寒い冬が続いています。そして新型コロナウイルスの感染が、全国的に増加中です。日本は水際対策で「時間稼ぎ」を頑張ったものの、やはり感染力の強い変異株「オミクロン株」の大流行は避けられませんでした。今、救急の現場でつらいのは、急病の患者さんを受け入れる「急性期病院」のベッド(病床)が足りないことです。毎年、救急の現場では「夏と冬にベッドが足りなくなる」ということが繰り返されています。今年は特に厳しいです。今回は、まずはその理由について考えます。そして、この状況で自宅療養などをする場合、病状の急変にどう備え、どんな場合に病院へ急ぐべきかをお話ししたいと思います。
この記事は有料記事です。
残り4084文字(全文4366文字)
投稿にはログインが必要です。
国際医療福祉大医学部救急医学主任教授(同大成田病院救急科部長)
しが・たかし 1975年、埼玉県生まれ。2001年、千葉大学医学部卒業。学生時代より総合診療・救急を志し、米国メイヨー・クリニックでの救急研修を経てハーバード大学マサチューセッツ総合病院で指導医を務めた救急医療のスペシャリスト。東京ベイ・浦安市川医療センター救急科部長などを経て20年6月から国際医療福祉大学医学部救急医学教授、21年4月から主任教授(同大成田病院救急科部長)。安全な救急医療体制の構築、国際競争力を産み出す人材育成、ヘルスリテラシーの向上を重視し、日々活動している。「考えるER」(シービーアール、共著)、「実践 シミュレーション教育」(メディカルサイエンスインターナショナル、監修・共著)、「医師人生は初期研修で決まる!って知ってた?」(メディカルサイエンス)など、救急や医学教育関連の著書・論文多数。
注目コンテンツ