涼宮ハルヒの憂鬱で読書速度が上がる
タイトルで掴みはオッケーだろうか。
『『映像を思い浮かべる』技術って、『速読』の技術だよね』の続きです。
長いですが、最後までお付き合いください。
再掲載。文章を読むときの脳の動き。
- 視神経が脳に『信号』を送る。
- 脳が『信号』を『画像』として認識する。
- 脳が『画像』を解読して『意味ある文字列』として認識する。
- 脳が『意味ある文字列』を『映像』に変える。親記事で言うところのGeneratorの仕事。
普通に読む人は『1→2→3』
映像に変換できる人は『1→2→3→4』
さて、それぞれの手順でかかる時間について。
1や2は一瞬です。
3が非常に遅いです。
4は人それぞれです。早い人や遅い人がいます。
例えば、外国語の文章を見たとします。
文字は見た瞬間に脳に届いてます。つまり、1や2は一瞬で終わっているということです。
けど、外国語だと文章の意味は直ぐには分かりません。意味を翻訳して脳に思い浮かべるまでに、かなり時間がかかります。
この翻訳の時間である3が、読書速度を遅くしている要因です。たとえ日本語だったとしても、脳に届いた文字列を、意味ある情報へと翻訳するのに時間がかかります。
『1→2→4』速読というのは手順3を飛ばし、4を速くする技術です。
数万文字/分を超える人は、この4が非常に早い人です。
また、3を飛ばさずに、『1→2→3→4』をひたすら速くする速読もあります。
つまり、速読は2種類ある(厳密にはまだある。最後に補足しておく)。
説明の都合、以下のように命名する。
- 『1→2→4』速読(映像を想像する速読)
- 『1→2→3→4』速読(文章を速く読む速読)
『1→2→3→4』速読には限界があります。例示した数値は実体験を基にしているので、個人差があると思います。
ただし、2000文字/分は人間の眼球移動と認識能力の限界値。
『1→2→3→4』速読は、2000文字/分が限界
『1→2→4』速読は、2000文字/分の限界を超える
二種類の速読に優劣は無く、それぞれ利点がある。
『1→2→3→4』速読は、簡単で早い段階で効果が出る。速く読む技術を覚える方法。
『1→2→4』速読は、トレーニングの効果が出るまでに時間がかかる。脳そのものを鍛える。
両方の速読を併用するのが望ましい。
『1→2→3→4』速読を身につけてから、『1→2→4』速読を身につけると良い。
『1→2→3→4』速読は人によっては、実践した直後に効果が出ます。
『1→2→3→4』速読の方法を紹介します。
試しに、方法を知る前に1分間で何文字くらい読めるか調べてください。
で、次に紹介する方法を試してから、また1分で何文字くらい読めるか調べてください。
『1→2→3→4』速読の方法
- リラックスする
- 脳内で音読しないようにする
- 唇を動かさない
- 指で文章を追わない
- 速く読もうと心がける
どうでしょうか。
次に8の字読みを紹介します。
8の字を描くように視線を移動する。
最初は2行。慣れてきたら3行、5行と増やしていく。
この読み方だと、内容を理解できないのでは? という疑問を持つと思います。
けど、何故か内容は理解できます。
というのも、もともと人間の脳って文章の意味を理解するのに、頭から順番に読む必要が無いんです。
I can speak English.
