2008年1月に登場したEee PCを筆頭に、低価格なミニノートPCが注目を集めている。米Everexの「CloudBook」やギガバイトの「M704」、そして以前からこのジャンルに製品を投入している工人舎、さらにはATOM搭載のMIDやウィルコムの「WILLCOM D4」、HTCの「Shift」まで含めればさらに注目度は高いといえる。
今回登場した日本ヒューレット・パッカードの「HP 2133 Mini-Note PC」は、VIAのモバイルプラットフォームを採用した低価格ミニノートPCだ。PCのスペックなどの情報は別記事に譲り、ここでは新モデルの外観を細かく見ていく。
まず本機を手にして驚くのは、見た目の質感だ。ボディ天面と底面にマグネシウム合金+アルミニウムを採用し、表面の耐食性と耐摩耗性を向上させるべくアルマイト加工を施すことにより、高い金属感を実現しつつ、剛性を確保している。全面耐加圧や一点耐加圧の数値は明らかにされていないが、「満員電車で押されてもまったく問題ない」(同社)強度を実現しているという。
Eee PCなどの低価格PCは、価格を優先するためにプラスチック製のボディを採用し、どうしても質感は犠牲になりがちであったが、本機の場合は従来のモバイルPC然とした存在感を主張している。ひんやりとした手触りも好印象だ。
液晶ディスプレイは8.9インチワイドで、画面解像度は1280×768ドットと、第1世代はもちろん第2世代Eee PCをも上回る(第2世代Eee PCは8.9インチ/1024×600ドット)。ドットピッチが狭いのでアイコンやテキストは細かく表示されるが、情報量の多さでは群を抜く。液晶ディスプレイへの傷を防ぐべく、表面にアクリルパネルを張り付けている(取り外し不可)のだが、その分パネルの表面にホコリや手の脂が付きやすく、暗い画面や輝度を下げるとパネルの映り込みが気になった。なお、左右方向の視野角は広めで、画面内容の確認も容易に行える。
余談だが、液晶ディスプレイの左右にはステレオスピーカーを内蔵しており、小型ボディながら意外とクリアなサウンドを鳴らしてくれる。上位のハイパフォーマンスモデルには上部にCMOSカメラを内蔵しているが、これらを省けばボディサイズはそのままで、より大きな画面の液晶ディスプレイを搭載できそうだ。
横長のボディをフルに生かして、17.5×17.5ミリピッチのキーボードを搭載したのも見逃せない。本機は日本語モデルながら、変換/無変換キーなどを省いた英語キーボードを採用することで、79ミリと長めのスペースバーを備えている。ファンクションキーは14×10ミリ、カーソルキーは16×10ミリと小ぶりだが、それでもこのクラスでは押しやすいほうだ。また、キートップには印字がはげにくい「HP DuraKeys」を採用し、長期間の使用にも耐えるよう配慮されている。
タッチパッドは64×32ミリというワイドタイプを装備する。ボディサイズを考えるとかなり大きく、これは左右のクリックボタンをタッチパッドの両脇に配置することで実現している。タッチパッドが横長ゆえ、ホームポジションに手を置くと右クリックボタンを押すには慣れるまで違和感を覚えるかもしれない。なお、タッチパッドの誤動作を防ぐべく、タッチパッドのオン/オフボタンを搭載しているのは同社製ノートPCならではといえる。
ボディサイズは255(幅)×166(奥行き)×27.2〜35.5(高さ)ミリと、第2世代Eee PCに比べ横幅と最薄部で上回るものの、ハンドリングは良好だ。一方で重量は3セルバッテリー搭載時で約1.27キロ、6セルバッテリー搭載時で約1.44キロとEee PCを大きく上回る。確かに、手に取るとずっしりとした重量感があるのは否めないが、フラットな形状のボディはカバンへの納まりがよく(3セルバッテリーの場合)、可搬性を損なうほどではない。ちなみに、6セルバッテリーを装着すると3セル分のバッテリーが底面に出っ張り、キーボードに傾斜が付くのでキー入力がしやすくなるものの、カバンへの収納性は悪化する。なお、バッテリーの駆動時間は6セルで約4.6時間、3セルで約2.3時間と心もとない。上位モデルには標準で6セルと3セルのバッテリーが付属しているので、上手に運用したいところだ。
次のページでは拡張性をはじめ、メモリスロットやHDDベイなど内部の構成を細かく見ていく。
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