日本AMDは、米国本社から来日したデスクトップ(CPU) アンド Fusion ソフトウェアグローバルマーケティング シニアマネージャーのササ・マリニコビック氏と、ソフトウェアマーケティング 兼 グローバルマーケティングマネージャーのテリー・マケドン氏による同社製CPUの状況説明を行った。
マケドン氏が行った説明では、ユーザーは、ゲームで遊び、コンテンツを視聴し、オフィスの生産性を上げるためにPCを使用するが、その目的のために、いまのPCには、より購入しやすい価格、ビジュアルパフォーマンス、高い電力効率、そして、使いやすいサイズと所有したいと思わせるデザインが求められているという。
PCの性能向上については、コア1基あたりの演算能力において2002年から2011年にわたってCPUは微増であるのに対して、GPUは300倍以上の向上を示している。また、CPUとGPUを融合したFusion APUは、ゲームを含めたPCの性能を向上させるだけでなく、CPUとGPUを1つのチップに融合したことによって、実装面積の削減と電力効率も向上も実現したと説明する。さらに、このようなFusion APUの特性を生かして、手のひらに載るサイズのデスクトップPCが登場していることも紹介した。
Fusion APUは、今後PCに採用される比率が増え、市場調査会社の中には、2012年からデスクトップPC、ノートPCともに過半数のモデルでFusion APUを採用すると予想しているところある(しかし、すべてがFusion APUに移行するのではなく、性能を重視するユーザーには、CPUとGPUが独立したシステムが選ばれるとAMDでは考えている)。
CPUの性能向上の手段として、最初取り組んでいたシングルコアの性能向上では成長が鈍化し、次に採用したマルチコア化とコア数の増加でも徐々に進化の速度は鈍っている。そこで、AMDは急激な性能向上の可能性を持っているGPUによる演算処理をCPUに統合するべくFusion APUを投入したが、GPUで汎用演算処理をするには、“そのためのソフトウェア”を開発しなければならない。
AMDは、2002年から2008年において、NVIDIAのCUDA、(当時は)ATI TechnologyのBrook+など、GPUに汎用演算をさせるための開発環境が用意されていたが、それでも、プログラムの開発は高度な技能をもった限られた技術者にしか行えなえず、2009年以降にOpenCLやDirectComputeによってAPIが提供されたことで、難易度は下がり、一般的なソフトウェア開発者でも対応できるようになったとしている。さらに、2012年からは、AMDのFusion System Architectureによって、ソフトウェア開発は簡単になると説明する。
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