香港の15年不動産取引は前年比12%減、景気悪化懸念を裏付け
[香港 4日 ロイター] - 香港特別行政区政府の建物格付評価署の統計によると、香港で2015年に登記された不動産の売買契約件数は、12.3%減の5万5982件だった。売買契約からの報酬額も3.9%減少し、4170億ドルとなった。
香港土地登記所が今週公表したデータで、1月の不動産売買取引が60%以上減少したことも明らかになった。
低迷する中国経済からの悪影響に直面するなかで、香港の景気悪化への懸念が明確に示される格好となった。
香港の不動産価格は依然として世界でも高い水準にあるが、昨年9月以来、香港の不動産価格は下落しており、アナリスト予想では今年さらなる下落が見込まれている。
センタライン・プロパティー・エージェンシーのWong Leung Sing氏は「中間層は景気鈍化で給料に影響が出ることに気付いている」と述べた。「昇給を停止したHSBCはその顕著な例。他の大手もそれに続くことが予想される。家賃の高い物件から低い物件へ移ったり、家賃交渉をしている」と指摘し、「物件購入計画があるにしても、現段階で購入を希望しないだろう」と付け加えた。
先月公表された投資銀行UBSの予想によると、香港の物件価格は2017年末までに4分の1近く下落するとされる。
先週、香港金融管理局(HKMA)は2014年9月以来初めて、一部の住宅の資産価格が住宅ローン残高を下回る「マイナス資産」状態に陥ったことが定期調査でわかったと発表した。
12月末時点で、総額4億1800万香港ドルに上る95件の住宅ローンがマイナス資産となっており、うち1200万香港ドルは無担保という。
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