イクメンを扱ったブログがまた炎上していました。
[元記事]イクメンの疲れが倍増する妻の言動 - ほう太パパの七転び八起き
[炎上コメント]はてなブックマーク - イクメンの疲れが倍増する妻の言動 - ほう太パパの七転び八起き
topisyuは、以前からこのブログを読んでいるのですが、今回の記事は炎上除けを施しているものの、これならまだ炎上しそうだなと眺めていました。予想通り炎上し、はてなブックマークのコメントには、コマッチャのようなレスがたくさんついていたので、「はてなが発言小町化しているな。嬉しいな」とほっこりしていました。
※こういうスタンスの文章がずっと続きますので、耐えられない方はそっ閉じ推奨です。
photo by Insight Imaging: John A Ryan Photography
※「虫歯菌がうつるからキスしないで!」
記事を分析して欲しいとの依頼
そうしたら、こんなブックマークコメントを見かけました。
他のブコメにも有るとおり、育児の分担ややり方、対応がどうこう以前のところに根本的な齟齬や軋轢がありそう。トピシュさん辺りにぜひ分析、解明してほしいところだ。
topisyuに、この夫婦間の祖語や軋轢について分析、解明して欲しいということです。ということで、それを今から書きます。
注意事項
なお、以前も依頼を受けて、とあるイクメン記事に対するモヤモヤを解説したのですが、
モヤモヤ解説"941のイクメン徒然" - 斗比主閲子の姑日記
特に思い入れもなく、叩くつもりもなく、淡々と書いたものの、
モヤモヤ解説"941のイクメン徒然" - 斗比主閲子の姑日記 http://t.co/DBC7HDc6pC
櫛井さんがどのくらい育児してるかは読みとれないが、言葉の端々をあげつらって批判するのは止めて欲しい。男子側からの貴重な育児日記なので、非常に意義あると思ってるし。
— たらお (@tabataketarao) 2013, 12月 12
このような感想を頂いたことがありました。
ここから書く文章は批判をする目的ではなく、依頼されたから、どう見えるかを書くだけのものであるものの、人によっては"言葉の端々をあげつらって批判する"ように読める可能性があることをご注意ください。
炎上ポイント
まずは、簡単にどこが炎上したかを紹介します。
ぼく自身がイクメンだということは、おそらく断言しても大丈夫だろうという自負はあるのですが、
ご本人のTwitter等を拝見すると実際そうだと思うのですが、例えば家事育児をする女性の立場ではある意味当たり前のことであるため、イクメンと自負するのはこれだけでアウトです。
そういうイクメンにとってつらいのは、自分ががんばったにも関わらず、妻のストレスが解消されてない、妻が不機嫌なままで家庭内が殺伐としている、そんな状況なのです。
がんばったというプロセスは確かに重要ですが、結局妻のストレスは解消されていないわけで、
うそでもいいから笑顔になってもらうだけで、イクメンの疲れは吹き飛ぶのです。明日へのエンジンとなるのです。どうでしょう、ここはひとつマクドナルド的な精神で、笑ってもらえないでしょうか。
結果が出せていないのに、夫を楽にさせるために、ストレスを抱えたまま笑顔になれというのは、更にストレスを抱えろと言っているようなものです。なお、マクドナルドのスマイルは確かにお願いすれば0円でやってくれるかもしれませんが、そこには客と店員の関係性があるわけで、例えにマクドナルドを出すと、「あなたはお客様感覚で子育てに関わっているの!?(そして奥様は店員)」と捉えられてしまいます。
イクメンであれば仕事に追われて育児に参加できないお父さんよりも、子どもが寝返りをうった、微笑みかえした、なにかしゃべった、そういう成長の過程に出くわすことも多いはずです。で、そういうときに、やっぱり思わず妻に報告するわけですよ。「ねえ、見た? いま見た? ○○ちゃんがね・・・」そういうときに「はあ? 今ごろ気づいたん?」みたいな態度はつらい、つらすぎる。たとえそんな言葉を口に出さずとも、自分ほどに妻が驚いていないということに、イクメンは敏感なのです。どうかぜひイクメンの報告にはオーバーに驚いてあげてください。
これは、"自分ほどに妻が驚いていない"わけではなく、妻は既に一度驚いていたり、経験をしているから驚かないんですよね。ましてや、普通のお父さんより育児に関わっているなら、妻よりも先に何かできたを見つける機会はあるはずで、ここで、妻から「今ごろ、気づいたん?」と言われるということは、やっぱりイクメンではないのではないかという疑惑を抱かせます。(書き方の問題。)
妻がやろうとしている作業は、妻より要領が悪いかもしれないけど、我々にできないようなことではないことも多いです。一度大きく息を吐いて、我々を信じて頼ってみてはいかがでしょうか。
本当にイクメンであれば、妻と同レベルには育児ができるのであれば、このシーンは少なくなるんですよね。一通り同じことができて当然。例えば、個人個人の適性であったり、例えば、普段は役割分担をしているからできるできないがあるというのであれば、話は別ですが、妻と夫に分けて、一般化するのであれば、一般的にこの夫ができないことが多いように読める。やはり、イクメンではないという疑惑が出ます。