という英文があったとします。「私は できる 話す 英語」って理解せずに、「私は英語を話せます」って理解できますよね。
ですので、馴れてくれば「私は できる 話す 英語」という順番で日本語を読んでも、脳は勝手に「私は英語を話せます」って理解してくれます。
どうでしょう。『1→2→3→4』速読は出来たでしょうか。おそらく、少しは読書が速くなったと思います。
速読はサイコキネシスやテレパシーのような能力ではなく、自転車のように、練習すれば誰にでも出来る技術だったりします。
『1→2→3→4』速読の方法は昨日紹介した『ひと晩5冊の本が速読できる方法』という本に紹介されています。
8の字読み以外の方法も載っているので、興味を持った方は手にとってみてください。
『1→2→3→4』速読が出来るようになったら、次に『1→2→4』速読を覚えましょう。
両方の能力を見につけると知らず知らずのうちに、ライトノベルなどの映像をイメージしやすい本は『1→2→4』速読で、
ビジネス書や教養書等の映像をイメージしにくい本は『1→2→3→4』速読で読むようになります。
では、『1→2→4』速読を覚える方法を紹介します。
これは速読技術というより、脳を鍛えるトレーニングです。
脳を鍛える頭が良くなる方法脳力開発.net
速読の書籍を読んだ事の無い人には、このサイトが非常に参考になります。
「速読、映像記憶関連」というページに書いてある方法が、速読のトレーニングとして有効です。
「独自に編み出された訓練法」として紹介されていますが、いずれも速読関連か脳を鍛える系の書籍に載っている方法です。
また、このページで紹介されているのは、『1→2→4』速読が中心です。『1→2→3→4』速読については触れていません。
さて、そのサイトや、私が読んだ書籍の中から、効果を実感できたトレーニングのみ紹介してみます。
学校や会社で出来るトレーニングばかりですので、効果が出るまで時間がかかりますが、是非、試してください。
「こんなことしても速読の効果は無いだろ」と思うかもしれません。
けど、騙されたつもりで一日5分くらい時間を費やしてみてください。
脳力をアップ
- 30秒息を止める。
- 30分経過したら、再び30秒息を止める。
- これを朝から晩まで毎日ひたすら繰り返す。
アラーム機能の付いた時計アプリケーションソフトを使うと便利です。
次のような理屈で効果があるそうです。
呼吸を止めると、脳の酸素が一時的に減る
↓
30秒後、欠乏していた酸素を取り返そうと、脳の酸素を吸う機能が倍増
↓
脳に酸素が沢山届いて、栄養がたっぷり
7/9 0:30 追記
オリジナルのトレーニング方法では、30秒間紙袋を口と鼻にあてます。
吐いた息を吸い、二酸化炭素濃度の濃い息を何度も吸って吐きます。
会社や学校では紙袋を口に当てることが出来ないため、呼吸を止めるというのは代替方法です。
私自身は数ヶ月続けても何の問題もありませんでしたが、もし
呼吸を止めていて体調に異変を感じたらトレーニングを中断してください。
小さい子供がポリ袋を使ってこのトレーニングをすると窒息のおそれがあるので注意してください。
フィラデルフィア脳力研究所では、このトレーニングで事故などは無く、著しい効果を上げたそうです。
参考:頭は3週間で良くなる!―世界の権威が実証した、“驚異”のノウハウ! (知的生きかた文庫)
視線移動の速力アップ
「N」字型に視線を移動する。開始位置は右上。
例えばトイレの個室に篭って、ドアの右上、右下、左上、左下と視線を移動させていきます。
交差点で信号待ちをしているときは、ビルや看板などの四隅をやはり、右上、右下、左上、左下と視線移動しましょう。
速くやるように心がけます。一日に5分もやれば十分。
この方法が最も早く効果を実感できます。1週間くらいで、何か視線の動く速度が上がっていることに気付きます。
試しに、左上、右上、左下、右下っていう、練習していない視線の移動をしてみてください。凄く遅く感じるはずです。
速読関連の書籍に、サッケイドシートといって、|\|\|\|という絵がついています。あのトレーニングと一緒です。
紙という狭いところでやらず、トイレのドアやビルなどで、大きく視線を移動させましょう。暇さえあればいつでも何処でも。
眼の周りの筋肉を鍛える
- 右手の親指を「ベリーグッド」と突き出す
- 右手を身体の横に水平に伸ばす。
- 顔は正面に向けたまま、眼だけを動かして親指を睨む。
- 20秒間睨み続ける
- 次は左手のベリーグッドを左側で睨み続ける。
- 上、右上、右、右下、下、左下、左、左上の8方向でやる。
- 面倒なら上下左右だけでも良い
トレーニング本には20秒って書いてあったけど、10秒でも効果が出てくる。
