IDC Japanは6月1日、国内外付型ディスクストレージシステム市場の予測を発表した。2011年の同市場売上は東日本大震災の影響を受け、前年比6.6%減となると予測している。また、2010年~2015年の年平均成長率(CAGR)については1.4%とみている。
同社によれば、2010年の国内外付型ディスクストレージシステム売上は1687億6900万円で前年比1.6%減になったという。IDCでは世界的な経済回復などを背景に、国内外付型ディスクストレージシステム売上は、2011年からプラス成長に転換するとみていた。しかし、東日本大震災とその後の電力不足、サプライチェーンの分断、国内景気の悪化と企業業績の下振れの可能性が拡大していることなどを考慮し、2011年の予測を前年比6.6%減の1576億1900万円に下方修正した。
また、2011年のセグメント別売上の成長率については、「メインフレーム・ディスクストレージシステム」が前年比15.0%減、「オープンシステム・ディスクストレージシステム」が同4.7%減と予測している。今回の大震災や電力不足に伴い、ディスクストレージシステム売上はマイナス成長と予測されるが、その一方で企業のストレージ支出の優先順位が変化し、「災害対策」「データ保護」「電力利用の効率化」などに関する支出の優先順位が上昇すると考えられるという。
IDC Japan、ストレージ/サーバー/HCP/PCsグループディレクターの森山正秋氏は「東日本大震災の発生によって顕在化したリスク管理の強化と電力不足への対応という課題は2011年だけにとどまらず、2012年以降のストレージ支出にも影響を与え続ける。この2つの課題は、国内市場で起こり始めていたストレージ支出の変化(インフラの利用率向上、スモールスタートの実現、データ保護の強化、ストレージ仮想化といった新技術の導入など)を加速させる可能性を持っている」とコメントしている。