企業絡みの報道では最近は東芝がもっぱら注目を集めていました。
昨日東芝が起用した第三者委員会の調査報告書の要約が開示され、本日15時にその報告書のフル版が開示され、19時には記者会見があるそうですから、これからスタンバイモードになっていた専門家の皆様が分かりやすく噛み砕いた解説をされるはずです。
私もこの第三者委員会の報告書の要約をチラチラ眺めていたのですが、既に多くの方が指摘されている、あるグラフがとても印象的でしたので、今回紹介する次第です。
そのグラフとはこちら。
※画像は、東芝『第三者委員会調査報告書<要約版>』P84より
東芝のPC事業部の月別売上高・営業利益の推移です。営業利益の方が2008年3月までは損益トントンぐらいだったのに、それ以降乱高下をしています。四半期の最初の月で大幅な営業赤字になって、最後の月で大幅な営業黒字になっている。
それまでのトレンドとは大きく異なるし、毎四半期こんなことになっていたら季節要因とも言い難い。社内で、何か会計上の操作があったのではないかと誰でも疑いたくなるグラフです。
誰が見てもおかしい状態がこの期間でも最低7年も維持存続されていたということは、その間の社内の雰囲気というのは推して知るべし、ですよね。まったく知らない会社ではありませんので、経営陣ではない中の人に対しては、これまでの苦労とこれからの更なる苦労の大きさに、個人的には心中察して余りあるところがあります。
他の部門でも色々あるようですから、こういう事例を見るに、やはり問題が発覚しやすいような仕組み作り、例えば、内部告発のハードルを下げるなどが必要なんでしょうね。傷が浅いうちに何とかしたほうが得だという流れに持っていく。
続報が気になる方は、東芝のその他のIRをどうぞ。
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