Internet ExplorerやFirefoxに続く第三のWebブラウザーとしてユーザーからの人気が根強い「Opera」。2005年9月にビジネスモデルを変更し、従来有料版だったパソコン版が無料で利用できるようになった。
最新版では、Opera上でミニアプリケーションを動かせる「ウィジェット」機能を搭載したほか、P2Pソフトウエアの「BitTorrent」をサポートするなど、新しい技術を多く取り入れている。
また、携帯型ゲーム機「ニンテンドーDS」のWebブラウザーとして採用されるなど、パソコンだけでなく携帯電話への搭載やゲーム機での採用も多い。ノルウェーのOpera SoftwareでCEOを務めるヨン・フォン・テッツナー氏に、今後の動向について聞いた。
■パソコン版を無料にしたがビジネス的には影響はどれくらいあるのか
2005年9月にこれまでのやり方を変更し、パソコン版をユーザーに無料で提供するようにした。従来のようにユーザーが料金を払うモデルから、GoogleやAmazon、Infoseekなどと契約して、Operaの利用者が各社の検索サービスを利用すると、それに応じて各社からOperaに料金が支払われるモデルに変更した。このビジネスモデルを採用できたのは、売り上げを確保できる目処がついたためだ。
実際、無料にしたことで、ユーザーは増えている。その結果、ユーザー数に比例して、売り上げは上がっている。これからはより多くの人に使ってもらう方向を目指すシンプルなビジネスモデルになっていくだろう。
■どうしてニンテンドーDSや携帯電話などで採用されているのか
Operaの強みは、Windows、Linux、PDAなどいろんなOSに対してインターネットのフル機能を利用できるブラウザーであることだ。ほかのブラウザーでここまでいろんなプラットフォームをサポートしているケースはないといっていい。
パソコンのユーザーだけでなく、携帯電話やゲーム機のユーザーは、フルに使えるインターネット環境を欲している。そのニーズにあっているからこそ採用されていると思う。
■P2P型のBitTorrentをサポートした理由は。
現在ソフトウエアやデータは、FTPなどを使ってダウンロードすることが多いが、今後は単にダウンロードするだけではユーザーのニーズを満たせないだろう。大容量のデータを短い時間にやり取りするP2Pの技術というのは、今後を考えるととても重要だ。
■今後、インターネットで有望なのはどのような技術か。
今、パソコンをベースとしていたアプリケーションやサービスがWebをベースにするものに変わってきているのが大きなトレンドだ。OperaはHTMLとDOM(Document Object Model)に関する新しい規格である「Web Applications 1.0」の「canvas」テクノロジーに対応している。これにより、Webベースのアプリケーション構築が容易だ。今後、この分野のソフトウエアが増えてくるだろう。