おう、俺だ俺、俺だよ!俺だって!
ほらもうガキの頃だったから覚えてねえのかな?
あの時の俺だってば、俺!
そうそう、俺!俺、俺!
あのさ、今日はさ、特別にいいこと教えてやろうと思ってさ。
聞いて驚くなよ、あの「ボツ案の作り方」ってやつだ。
おっと、おっと、シーッ!シーッ!そんなに大きな声だすなって。
まずいって、まずいってば、マジで温度差あるから、温度差。温度差、温度差。
まあ落ちつけ、落ちつけよ。とにかく。な、な、な!なっ!
とにかくボツ案の作り方って言っても、そこまでヤバイ話じゃないって。
とりあえず、はじめは普通に企画する時とおんなじなんだよ。
表現アイデアの出し方はもちろん覚えてるだろな?
いや、絶対覚えてる、覚えてる、覚えてる。やめてくれって。覚えてる。
だけど念のために書くと、こういう感じだったよな。
まずは「何を伝えるべきか」ということを決める。
え?訴求点?ああそれ、それ、訴求点、訴求点。やっぱり覚えてるじゃねえかよ。
で、だ。その訴求点を決めた上じゃねえと表現なんてできないんだったよな。
まずは商品やサービスの何を言うべきかを見つけ出す。
それからやっと、パアーっとだ、こう景気良く脳みその中をかき混ぜるんだ。
それが「どう伝えるか」ってことで、この2つの思考の動きは別々。
こりゃもう俺たちがお袋の腹ん中にいる頃よりも
ず~~~っと前から言われてる話だ。
でもな、俺ぁ、基本的にはこれが表現のキモであって、それは変わんねえと思うんだよ。
何?当たり前のことを偉そうに言うなって?
まあ待て、待て待て。な~んか、まだ温度差あるな~温度差。
わかったよ、もうちょっとリアルな話がいいんだったら、これでどうだ。
一緒に「はてなブログ」のCMを考えてみようじゃないか。
じゃあさ、まず、はてなブログの「何を伝えるか」を書いてみろよ。
なんだってけ、その、えと、あ、それ。訴求点。訴求点、訴求点。
おいなんだよ、なんで手が止まってんだよ。簡単じぇねえかよ。
そんなもん、はてなブログのトップページに書いてるじゃねえかよ。
え、ちょっと貸してみろ。こうだよ、ほれ、はてなさんが整理してるまんまだよ。
あ、でもアレだな、他にもいくつかあるかもしんねえな。
まあとにかく、こうやってだな、ほら、適当に書きゃいいんだよ。
ほれ、簡単じゃねえかよ。
え?何?連想ツリーの書き方も忘れたのかよ!?
こうやって、主題の周りにまず訴求点を引っ張ってだな、
そこから思いつくことをガンガン書いていくんだろ?
アレだ、最近ではマインドマップだとかなんだとか言うらしいが
これも俺たちが生まれるよりもずっと昔からある古くせえ手法さ。
でも、これがけっこう楽しいんだよな。
そうだな、どこから始めようかな・・・
やっぱりブログのいいところって
「たっぷりと書きたいことが書ける」
っていうのは共感できるよなあ。
ええと・・・たっぷり書けるってことは・・・こういうことか?
あ?王様の耳って何だって?細かいことは気にするな!
おいおい、大事なことを忘れるなよ、アイデアってのは恥ずかしがり屋だったろ。
だから文句ばっかり言ってると一生出てきてくれないぜ。
つまんねえ企画だな~って心の中では思ってても
あーおもしれえ、おもしれえ、ってノセてやらないと
小せえ穴ん中に隠れたまま、ず~っとブルブル震えていやがるだけなんだよ。
それよりもさ、この「文字数」っていうのは何か面白そうじゃね?
こういう数字とか理論とか案外お堅いワードもアイデアの好物だったよな?
飛び越えがいのある障害物って感じでさ。
ああ、そういえば、文字数が制限されてるといえば、ツイ●ターとかもそうだけど
そもそも15秒しかないCMなんてその究極だよな・・・
あ~これは1つアイデアができたな。
そう思ったろ?うん、絶対思った、思った。できた、できた。
■はてなブログCM「不足」篇」
まあまあだな。
でもな、これじゃダメだよ。ダメダメダメダメ。
キレイすぎるんだよ。
キレイでいいじゃねえかって?な~~~~に言ってるんだよ!
本当にわかってねえなあ、温度差あるわあ、温度差、温度差。
これじゃちゃんと着地しちゃってるじゃねえかよ。
俺たちが作るのはボツ案だぜ、ボツ案、忘れてねえよな!?
いいか、普通の案とボツ案の違いはだな、着地だ、着地にポイントがあるんだよ!
ちょっと貸してみろ、こういうことだって。
な!な!な!
ボツ案は着地しちゃいけないんだよ。
ジャンプするにはするけどジャンプしそこなって
谷底に落下していくんだよ!これがボツ案の作り方なんだよ!
何?そんなの誰でもできるって?できねえよ、できねえよ、できねえよ!
もうたまんねえな、この温度差、温度差!
いいか?ジャンプする前から、もう奈落の底に落ちていくのがわかってるのに
ジャンプできるやつっているか?ものすごい勇気だろ?
この勇気がある選ばれし勇者だけがボツ案の作り手となるんだよ。
わかったか?わかんねえだと!?
よし、だったら見てろよ。俺を見てろ。俺を見ろ。むしろ俺しか見るな。
見せてやるよ。本当のボツ案ってやつを。
短い間だけど、楽しかったぜ。
幸せに暮せよ。
あ、ちょっと待て、最後に一言だけ言わせろ。
火事には気をつけろよ!
じゃあいくぞ、これがボツ案の生き様だー!!!