 副業サイト経由
それぞれわかりやすく解説していきます。
1.覆面調査やモニターとして:
『消費者金融との契約がスムーズにいくか、覆面調査をしてもらいたい!』、『クレジットカードの申込画面が使いやすいか申し込みをして感想を教えてほしい!』といったように、覆面調査として申し込みをさせるケースです。
これらのケースでは申込後、「あとはこちらで解約しておくから」とIDやパスワードを回収するのが常套手段。
どうも怪しいな…と思った場合には、「いやいや、解約までこちらで行っておきます」と伝えた上で、拒否するようにしてください。
2.社員の実績づくりとして:
『先輩がクレジットカード会社に勤めているんだけど、どうやら実績が足りないらしい。○万円あげるから申し訳ないんだけど1枚作ってくれないか?解約はこっちでやっとくからさ。』
こんな流れで名義貸し詐欺の提案をされる場合もあり。
人間関係を円滑にするために、ついつい応じてしまいがちですが、これも相手にカードを渡した瞬間に不正利用されるだけ。
断りきれず応じた場合でも、解約は自分で行うのが対処法となります。
3.副業サイト経由:
最後は副業サイトなどで「カンタンに儲かる話がある」と提案される事例です。
こちらは自分が消費者金融やクレジットカードを申し込む側になることもあれば、「覆面調査に協力してくれる友人や後輩などを1名紹介してくれれば、1人あたり○万円あげるよ」と詐欺グループ側に取り込まれる場合もあるので要注意。
どんな場合も甘い話にはワナがあるのでご注意いただければと思います。
クレジットカードには盗難補償がある:
最後に。
クレジットカードには不正利用された際の盗難補償がしっかり備わっているので、仮に関連犯罪に巻き込まれてしまったとしても安心そのもの。
しっかり申請すれば被害にあった全額を補償してもらうことが出来るためです。
但し、デビットカード、電子マネー、スマホ決済には補償の上限が設定されていることが多いので、やはり犯罪は未然に防ぐのがおすすめ。
知識をつけることで避けられる被害は多いですよ。
最終更新日:2023年3月5日
*1:元SMAPの中居正広さんが経験したというクレジットマスター被害は、「クレジットマスターによるものだろう」との推測である可能性もあり。単純にどこかの通販サイトからカード情報が漏洩し、不正利用されているだけの可能性もあるのでなんともいえません(カード会社では原因不明の不正利用をクレジットマスターによるものと結論付けることがある)。