昨今、普通に考えてWindowsケータイというならWindows Phone 7あたりになるのが妥当である。PC向けのWindows 7を携帯電話と組み合わせるなど誰が考えるだろう。
しかし、これを実現してしまったすごいデバイスが、NTTドコモの「Windows 7ケータイ F-07C」(富士通製)だ。今回はF-07Cの発売前評価機を用い、“PC”としての使い勝手をチェックする。
F-07Cのなにより“うひょひょー!”な点は、その極小サイズでWindows 7が普通に動くPCということである。これまでにも富士通「LOOX U」やソニー「VAIO type U」「VAIO P」、ブルレー「Viliv S5」など、UMPC(Ultra-Mobile PC)、あるいはMID(Mobile Internet Device)と呼ばれる小さなPCはあった。また、PHS(通話+通信機能)とWindows搭載PCの融合を図った「WILLCOM D4」のような製品もあった。
しかし、F-07Cはそれらと一線を画す“極小”さを実現したのがまず心引かれる。普通のWindows 7搭載PCをよくある携帯電話サイズに収めただけでなく、通話や通信、おサイフケータイ機能などが利用できる、いわゆるiモードケータイとしての機能も融合してしまったのだ。
その本体サイズは、61(幅)×125(奥行き)×19.8(厚さ)ミリ、重量は約218グラムだ。同じNTTドコモのスマートフォン「REGZA Phone T-01C」は62(幅)×126(奥行き)×11.9(厚さ)ミリで、重量は約149グラム。厚さと重量以外はほぼ同じで、F-07Cはスライド式のハードウェアキーボードがある分少し厚いと考えると想像しやすいだろうか。なお、少し厚いと言っても、厚さの値そのものはひと昔前の折りたたみケータイと同等である。
UMPCとも比べてみよう。例えば2007年発売の富士通「FMV-BIBLO LOOX U50WN」は171(幅)×133(奥行き)×26.5〜32(厚さ)ミリ/重量580グラム。同じく2010年発売の「FMV-BIBLO LOOX U(U/G90)」は204(幅)×106.5(奥行き)×23.8(厚さ)ミリ/重量約495グラム、当時はすごく小さいと思ったこれらより、ひとまわりもふたまわりも小型であることが分かる。
ちなみに、NTTドコモより発売する本機は「Windows 7ケータイ F-07C」という名称だが、裏面のバッテリーカバー、および別売りの卓上ホルダに「LOOX」ロゴの存在が確認できる。そう、F-07Cは“LOOX”シリーズなのである。
このようにF-07Cの携帯性はLOOXシリーズ史上最高といえ、LOOXシリーズ以外のWindows 7搭載PCでも、本機に匹敵する仕様ものはまだ聞いたことがない。なにせ、半分はみ出しながら半ば無理して尻ポケットに入れて歩くといった、実際にユーザーはあまり行わないポケットサイズではなく、本当にポケットに入れて携帯できるサイズなのだから。
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