150年以上の歴史を誇る世界最古の科学動物園「ロンドン動物園」はひと味違いすぎでした
1828年に動物の科学的研究を目的として世界初の科学動物園として開設され、1847年に一般公開されたロンドン動物園は、学術団体であるロンドン動物学会によって経営されており、ただ動物を観察するだけではなく、動物を学ぶことにも力を入れているとのこと。見せ物的な動物園とはひと味違うようなので実際に見に行ってきました。
ロンドン動物園はロンドン中心部に位置するリージェンツ・パークの北側に位置。
ロンドン動物園の周囲には、ロンドン動物学会の施設もあります。
入口に到着。
早速大人1枚22.72ポンド(約3400円)のチケットを購入して入場します。ちなみに、子どものチケットは1枚16.36ポンド(約2800円)
動物園に入場すると、大きなマップを発見。ロンドン動物園は36エーカー(約14万5700平方メートル)の敷地に755種類の動物が飼育されており、かなり広め。
園内には日本でも見かけるメリーゴーランドなどの遊具もあります。
まずは、「ペンギンビーチ」にやってきました。
ペンギンビーチはこんな感じで、周りを陸地に囲まれた広くて浅いプールが入場してすぐのところに。
ペンギンビーチは地面より少し高い位置に作られており、周囲をガラスで囲っています。
プールから上がってきたペンギン。ロンドン動物園で飼育されているペンギンは、ケープペンギン・フンボルトペンギン・イワトビペンギンの3種類です。
眺めていると、こちらのほうに歩いてきました。
かなり近くまで寄ってきたペンギン。
目の前を通り過ぎて、ペンギンビーチの奥にある深いプールの方へ歩いていきます。
ペンギンが歩いている様子は以下のムービーから確認できます。
ロンドン動物園のペンギンが歩いている様子 - YouTube
ペンギンビーチの一番奥には観覧席が設けられていて、ゆっくり座りながらペンギンを鑑賞することも可能。
観覧席の一番上からだと、ペンギンビーチ全体を見渡せます。
ペンギンはとても人なつっこいようで、すぐ人の方に寄ってきます。
ペンギンビーチの出口付近には、「ようこそ南極へ!」と書かれたポスターが貼ってあるベースキャンプの建物。
この建物は、南極大陸の生物について調査している人たちが実際に使用しているベースキャンプを再現しているようです。
洗濯物を干している様子も展示。
南極大陸の動物調査で使用する服。
実際の調査チームが撮影した写真も飾られています。
ペンギンビーチから少し離れたところにある、旧ペンギンプール。
ペンギンプールはアラップ社の創設者であるオヴ・アラップの協力を受けて設計された建築物であり、使用していない今もきれいに保全されています。
ペンギンプールが使用されていた時の写真。
プールの断面図も展示されていました。
ペンギンプールを出て歩いていると、大きな門のようなものを発見。これは、1869年に建設されましたが、今は取り壊されてしまった「オウム館」の玄関とのことです。
最近建設された「タイガーテリトリー」に到着。
中に入るとこんな感じで、すぐにトラを見られるわけではなさそうです。
道なりに歩いていると発見したトラの置物。
2~3分歩いたらようやく人が集まっているところにたどり着きました。
ガラスから中をのぞき込んでみると、かなり遠目の位置にトラを発見。ロンドン動物園で飼育されているトラはインドネシアに生息しているスマトラトラとのこと。
次の観察ポイントまでまた少し歩きます。
高い位置から全体を見渡したり、木の上のトラを観察できるように2階から見られる観察ポイントも設置。
少し進むと人だかりの向こうにトラを発見しました。かなり近いところにトラがいますが、子どもたちはトラに興味津々。
大きなあくびをするトラ。
トラの様子は以下のムービーから確認可能です。
ロンドン動物園にいるスマトラトラ - YouTube
先のトラは立ち上がってから、ずっとウロウロと歩き回っていました。
タイガーテリトリーに続いて「ゴリラキングダム」にやってきました。
こちらもタイガーテリトリーと同じくゴリラを観察する場所まで少し歩くようです。歩いている道の周りにはゴリラの関する事項がまとめられている看板が立っていて、ゴリラについて学習してから観察するように工夫がなされています。
1分ほど歩くと、入口に到着。
入場してもこんな感じでまだゴリラは確認できません。
歩いていくと、また入口が出現。
ようやくゴリラ登場かと思いましたが、2つめの入口を通過しても子ども用の遊び場がでてきただけ。
遊び場の横に設置されていたのは、ゴリラの大きさなどを学べる大きなボード。
ゴリラの体重は175kgあるようです。
ゴリラの写真の上にはゴリラと人間の頭蓋骨のモデルを展示。
性別による顔の形の違いを説明しているゴリラの顔のモデル。左が雄で、右の方が雌とのこと。
子ども用の遊び場を離れると、右手に広い敷地が見え始めました。
ゴリラは普段広い敷地に出ているそうですが、本日は天気が悪いので建物の中にいるとのこと。
ついにゴリラを発見、ロンドン動物園で飼育されているゴリラはニシローランドゴリラ。
振り返ってこちらを見ているゴリラ。
床に座っているゴリラはまるで人間のよう。
