人間年をとると話が繰り返しになりますね
しかもなぜだか前とそっくりにしゃべりますよ(笑
わが連れ合いもしかり、しかもまだ70代ですよ
わたしも嫌になっちゃいますが
「おとうさん、またおんなじ話している」
という息子娘のなさけない顔がたまらん
作家の文章もそうです
あんなかしこい作家野上弥生子の最後の作品『森』も
終盤は「あれれ~!」と思うほど繰り返しとみだれがありました
でも、百歳なら仕方ありませんね
だから編集者もそのまま本にしたんですね
(このことをわたしは前に『森』の感想ブログで言ってるかも
わたしも繰り返しだなあ 笑)
吉村昭の最後の著書エッセイ『ひとり旅』を読了しましたが
やはり同じ話題を繰り返してあるのがおさまっております
エッセイと講演からおこしたのやら対談ですから
まとまった小説ではないのでそれはそれでよいのです
吉村さんは徹底的に調べて書く作家さんなんですね
それもひとりであちこち出掛けて行くのです
普通は出版社の編集者さんがついていく方が多いらしい
題材の関係者たちにも会うし、関係地の図書館にも通う
そういう時の費用も自前がモットー、ひとり旅
だから、作家とは思われないで警察関係や土建業者に思われ
挙句の果て「作家吉村昭」の名をかたっている詐欺まがいに
そういうおもしろいエピソードが満載
また、吉村さんの作業苦労やその醍醐味が語ってあって
作品が読みたくもなる、宣伝効果ありのエッセイ
ひとり、満悦したのであったがそれではもったいない
で
これは詳しく感想を語らねばと思ったの