いまどきのネットワーク管理の実態

 「Webアクセスができない」,「メールが使えない」,「ネットワーク上のパソコンが見えない」――。ネットワークを利用していると,さまざまなトラブルや困難に出くわします。みなさんも思い当たる経験があることでしょう。こんなとき,ネットワークを運用している管理者ならとくに,「ほかの人も同じようなトラブルに見舞われているんだろうか」,「どんなふうに対処しているのだろう」と思うことも多いはずです。

 日経NETWORKでは,毎年,Webサイトを利用してネットワーク・トラブルに関する調査を実施しています。家庭や勤務先でネットワークを利用しているユーザーや運用している管理者がどんなトラブルに悩んでいるのか,それにどう対処し,解決しているのかを調べるためです。今年は,1195件の回答をお寄せいただきました。ご協力いただいた方にはこの場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。

 調査の結果は,日経NETWORK本誌の2006年10月号で詳しく報告しています。その一部を切り出して,ITproでもご紹介することにしました。ただし,こちらの記事では本誌と少し視点を変えています。本誌では,ユーザーや管理者が「トラブルにどう備えるか」を主題に据えて記事をまとめましたが,こちらでは「トラブルをどうやって特定するか」と「ネットワーク管理者はどのように勤務先や顧客先のネットワークを管理・運用しているのか」という2点に焦点を当てています。もしあなたがネットワークの管理者ならば,自分と同じような人たちの答えが参考になるでしょう。

(平野 亜矢=日経NETWORK

■ どんな現象からネット・トラブルは見つかるか?
■ トラブルを特定するのに役立った行動は何?
■ ネット・トラブルを解決するまでにかかった時間は?
■ 兼任でネットワークを管理しているユーザーの比率は?
■ どんなツールがネットワーク管理に役立つ?

ネット・トラブルに関するWeb調査の実施概要

 日経NETWORKでは2006年6月22日から7月10日の期間,Webサイトを利用して「ネットワーク運用とトラブルに関するアンケート」と題した調査を実施しました。調査については3種類のメール・マガジン――本誌が読者向けに発行する「日経NETWORK倶楽部メール」,日経BP社の技術系ニュース・サイト「ITpro」が発行する「ITpro-Reportメール」,総合ニュース・サイト「nikkeibp.jp」が発行する「nikkeibp.jp Mail 朝刊」――で告知したほか,本誌とITproのトップページにリンクを用意しました。

 回答総数は1195件。そのうち,この1年間にトラブルに遭ったと答えた回答者は65.1%でした。それらの回答者の属性をトラブルが起こったネットワークにどのようにかかわっていたのかで分けると,家庭内ネットのユーザーが21.7%,勤務先ネットのユーザーが20.6%,勤務先ネットの管理者が41.6%,顧客先ネットの管理者が14.3%でした。