つぶらな瞳がとてもキュートです。
ゴリラキングダムにはゴリラだけではなくクロシロコロブスと呼ばれる猿もおり、ちょうど給餌中に遭遇しました。
給餌中のクロシロコロブスの様子は以下の動画から確認できます。
給餌中のクロシロコロブスの様子 - YouTube
次にやってきたのは、映画「ハリーポッターと賢者の石」で主人公のハリーポッターが蛇と話をするシーンの撮影が行われたこともある「は虫類館」
は虫類館の中はこんな感じで、かなり混雑しています。
サイイグアナと呼ばれるトカゲの一種。
食用として食べる地域もあるそうで、顔は図鑑で見る恐竜そのもの。
木の枝にぶら下がって寝ているエメラルドツリーボア。
バーミーズパイソンと呼ばれるニシキヘビの一種。
リクガメの一種であるホウシャガメ。
奥まで歩いて行くと研究室のような施設を発見しました。
こちらではカエルに成る前のオタマジャクシを飼育しているとのこと。
出口の横にある、大きなアナコンダの骨格標本。
こちらの入口はリスザルが飼育されている「ミート・ザ・モンキー」につながっています。
ミート・ザ・モンキー内の様子はこんな感じ。
このエリアではリスザルが放し飼いにされており、そこら中でリスザルを見ることができます。
リスザルは人なつっこく、すぐに近寄ってくるので大人気でした。飼育員によるとリスザルは、何にでも興味を示すためカメラなどを取ってしまうことがあるとのこと。
餌のフルーツを食べるリスザル。
ロンドン動物園のリスザルの様子は以下の動画から確認できます。
フルーツを食べるリスザル - YouTube
こちらは「キリン舎」の入口。
中に入るとちょうどキリンが餌を食べているところでした。
巨大なペットボトルに入っている餌を長い舌をうまく使って食べています。
キリンが餌を食べている様子は以下のムービーのような感じ。
キリンが餌を食べている様子 - YouTube
ロンドン動物園には水族館もあります。
早速入場。
水族館の中はこんな感じで、すこし暗く日本の水族館との大きな違いは今のところ見当たりません。
淡水魚や……
海水魚も飼育されています。
珍しかったのが、研究室のような飼育施設。
ロンドン動物園はプロジェクト・シーホース(タツノオトシゴ)というタツノオトシゴの保護を主な活動としている団体の創設者でもあり、こちらの施設では保護された個体や、産まれたばかりのタツノオトシゴを飼育している様子を公開しています。
水槽内ではタツノオトシゴがフワフワと遊泳中。
この水槽のなかのタツノオトシゴは2012年の夏に産まれた個体だそうです。
館内にはオープン当時の様子を絵に描き上げたものが展示されていました。水族館はオープンしてから150年以上経過しているとのこと。
水族館を後にして、「B.U.G.S!(昆虫館)」にやってきました。
フンコロガシのオブジェクトが昆虫館の前に展示されています。
入場してすぐのところには、不思議な装置のようなものが設置。
のぞいてみると大量のアリが装置の中でうごめいているいました。
装置から伸びているロープは、花が展示されているケースにつながっています。
ロープの上を凝視してみると、アリが歩いているのを確認。
こちらの装置で飼育されているのはハキリアリというアリで、中南米などの暖かい場所に生息しているとのこと。
広いスペースの奥に大きなガラスを見つけたので、近寄ってみると……
中には大量の何かが散らばっています。
大量に散らばっているものの正体はバッタ。
バッタショーケースの隣に扉を発見。
エイッと勢いよく扉を開けると、キッチン用品が並んでいます。
よく見ると、ゴキブリが走り回っていました。
間近で大量のゴキブリを見る機会はあまりないので、ゆっくりと見ていきます。
ゴキブリショーケースの隣にも何か展示されています。中をのぞくのがそろそろ怖くなってきました。
こちらで飼育されているのは大量のカナブン。
もう昆虫館をあきらめて出てしまおうとも思いましたが勇気を出して奥に進んで行くことに。
熱帯雨林に住む昆虫を展示しているコーナー。
こちらでは丸い窓から中をのぞいて昆虫を観察していきます。
子どもが不思議そうにのぞいている窓の奥にいるのは……
コノハムシの一種でした。
木を縦に割った中の奥に黒い物体がモソモソ動いています。
黒い物体はタランチュラの一種。
先のものとは別の種類のタランチュラも飼育されています。
昆虫館を一周して入口に帰ってくると、子どもたちを集めて飼育員が何かを説明中。
飼育員が手で持っていたのは、またもやタランチュラ。
飼育員は約10分くらいかけてタランチュラの生態について説明し、終了すると子どもたちから質問攻めにあっていました。
昆虫館を後にして出口に向かいます。ロンドン動物園の敷地はかなり広くて、朝からゆっくり見ていると閉園時間までに全ての動物を見て回ることは難しいかもしれません。飼育されている動物の居住スペースはとても広く、狭いおりの中で窮屈そうにしている動物はいませんでした。また、動物の見せ方も日本の動物園とは少し違うので、子どもだけではなく大人も楽しめる内容になっています。
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