視線移動のトレーニングと併用していると、かなり効果がある。
以上が基礎トレーニングです。野球をする前の筋トレのような存在です。
次にイメージ力のトレーニング。
妄想でトイレへ行く
- 眼を閉じる。トレーニングが終わるまで眼は閉じたまま。
- 布団やベッドで寝ている自分をイメージする。
- 起きて、トイレまで行く自分をイメージする。
トイレまで行く距離が近い人は他の場所へ行ってもいいです。
よくいく馴染みの場所へ行ってください。
読み終わった本の内容を思い出す
何でも良いです。読んだ事のある本の内容を、思い出してください。
出来るなら、映画のような演出をつけて、できるだけ派手に。
「コカコーラの社長は、コーラの瓶で女体を想像する」とか、
「青少年は誰でも、好きな女の子の裸を想像する能力を持っている」とか、言われていますよね。
あれです。ひたすら妄想してあの力を鍛えます。
夢日記をつける
- 朝起きたら、夢の内容を紙に書き残します。
- 夢を見なかった時は何も書かない。
- ただ、寝る前に、夢を見たいなと考えておいてください。
- たまに夢日記を読み返す。
僕は最初、これがかなりうさんくさい印象を受けた。けど、効果はかなりでかい。
夢日記を付け続けていると、ある日突然、映画のように綺麗な夢を見ます。
しかも、夢日記をつけていると、数ヶ月前に見た夢の内容を、まるで実体験したかのようにリアルに思い出すことができます。
一番、速読と関係なさそうだけど、一番分かりやすい効果が出てきます。
行った事も無いコンビニが、棚に陳列された商品の一つ一つまでリアルに映像として夢に出てきます。
引かれるかもしれないが敢えて言うと、ホロと同居している夢とかも見た。
このトレーニングが最もオススメ。
さて、ここでようやく「涼宮ハルヒの憂鬱で読書速度が上がる」という話が出てくる。
その名もハルヒトレーニング。
今まで紹介したトレーニングは書籍などで紹介されていますが、
ハルヒトレーニングはオリジナルなので、無視してもいいです。ただ、誰か騙されて実践してみてください。
ハルヒトレーニング
アニメに補助してもらって、文章から映像や音声を想像する能力を鍛えます。アニメを見た記憶が、自転車の補助輪のような効果を出します。
このトレーニングの凄いところは、続けているとアニメ化されていない憤慨や消失を読んでも、アニメ絵のハルヒが浮かんでくることです。
当然、ハルヒじゃなく、他のライトノベルでもいいです。
ただ、ハルヒの絵って、記号として覚えやすいからトレーニング効果は大きい。
アニメを見てからラノベを見るというトレーニングは非常に有効。
馴れてくると、アニメ化されていない作品も、脳内でアニメ放送されます。
一般文芸だと、脳内でドラマが放送されます。
速読トレーニングの紹介は以上です。
トレーニングで想像力を鍛えていくと、ある日突然、文章を見ただけで映像が浮かんでくるようになります。
長々と失礼しました。
最後に。
本ページでは速読について色々と紹介してきました。ただ、この速読は小説に有効な方法であって、ビジネス文書にはあまり有効ではありません。
例えば、プログラムの本で複雑なスクリプトを見ても、映像は想像できないでしょう。
けど、ビジネス文書や参考書向けの速読もあります。
- 関連本の並列読みで理解度を深める
- 本文の最初の行と最後の行を読んだり、目次から重要なセンテンスを拾うなど、効率よく本を読む技術を身につける
- 予め全ページをパラパラと捲り、頻出する単語を予習しておく
- マインドマップを併用して、効率よく記憶していく
このように、ビジネス文書向けの速読は、理解や記憶することを重点にしています。
僕はビジネス文書だと1500文字/分ほどなので、トレーニング方法等が紹介できるほどではありません。自分が出来ない事は紹介しません。
速読の本は大型書店に行けば、一般教養やビジネス書や自己啓発などの本が並ぶ棚に置いてあります。
是非一度、書店巡りで良い本に出会ってください。
自分の体験談を基に色々と書いてみました。
現在直面している5000文字/分の壁を突破できたら、また方法やトレーニングを紹介してみます。
変更履歴
2006/07/08 07:36訂正
読み終わったら、EDを歌いながら踊る。
↓
読み終わったら、EDを歌いながら踊る。
大人のDS脳トレーニングでもよく出てくる『思い出す』ことによって、脳が活性化というやつです。
妄想でトイレに行くトレーニングに近いかも。
2006/07/09 00:30訂正
呼吸を止めるのは、紙袋を使用するトレーニングの代替手段であることを書いた。
記憶術も紹介してみます。
『憂鬱』という字を書けるようになります。