NetBeansではじめてのJavaプログラム
近々、主にウェブ制作者方面を対象としてプログラミング入門的な勉強会も開催しようかなと企んでいる事もあり、全くのプログラミング経験のない人向けにNetBeansを使ったプログラミング入門記事を書いてみようと思います。そんな前提なので、一般的な入門記事とはちょっと違う視点です。
開発環境の準備
通常、プログラムを作るには開発環境が必要で、統合開発環境(以下、IDE)と呼ばれる開発の支援ツールがあると更に便利に作ることができます。Javaの場合は、最低でもJava SE Development Kit(以下、JDK)と呼ばれる開発環境(無償)が必要になります。また、NetBeansというIDEも無償で提供されているので、この2つをインストールして開発環境を作ります。
JDKとNetBeansは共にSunからダウンロードできます。まとめてインストール可能な「JDK 6 Update 13 with NetBeans 6.5.1」を選択してください。
ダウンロードが終わったならば、インストーラーに従ってインストールします。幾つかのオプションが表示されるかも知れませんが、全てデフォルトで良いでしょう。これだけでJavaの開発環境は整いました。
NetBeansの起動
開発環境をインストールしたならば、スタートメニューのプログラムの中にNetBeansが追加されると思います。NetBeansはここから起動するか、もしくはディスクトップに作成されたショートカットアイコンから起動します。はじめての起動の時には、ユーザ登録や開発協力の確認などが表示されます。これらは必須ではありませんが、今後もずっと無償で提供される事を望むならば、簡単なユーザ登録を行うべきでしょう*1。尚、はじめの起動には少し時間がかかります。
NetBeansが起動すると「開始ページ」が表示され、幾つかのニュースとブログの記事が表示されます。ブログの記事の中には初心者向けの内容もありますので、たまにチェックしてみるといいかもしれません。NetBeansは統合開発環境というだけあり、様々な画面とメニューで構成されています。他のソフトと同様にすべてを使いこなすには長い経験が必要です。必要なところだけを少しづつ覚えていけば十分です。
プロジェクトの作成
Webサイトが1つのHTMLだけで構成されることはなく幾つものHTML、CSS、画像ファイルなどで構成されているように、プログラムも何種類かのファイルなどで構成されています。システム開発では、このようなプログラムなどのまとまりをプロジェクトと呼び管理する単位としています*2。したがって、プログラムを開発するときに最初に行うのは「プロジェクトの作成」です。ファイルメニューから新規プロジェクトを選択してください。
すると、どのようなプロジェクトを作成するかを選択するダイアログが表示されます。ここでは、JavaのカテゴリからJavaアプリケーションを選択し、「次へ」をクリックしてください。
続けてプロジェクトの名前をつけます。プロジェクト名に「JavaTutorial」と入力してください。また、プロジェクトを保存する場所も選択できますので、必要に応じて修正します。
はじめてのプログラミング
まず、プログラムとはコンピュータに与える命令の事です。これは手順書のようなもので、最初にこれを行い、次にこれを行うと言ったように原則的には上から順番に実行されていきます*3。また、このような条件の場合はこうするといった判断や10回繰り返すと言った繰り返して処理をさせることもできます。このようにプログラムでは手順書を書くのですが、この手順書はコンピュータが理解できなければなりません。コンピュータは幾つかの言語を理解できるのですが、言語を決めたならばその言語の文法にしたがって手順を書く必要があります。ここではJavaを使うため、Javaの文法にしたがった手順を書くことになります。尚、このような手順を書いたものをソースコードと呼びます。
プログラミング言語の文法は間違っているとプログラムが実行されませんので、正しく書く必要があります。ここでは慣れるためにNetBeansに手助けをしてもらいましょう。まず、ソースコード中の「// TODO code application logic here」と書かれた行の最後にカーソルを移動して改行します。続けて、日本語入力がオンになっている場合はオフにした上でsoutと入力してください。
/** * @param args the command line arguments */ public static void main(String[] args) { // TODO code application logic here sout }
続けてそのままの状態でTabキーを押しましょう。すると、自動的に「sout」が「System.out.println("");」に変換されます。TODOの行は不要なので削除してください。
/** * @param args the command line arguments */ public static void main(String[] args) { System.out.println(""); }
これはよく使うような構文をテンプレートとして登録しておき、それを呼び出している状態です。soutはStandard OUTput(標準出力)の略で画面に何かを表示したいときに使う文法です。Javaではこれを「System.out.println("");」という文法で表します。実際に出力したい文字列などは""の中に書くことができます。例えば、次のように文章を入力してみましょう。
/** * @param args the command line arguments */ public static void main(String[] args) { System.out.println("はじめてのプログラミング"); }
入力できたならば、Ctrl+Sを押してソースコードを保存します。
プログラムを実行する
それでは、作成したプログラムを実行してみましょう。NetBeansを使うとプログラムの実行方法は簡単で、実行ボタンをクリックするだけです。
すると、画面の下のほうに別に幾つかのメッセージが表示されます。run:はプログラムの実行を表し、最後に合計時間が表示されています。その間に「はじめてのプログラミング」と表示されています。
計算をさせてみる
次に同じようにメッセージを表示しますが、簡単な計算をさせてみます。まずは、同じようにsoutと入力後にTabを入力し、計算式(3 + 4)と入力します。尚、数字・+記号・空白は半角でお願いします。
public static void main(String[] args) { System.out.println("はじめてのプログラミング"); System.out.println("4 + 5"); }
これを実行すると予想に反して9が表示されないかと思います。実は、このように書いた場合は4 + 5という文字列と解釈されます。整数の足し算ということをわからせるためには"をはずします。
public static void main(String[] args) { System.out.println("はじめてのプログラミング"); System.out.println(4 + 5); }
これで意図した通りに計算結果が出力されます。