ぼくは家族でお出かけや外食をするのが好きなので、できるだけそういう機会をもとうとします。 しかしそういうときに「あなただけで行ってきたら?」とよく言われるんです。
(中略)
イクメンは自分のことよりみんな(妻や子)を考えています。そのためには少々の負担は喜んで引き受けることができるのです。みんなが楽しんでる姿を見ればそれだけで疲れが取れます。「あなただけで行ってきたら?」には、そんな思いを粉砕する破壊力があります。
もし、本当に、妻に負担が無く、楽しめるお出かけや外食ができていたら、「あなただけで行ってきたら?」を"よく"言われることに、なぜなるのか。当たり前ですが、子連れの外出は、夫婦ともに負荷がかかるので、誰か一人が背負いきるのは厳しい。結局、妻にも負荷がかかるため辛くて外出したくないかもしれないのに、自分のことより妻子を考えてくれるはずの夫に対して、楽しんでいる姿を意識的に見せないといけないとしたら、本当に妻子のことを考えてくれていると思うのか。
こういう状況については、職場で上司の意見がコロコロ変わるような戸惑いはありますが、仕方ないかもねと受け入れています。いいんです、妻にはそのときの気分によって、自由に羽ばたいてもらって。
妻が子供のことを考えて対応している行動について、意見がコロコロ変わる職場の上司という悪い例えを持ち出し、さらには"自由に羽ばたいて"と自由気ままに子育てしているとしています。
以上、簡単に解説してみました。
繰り返しですが、topisyuの文章に慣れていないと批判目的に読めるかもしれませんが、「こういう風に解釈する人はいるだろうな」という読み方を紹介しているものです。炎上と釣りは同根なので、釣り師視点で、釣り針を紹介するつもりで解説しているだけです。
ここまでがある意味前提で、ここからが本題です。
取り返しのつかない軋轢がある夫婦なのか?
ほう太さんのこれまでのブログやTwitterを読んでいないと、一方的に夫が自分の愚痴や自慢を書き連ねている記事に読めたかもしれませんが、ほう太さんは妻にこのブログで書くことをある程度共有しています。
ほう太さんは今年の1月にも炎上を経験していて(現場)、その時の後日談として、
銭婆ならこう言うだろう「夫はみなやさしいよ、やさしくて愚かだ」 - ほう太パパの七転び八起き
ちなみにぼくは、妻とこたつに入りながら、
どんなふうにエントリーを書けばたくさんのひとに読んでもらえるだろうねー
なんて言いながら書きました。
こんな投稿をされています。独りよがりに見える文章でもちゃんと相談して書いているんですよね。
以前からブログを読んでくださってるかたはご存知でしょうけど、妻にナイショのブログじゃないです。あと、ぼく自身は深刻な夫婦関係の悩みを持ってるわけじゃないです。(深刻に悩んでたら、ちょっと書けないかもね)
— ほう太パパ (@houta30) 2014, 6月 19
ブログ自体も当然ながら奥様はご覧になられていて、今回の記事については、
昨日の記事への妻の感想
「なんか長くて、あんま頭に入ってこんやった」
いいんです、それでいーーーんです。
— ほう太パパ (@houta30) 2014, 6月 19
という感想があり、
さっき妻とブログの反響のことを話していたら「育児手伝うとかいう感覚がおかしいんじゃ、ボケが! みたいなのが多かったね」と妻に言われたんだけど、たぶん「ボケが!」までは言われてない。
— ほう太パパ (@houta30) 2014, 6月 19
こんなやりとりもしている。
第一子の出産時には産後クライシスがあったようですが、それも乗り越えている。
出産前の妻が、別れた元カノみたいに思えることがある。 - ほう太パパの七転び八起き
炎上ポイントだけ読むと、炎上して当然と思うかもしれませんが、ある程度こういった関係性について知っておくと、「本当はのろけじゃね?」とも読める。
これは、以前炎上したパパラボさんの記事とも共通する部分です。
"男性がなかなかできない妻への寄り添い方"は元々不燃物 - 斗比主閲子の姑日記
それでも見える夫婦の対立構造
ということで、人の子育てに口出すなというか、上手くやっていらっしゃるように見えるご夫婦と言っちゃってもいいと思うのですが、実はこの記事が炎上した背景には、先ほどの炎上ポイントよりもう一段階上のところでの、夫婦の対立構造が見え隠れしていたからではないかと考えています。(topisyuのこの記事を依頼された方も、"根本的な齟齬や軋轢"があるのではないかとされていますよね。)
列挙すると、以下の4点に集約されるのではないかと思います。
- トーカティブな人 vs サイレントな人
- 失敗から仕事を学ぶ vs 相手がいるのだから失敗するべきではない
- 頑張っている私を見て vs 見るべきは子供(私も頑張っている)
- 普通はこんなに子育てしない vs 普通は関係なく修羅場は今!
