ボッシュとSAPはドイツにて9月21日、IoTおよびインダストリー4.0の分野で戦略的パートナーシップを結んだと発表した。両社は今回の提携で、クラウドテクノロジとソフトウェアソリューションにおいて協業を拡大していく予定。この共同アプローチでは、製造とロジスティクスのプロセスを高速化し、顧客に提供する製品とサービスの安全性と品質を向上させることができるとしている。SAPジャパンが10月03日、抄訳で伝えた。
提携では、まずIoTアプリケーションの大量のデータをリアルタイムで処理しようとするニーズに応じて、SAP HANAデータベースをBosch IoT Cloudで使用できるようにすることが計画されている。さらに両者は今後、ソフトウェアとクラウドの専門技術の統合に取り組み、BoschのIoTマイクロサービスをSAP HANA Cloud Platform上で利用できるようにし、さまざまなデバイスやコンポーネントを接続できるようにする。これにより、できるだけオープンなプラットフォームで、種々の車両や製造機械、ツールの安全で効率的なコネクティビティを実現させ、顧客に新しくスマートなサービスを提供することを常に目指していくという。
両社では、これまでに協働した具体的な例として、ロジスティクスで可視性と効率性を向上させたフォークリフトの位置情報を挙げている。テストベッドでは、大規模倉庫や航空機格納庫、産業用地におけるフォークリフトの位置をリアルタイムでセンチメートル単位で測定できるようになったという。
Boschが創設したスタートアップ企業のZeno Trackの技術により、カメラ、GPS、レーザースキャナ、無線、そしてコネクテッドモーションセンサを使ってフォークリフトの位置を正確に特定。この位置データがBosch IoT Cloudを経由して、フリート管理システムのSAP Vehicle Insightsアプリケーションに転送される。その結果、全車両を対象にした、移送指図やメンテナンススケジュールの計画と遂行をスマートかつ最適に管理できるという。協働により、企業の枠を越えた新しいサービスが創出されたとしている。
さらに両社は、自動運転とコネクテッドドライブなどの領域でも、進化したソリューションの開発を目指していくとのこと。