ブログ：石につながれた幼児、インド建設現場の実態

Amit　Dave　and　Tommy　Wilkes

［アフマダーバード　１７日　ロイター］ - 生後１５カ月のシバニちゃんは、足に巻き付けられたプラスチックテープをグイッと引っ張っている。テープのもう一方は、母親によってインド西部の建設現場にある石に縛り付けられている。

シバニちゃんは裸足でほこりまみれだ。「注意」と書かれた長さ１．４メートルのテープで石につながれたまま、４０度を超える暑さのなかで１日９時間も過ごしている。

母親のサルタ・カララさんは、シバニちゃんが泣いていようが、石にテープで縛るしか選択肢がないと話す。彼女と夫はアフマダーバード市で、電線埋設のための穴掘り作業をそれぞれ毎シフト２５０ルピー（約４１０円）で請け負っている。

「彼女を縛り付けているのは、道に出ないようにするため。次男はまだ３歳半で妹をお守りすることができない」。２３歳のカルラさんは顔をサリーで覆いながら、こう話した。

「この一帯は交通が激しい。他に方法がない。彼女の安全のためにしていることだ」

インドには約４０００万人の建設作業員がいる。少なくとも５人に１人が女性だ。大多数が貧しい移住者で、現場から現場へと渡り歩き、同国の成長著しい都市のインフラを築いている。

親たちが新しい道路や高級住宅建設のためのレンガ運びや穴掘りを行っているあいだ、幼児が砂や泥にまみれて転がっているのを目にすることは、インドでは日常茶飯事だ。

こうした家族の多くは現場でテント暮らしをしたり、シバニちゃん家族のように、夜は野外で寝たりしている。

子ども支援を専門とする国際組織「セーブ・ザ・チルドレン・インド」児童保護部門トップのプラバーツト・ジハ氏は、託児所が極めて少なく、たいていは高額だと述べた。

「政府や建設会社のいずれかが提供する託児所が本来はあるべきだ。子どもたちには安全な場所が与えられるべき。けがをする危険が本当にある」とジハ氏は言う。

インド企業は通常、低賃金労働者の採用をアウトソーシングしている。請負業者はしばしば同じ村から、労働者の集団をリクルートする。彼らは十分な管理や安全対策もない建設現場で、物を持ち上げたり、穴を掘ったり、ハンマーで打ったりしている。

シバニちゃんが石につながれている傍らで、男性たちは燃えるような暑さのなかココナッツや水を摂取するために休む。母親たちも子どもたちに食事を与えるため、短い休憩を取る。

親たちは、通常子どもたちが７歳から８歳になるまでは一緒に暮らすと語る。そして、彼らがその年齢に達すると、祖父母と暮らすよう近隣州にある貧しい部族民の村に送り返すという。

カララさんは、テープが足からぶら下がったままの娘を抱えながら、仕事のマネジャーたちが彼女の苦境を見て見ぬふりをしていると訴えた。

「彼らは私たちや子どもたちのことを気にかけていない。彼らは仕事のことだけを心配している」

ロイターのカメラマンが翌日現場に戻ると、電線を埋設する労働者の集団が彼に石を投げた。