趣 旨
本年9月11日、福島県の子どもの甲状腺検査で3万8千人の中から初めて1人が甲状腺ガンと診断されました。通常なら子どもの甲状腺ガンは百万人に1人と言われています(山下俊一「放射線の光と影」(2009年)536頁1~2行目)。また、今回発表の4万2千人のうち43%もの子どもに「のう胞」が見つかりました(特に6~10歳の女子の54.1%、11~15歳の女子の55.3%に「のう胞」が発見->詳細はこちら)。これは、福島県放射線健康リスク管理アドバイザー山下俊一氏が、2000年に長崎の子どもを検査した結果(0.8%にのう胞)や、事故から5~10年後のチェルノブイリの子どもを検査した結果(0.5%にのう胞)と比較しても、途方もなく高い数字です。明らかに福島の子どもたちに異変が発生しています。このままいくと、福島は健康な子供が2割しかいないという今日のベラルーシやウクライナのようになってしまいます。これは政策問題ではありません。危機に瀕している命を救うのか見殺しにするのかという人権の根本問題です。政府は,「命こそ宝」という政治の原点に立ち帰り、チェルノブイリの教訓から学んで、今すぐ、福島の子どもたちを安全な地域に逃がすべきです。