1.トーカティブな人 vs サイレントな人
1つ目は分かりやすいですね。夫婦でよく喋る方がよく喋らない方に対して、「なんで気持ちを伝えてくれないの?」「こっちは説明しているんだからそっちも説明してよ」「これはこうなるからこうなるはずなのに、どうしてそういうことするの」と詰めて、言われた方は黙る。
結局、会話のスタンスの違いに過ぎないと諦めちゃえばいいものですが、説明したら必ず伝わるはずという信仰はかなり重いので、理詰めや言葉攻めをしてしまう。
ほう太さんのほうがトーカティブなんですよね。小説を書かれるなど表現するのも慣れている。奥様は、長い話が頭に入らない人。
2.失敗から仕事を学ぶ vs 相手がいるのだし分かっているのだから失敗するべきではない
これもよくある対立ですよね。「失敗しないと分からないじゃないか」に対して、「相手は子供でしょ?子供に無駄な事させるの??やり方分かっているんだから素直に従いなさいよ」というやり取りですね。
学習方法は人それぞれであり、対象に対する重要性についてもそれぞれの考えがありますから、子育てなんかだと特に揉めやすい。
ほう太さんは失敗して覚えたいしその失敗は子供にとって大した影響はないと考えている一方で、奥様はそんなことより言われた通りやれば上手く行くと考えている。
3.頑張っている私を見て vs 見るべきは子供(私も頑張っている)
これもあるあるで、頑張っている人からすると頑張っていることを相手から認めてもらいたいのですが、相手からすると子供のことに注目するべきで相手を気に掛ける余裕なんかはなかったりする。また、育児をするのは当然であり、なぜあなただけを認めて、私は認めてくれないのかなんていうこともありますよね。
ほう太さんの家でこれが起きているのは分かりやすいですよね。今回の記事は結局これに集約されると言ってもいい。
対立構造を維持するぐらいなら、お互いに機械的に褒め合えば解決することもあります。後は、お互いにそういう精神状態になっていたら、子育てに余裕がないことを示しているようなものなので、アウトソーシングを検討するタイミングとも考えられます。
4.普通はこんなに子育てしない vs 普通は関係なく修羅場は今!
特にイクメンと呼ばれる人は、「仕事が忙しい中でも頑張っている俺!周りの男は誰もできていないぞ!!」という自負を見かけることはよくあります。比較してよくやっているのだから、その分認めてくれてもいいんじゃないかという気持ちですね。
でも、家事育児が目の前にあってそれをこなしている人からすると、他との比較なんてどうでもいい話です。育児のパートナーはその人しかいないわけですから。
比較させたいのであれば、周りがどれだけできていないかを「こんなことがあってさ~」と普段から刷り込んでおくといいんですけどね。
締め
ということで、炎上した理由は、イクメン疑惑説やかまってちゃん夫に見えることもありますが、このようなよくある夫婦の対立構造が見え隠れしていたからだと思います。
その上で、夫婦の対立構造の原因の方は、夫婦間の会話不足だけではないんですよね。そもそも日本の会社が労働時間が長く家事・育児に時間を割けにくいことだったり、核家族化が進んで子育てノウハウの伝承がされていないことだったり(特に夫側に対して)、お手伝いさんやベビーシッターがあまり浸透していないこと(アウトソーシングができず負荷が維持される)なんてこともあったりして。
環境が整っていないにも関わらずイクメンを持て囃したり、女性活用を訴えても、どこかに負荷がかかるわけで、そういった不満が、今回みたいな炎上の原因になるんじゃないかと考えています。
以上、本題です。以下、余談です。
余談
先日、id:hinahoさんから、
hinahoエゴサをしてるってことが気持ち悪くて仕方ないんだけど
こんなブックマークコメントを頂きました。一般論としてエゴサーチが気持ちが悪いものとされているのは分かっていますが、今回依頼されたid:amanoiwatoさんのように、idコールをしない人がいるんですよ。だから、エゴサーチは仕方がないんです。
なお、id:amanoiwatoさんは、
こんなことを書かれていますが、未だかつて一度も、topisyuはこじらせ女子をネタにしたことはありませんからね!(補足すると、ここでid:amanoiwatoが書かれている、後者二人とは、雨宮まみさんと峰なゆかさんで、前者二人とは、トピシュと小野ほりでぃさん。)
雨宮さんとはエゴサーチ同士です。
@topisyu JanetterはAndroidのアプリでありますか? 少々タイムラグがありますが、便利でした
— 雨宮まみ (@mamiamamiya) 2014, 2月 6
余談2
なお、この記事を書いた真の目的は、id:plutanさんとの、はてな小町における覇権争いに勝つことが目的です。はてなが小町化しているのは事実なんですが(はてな女子がもはやはてな小町と言ってもいい、主婦率が高い状態になっている)、
そのせいか、コマッチャであるid:plutanさんがとても人気になっているんですよね。それに嫉妬し、どうにか追い落とすためにも、あえてid:plutanさんが言及していた記事について自分も書いたわけです。
はてなブックマーク - そして夫は家を出た - 仕事は母ちゃん
plutan家恒例の「のろけ」にこんなにブクマがつくなんて……!悔しい……!!