サービスは誰のものか
何だったか忘れたんですが、海外のWebサービスを使っていて、サービスに対するフィードバックを送信する画面に
あなたの意見が採用されたときにお礼のメールをお送りしたいので、メールアドレスを教えてください。
って書いてあったんですよね。少なくとも日本のサービスではこういう言い方をしているのを見たことがないのですが、海外(というかイケてるスタートアップ系のサービス)におけるサービスに対する考え方がよく表れている一文だなあと思いました。言い方も上手くて、ユーザーも悪い気はしないですよね。
自分の経験では、日本のサービスってこういう時
- 自由にご意見をお寄せください(とりあえずフィードバックは集めたい)
- あなたのメールアドレスを入力してください(顧客の情報もついでに取っておきたい)
- ※必ずしもご希望に沿うことはできません。予めご了承ください(とはいえ改善の確約はしたくない)
みたいな感じで説明することが多い気がします。これ、極端な話、
- この商品のここが気に入らない
- 自分が使いやすくなるように、ここをこう直してほしい。改善要望を送ろう
- わざわざ要望を送ったのに、まだ直ってない。ユーザーを軽く見ている!
みたいなパターンのユーザーをかわしたい気持ちと、ユーザーに何か言われたらそれに応えないといけない、みたいな考えが背景にあると思うんすよね。
これに対して、その海外のサービスでは
- サービス・プロダクトの方向性を決めるのは言うまでもなくこちらです
- 来るもの拒まず、去るもの追わず
- ただしフィードバックは歓迎で、有益な情報を送ってくれたユーザーにはお礼の気持ちを表明します
っていうスタンスを言外に感じます。
日本語圏は狭くていわば村社会なのに対し、英語圏は規模が遥かに大きくて多様性と合理性があるので、日本が小さくまとまって狭い世界でウジウジとユーザーの気持ちを忖度し続けてる間に海外でイノベーションが起きて飲み込まれる、っていう構図がこうして生まれるんですかねえ。
日本には日本の良さもあると思いますが、ドライなWebの世界ではデメリットが強く出すぎる気がする...。