SAPは現地時間11月8日、インメモリデータベース「HANA」の新バージョン「HANA 2」を発表した。HANA 2では、開発者エコシステムの構築や、データ管理やデータベース管理、新しいAPIなどに重点が置かれている。
SAPは、スペインのバルセロナで開催されている同社主催のカンファレンス「TechED」で、「SAP HANA 2」を発表したほか、新しいSAP HANAのマイクロサービスが「SAP Hybris as a Service」から入手できるようになったと述べた。
今回のHANAのアップデートは、年2回行われるアップデートサイクルの一環として提供される。SAP HANAのマーケティング担当バイスプレジデントMarie Goodell氏によれば、今回のリリースの狙いはHANAをアジャイル開発やイノベーションに適したインメモリデータベースにすることだという。9月には、SAP HANAの無償版である「express edition」が発表されているが、すでに7000回ダウンロードされていることも明らかにされた。
顧客へのHANA 2の提供は11月30日に予定されている。また、SAP Hybris as a Serviceのマーケットプレースを通じて、HANA 2で構築された新たなマイクロサービスが提供されることも明らかになった。
HANA 2の特徴は次の通りだ。
- セキュリティやワークロードの管理が改善されたデータベース管理ツール。管理機能も強化されている。
- エンタープライズモデリング、データの統合、データの品質管理、ストレージ階層化などを強化したデータ管理機能。
- アナリティクス機能の強化。テキスト、空間データ、グラフ、ストリーミングデータの処理エンジンが改善された。例えば、分類、関連づけ、時系列、回帰分析の新アルゴリズムが追加されている。
- 新しいAPIやアプリケーションサーバの強化された機能、多様なプログラミング言語への対応などによるアプリケーション開発環境の改善。
同時に、テキスト分析によるエンティティ抽出、ファクト抽出、言語分析を行う新たなマイクロサービスが発表された。また、欧州宇宙機関(ESA)との共同で開発され、衛星データを分析して、SAP HANAの空間分析機能を使用した処理を行うマイクロサービスも提供される。TechEdでは、保険会社のMunch REがこのサービスを利用して地球環境に関する情報を分析している事例が紹介された。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。