08
01
2013
Micron、エルピーダの買収を完了。足元の業績は絶好調

Micron、エルピーダの買収を完了。足元の業績は絶好調

米Micron社がエルピーダの買収を完了。
 → エルピーダメモリ 米社傘下に NHKニュース

旺盛なモバイルDRAM需要、PC向けも価格上昇で足元の業績は好調。

坂本社長が以前語っていた「DRAMメーカーの淘汰が進み価格は上がる」予言がエルピーダ自身の破綻で実現したのはなんとも皮肉な話です。

パソコン用DRAMの指標となるDDR3型2ギガ(ギガは10億)ビット品の大口取引価格は6月後半分で1個1.65ドル前後と同月前半分に比べ1%高い。4ギガバイトのモジュール(複合品)も28.3ドル前後と同じく6月前半から1%上昇した。それぞれ年初に比べると約2倍の高水準だ。
 → 6月後半大口価格、DRAM年初比2倍:日本経済新聞


■1年半前とは環境一変、絶好調のエルピーダ
エルピーダの足元の業況は絶好調だ。スマートフォンなどに使われるモバイルDRAMを生産する、広島の最先端DRAM工場はフル稼働が続いている。生産が追いつかずに、子会社の台湾レックスチップの工場でモバイルDRAMの生産を増やしているほどだ。汎用品のモバイルDRAMも、最大手のサムスンが生産調整を行ったことで価格は安定している。
 → 東洋経済オンライン


HDDもメモリも寡占化が完了しましたね。
以前のような熾烈な価格競争が無くなるとしたら消費者としては残念な話です。



補完関係にある両社

モバイルDRAMが弱かったMicronにとって、エルピーダは絶好の買収対象です。

以下に各メーカーごとのDRAMの生産比率が出ています
モバイルDRAMに弱いMicron、強いエルピーダが明快に出ています。
 → 各DRAMベンダーにおける非PC向けDRAMの比率推移

MicronのCEOが語るように、Micronのポートフォリオは大幅に強化されます。
 → 「Samsungに対抗できる唯一のメモリ企業に」 - Tech-On!

左手にIntelとタッグを組むNAND、右手にエルピーダのモバイルDRAM。
再び世界一を狙える最強の米国系メモリメーカーの誕生です。

関連
 → DRAM価格が堅調に上昇、2010年10月以来の高値に - EE Times Japan