コミュニティベースの開発体制に移行してからも、Thunderbirdのユーザー数は着実に伸びている。The Mozilla Thunderbird Blogの記事"Thunderbird Usage Continues to Grow"で驚きの事実が明らかにされた。
Mozillaは、Firefoxだけでなく、ThunderbirdでもADI(Active Daily Installations)の数を計測している。ADIは、プラグインのブロックリストをアップデートする際のやりとりが基となるため、アクティブユーザーの数とイコールではないが、推計によれば、ADIを3倍すると月間アクティブユーザーの数になるという。
2008年7月から2015年1月までのピークADIを図に表したものが、上記記事で公開されている。それによると、2009年1月におよそ500万だったADIは、2015年1月には900万を超えている。月によって変動はあるものの、上昇傾向にあるのは間違いない。2012年7月に開発体制が変更された後でさえ、ペースこそ緩やかになったようだが、傾向自体は維持されている。
2015年2月24日時点のADIを、国別に見てみよう。1位はドイツで、全体の約18.5%を占めている。2位が何と日本で、2014年第4四半期に米国を追い抜いた後、全体の約10.8%を占めるに至っている。トップ10にヨーロッパ諸国が多く名を連ねている一方、アジアでは日本だけがランクインしている。
順位 | 国名 | ADI |
---|---|---|
1位 | ドイツ | 1,711,834 |
2位 | 日本 | 1,002,877 |
3位 | 米国 | 927,477 |
4位 | フランス | 777,478 |
5位 | イタリア | 514,771 |
6位 | ロシア連邦 | 494,645 |
7位 | ポーランド | 480,496 |
8位 | スペイン | 282,008 |
9位 | ブラジル | 265,820 |
10位 | 英国 | 254,381 |
その他 | 2,543,493 | |
合計 | 9,255,280 |
考えてみれば、6週間に1度マイナーアップデートが、42週間に1度メジャーアップデートがきっちり提供されるメールソフトなど、ほかにそう簡単に見つかるものではない。しかも、プラットフォーム部分はMozillaが総力を挙げて改良を加えているわけだし、Thunderbird固有の部分も少しずつではあるが改良されてきている。ブランドを抜きにしても、使われ続けるだけの理由はあるのだ。
ちなみに、次のリリース版となるThunderbird 38では、Lightningアドオンが標準で搭載され、初回起動時にユーザーが拒否しなければ有効化される予定となっている。カレンダー/スケジューラ機能が使いやすくなることで、ユーザー数はさらに増えるのではないだろうか。ADIが1000万の大台に達する日も、そう遠くはなさそうだ。