新人SEが同じ場所で常駐を続けると蝉になる
4月入社の新人システムエンジニアも、春のうちに配属になったり、夏のこの時期から現場に配属になったりと、組織の教育制度によりバラバラでその辺りは新人SEをどこまで教育できるかという組織の体力や現場のリソース不足が如実に現れますね。それよりこうして配属時期を思うと、入社してすぐにSEとして認められるなんてある意味すごい業界なような気がしますね…。
新卒の学生が企業を選択するのも、企業が新卒を採用するのもどちらも博打な訳ですが言い方を変えればエンゲージメントなのですよね。合うのか合わないのかはそれぞれの体質みたいなものですから。
新人SE、常駐先に配属になる
ワタシもそうでしたが、新人教育というなのちょっとした教育期間後に、速攻で現場に常駐に出されるケースが多いです。現場の規模が大きければ大きいほど、顧客とSIerの双方の依存関係は深いですからワークロードの道幅も広く、業務も顧客よりエンジニアの方が詳しいことが多いです。
こうした先に常駐となると何が起きるかというと、出て来れない。もう、ずっと常駐先にいることになります。組織の仲間も多いですし、擬似的に自分の会社で働いているような気がしてくることもあるので居心地が良いことも多いです。
新人SE、業務に深く潜る
業務知識がある程度必要な業種だと、それを覚えることも必要ですが、役割が縦割りになってサイロ化するんですよね。機能的組織構造を取るので結果的にそうなるだけですけど。
一方、技術は次世代システム再構築とかアプリ化対応などのイベント的なプロジェクトにアサインされなければずっと維持管理ですから目新しいものがないわけです。
ずっと。
もう、1年なんてあっという間です。気づいたら6年くらいやっている。もうね、アブラゼミの幼虫です。ずっと同じ場所に潜っている。業務もその顧客の業務は詳しくなっているし、開発プロセスもその顧客のやり方に染まってしまっている。
というか、その顧客、そのプロジェクトのお作法で育っているので他を知らないのです。さらに技術は維持管理であれば更新がない、と。
常駐SE、外に出される
顧客と企業の関係よろしくずっと居続けられるかもしれませんし、次期システムを他社に取られてしまったら順次撤退ですからどこかで外に出されるかもしれません。
両社の関係よろしければ、自分から希望しなければずっと深く潜ったままかもしれません。それはそれで幸せなのかもしれませんが、6年もずっとやってきて会社の都合で外に出されたとき、新人SEとして配属されたエンジニアはどうなってしまうでしょうか。
常駐SE、外界の技術に置いてけぼりで7日で尽きる
アブラゼミが1週間で死んでしまうのは都市伝説らしいです(wikipedia)が、エンジニアは適応力がないとマジで技術力的に死んでしまいます。
なぜなら、ずっと常駐先で維持管理をしていて同じ技術、古くなったバージョンでしか仕事をしていなかったからです。
現実にはこんなことはないのでしょうけれど(適応力があるので)、学卒だったとしたら、6年経っていると28歳くらい。
それまで、常駐先で好奇心を持って自己研鑽していたり、自己研鑽していたことを使っていたような常駐エンジニアであれば、それこそ適応力でなんとかなりそうですけれど。
でも、積極的に、自主的に、技術を学ぶ人は少ないです。もちろん、大学まで行っているので勉強の仕方は知っているし、優秀なのでしょうけれど、日々続けられているかどうかは別な話です。
さて、あなたはエンジニアだと思っているかもしれませんが実はセミなのかもしれませんよ。