東洋医学についてpart.2
今日もアクセスいただき、本当にありがとうございます。
ただ今、家族がインフルエンザ罹患中のため自宅看護中です。
近日中にも自分が倒れる番じゃないかと戦々恐々としつつ・・・
さて、先日から始まった東洋医学シリーズですが、いかがでしょうか?
前回の内容
西洋医学は現在の主流で感染症や手術といった分野で強みがある一方、病名のつかない、もしくは検査をしても原因のよく分からない問題については不得手
東洋医学は古くから発展してきた医術で、漢方や鍼灸といった手法によってその人の症状だけでなく全体を診ることで体質改善を図るが、即時的な効果は薄い
といった傾向をもつことから、
どちらの考え方も重要で、相互に補いながらフレキシブルに医療が提供できる必要がある
といった意見を述べてきました。
それでは本日は何を語るのか?
ですが、
東洋医学において人の健康状態を左右する三要素
気・血・水
についてお話します。
気・血・水 の概念
前回も少しだけ触れましたが、現代の東洋医学において人の健康は、『気・血・水』の三要素が体内を正常に循環することによって保たれていると考えられています。
『気』とは?
「気力」「元気」という言葉があるように、目には見えない根源的なエネルギー。 呼吸や心臓の働き、血液の流れ、体温や汗の調節など、身体の機能活動や精神活動はすべて『気』によって行われると考えられている。
『血』とは?
生体を物質的に支える赤色の液体。
水穀(飲食物)の気の一部が『肺』で赤色化したものが『血』となる。
『水』とは?
生体を物質的に支える無色の液体。水穀の気が赤色化せず無色のまま液化したものが『水』。津液(しんえき)ともいう。
従って、体内の各機能単位である五臓・六腑が正常に機能するためにはこの三要素のバランスが大切で、どれかひとつでも過剰や不足があると病気を招いてしまうのです。
気・血・水の不調と対処(例)
例えば、
・疲れやすい
・食後に眠くなる
・胃腸が弱い
・かぜをひきやすい
・季節の変わり目や環境の変化で体調を崩しやすい
・体温が低い
・冷え性
・筋肉が少なくいわゆるぽっちゃり、柔らかい肉質
このような特徴(傾向)を東洋医学では「気」が乏しい状態「気虚」と表します。
気虚とは、体に必要なエネルギー(気)が不足している状態を指します。
気虚体質の人は筋肉が少ない傾向が強く、基礎代謝が低いため人と同じ運動をしても脂肪の燃焼が少なく、痩せにくい上にあまり食べなくても太りやすい。
通常、基礎代謝におけるエネルギー消費が最も多いのは筋肉で、基礎代謝全体の約40%を占めるとされています。
また、平熱が低い人がこのタイプに多いのですが、
人は体温が1℃下がると基礎代謝が12%低下すると言われています。
これがどのくらいの差を生むかと言うと、
同じ成人女性でも体温が36℃の人と35℃の人では、同じカロリーを摂取しても1日に140kcal前後エネルギー消費に差が生じ、35℃の人は1ヶ月で4000kcal≓600g程度の脂肪が沈着していく計算になるそうです。
気虚を東洋医学的に治療するには「補気」、つまりエネルギーを補給する必要があります。
この場合、
- 胃腸の消化吸収能力を高める
- 食事から効率よく栄養素を吸収できる
- 体質が変化し深部体温が上がる
- 基礎代謝量が増加し効率のよい減量ができる
といった変化が期待されます。
つまり、
「痩せたい」という希望を叶えるためには消化吸収をよくするという、ある種逆説的な考え方に基づいて体質を変えていかないと、いつまで経っても太りやすく痩せにくい体質のままということになります。
食事制限だけのダイエットを繰り返すと、ますます筋肉量が減って気虚が進みます。
深部体温を上げるためには筋肉をつけることが不可欠なのですが、そもそも気虚体質の方は運動などやりたがらない、あまのじゃくな人が多いのも事実。
そこで、
漢方における『陽性食品』を食べると、食事誘発性体熱産生(DIT)を活性化させ、体温を上昇させる効果があるといいます。
DITとは、食事をした後、安静にしていても代謝量が増大することを言います。
食後はアドレナリンが分泌され、また、食べ物が消化されるときにも熱が発生するするため、代謝量が上がり、体温が上がるのです。
その上で、見よう見まねのヨガとかストレッチでもよいので体力作りから始めることがスモールステップとしてオススメします。
単純な食事制限や、急に激しい運動を短期間行ったダイエットで最初に減るのは筋肉と水分です。
目先の結果だけ、即時的な効果のみを求めるのは東洋医学的な考え方に反します。
長期的な展望や、なりたい自分になるにはまず何から取り組むか
という知識や意思力は重要ではないでしょうか。
かくいう自分も、どれだけ自分の目標に向かっているかと言われると考えてしまいますが・・・
少なくとも、仕事柄クライアントに心配されるような印象は与えないよう注意しているつもりではありますが。
今日は気・血・水 について語るつもりが、殆ど「気」にしか触れずに終わってしまいました。また次回以降の課題とします。
今日もここまでお読みいただき、本当にありがとうございました。