NTT東西が光回線のサービス卸開始へ、ドコモはセット割可能に
[東京 13日 ロイター] - NTT<9432.T>は13日、東西地域会社で光回線のサービス卸事業を開始すると発表した。これまで東西会社は「フレッツ光」として直接ユーザーに提供してきたが、サービス卸により、通信キャリアや設備を持たない事業会社が自社ブランドで光サービスを提供できるようになる。夏をめどに条件を提示し、10─12月期の半ばに提供を始める。
一部設備を貸し出すのではなく、コアネットワークを含めた光回線をサービスとして卸で提供する。幅広い分野の事業者に公平に提供、NTTドコモ<9437.T>が卸を受ければ、現行法の制度下でもKDDI <9433.T>と同様に光回線と携帯電話の「セット割」が可能になるという。ドコモは卸の活用について前向きに検討していく。
会見した鵜浦博夫社長はサービス卸について「固定、移動のセット割についての解であり、その道を拓いていくものだが、単なるシェア争いの道具としての卸モデルではない」と強調。「モバイル、WiFi、近距離無線と組み合わせたFMC(固定・携帯融合)サービスや、リアルビジネスと通信サービスを融合させた新たなビジネスが生まれることを推進していきたい」と語った。
東西会社は当面、従来の「フレッツ光」も継続するが、新たなモデルに軸足を移していく方針。鵜浦社長は「東西にとって重大なビジネスモデルの変更となる。東西会社の売り上げは減るが、営業コストの見直しもできる」と語った。
<今期営業収益は過去最高へ>
NTTが同日発表した2015年3月期連結業績予想は、海外事業の拡大や前年度に実施したM&A(合併・買収)効果により、売上高に当たる営業収益が前年比2.5%増の11兆2000億円と過去最高となる見通し。
営業利益はほぼ横ばいの1兆2150億円を計画。ドコモの落ち込みをNTTデータ<9613.T>の増益などでカバーする。
海外売上高について、同社は今期150億ドル(1兆5300億円)を計画しているが、鵜浦社長は「かなり固い数字として見込んでいる」と説明、上振れの可能性を示唆した。
*内容を追加しました。
志田義寧 編集:宮崎大
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