インターネットに接続する人は今や世界で約30億人に達する。携帯電話の契約件数も「1人1台」に相当する約69億件に上り、いつでもどこでもネットにつながる環境が急速に広がっている。特に新興国では携帯電話の普及が速く、先進国を追い抜く勢いだ。
インターネットに関わる統計を探っていくと「お国柄」が浮かび上がる。交流サイト(SNS)とのつながり方、スマートフォン(スマホ)の使い道……。日本のデータと照らし合わせながら、世界各国のネット事情を見てみよう。
スマホを何に使っているかを調べると、国によって特徴があることがわかる。「使っている人」の割合で、地図を見たり交通手段を調べたりする人の割合が最も高いのは日本。「写真」は記念写真が大好きな文化が根付くインドネシアがトップ。ビデオゲームより携帯ゲームの人気が先に高まったインドでは「ゲーム」の割合が高かった。ほかにも「ニュース」好きは中国人、「動画」好きはタイ人……。各国の生活シーンが浮かび上がる。
フェイスブックやツイッターなどの交流サイト(SNS)を1日にどれくらい使っているかを調べたところ、1位になったのはフィリピンの平均3時間25分。日本(18分)の11倍の長さだ。フィリピンではこの数年の間に格安スマホが急速に普及し、若者のスマホ利用率が上がっていることが背景にありそうだ。
スマホでSNSを利用する人の割合を各年代で調べると、25歳未満の若い世代ではデンマーク、英国、オーストラリアの各国がトップ3になった。一方、30代後半以上の年代ではサウジアラビアの割合が高い。同国では「ツイッター」が意見を自由に言える場として幅広い年代に人気があるようだ。
スマートフォンで高速回線LTEを使う際のデータ通信速度は、1位がシンガポールの24.3Mbps。同国は以前からビジネス拠点として、通信などのインフラ投資に積極的だ。Mbpsは、1秒あたりにやりとりできるデータ量を表す数字。数字が大きいほど動画などのコンテンツを快適に見られる。
一定の条件のもとで、30件通話し、100件のテキストメッセージを送信した際の月額料金(基本料金を含む)を米ドル換算で比べたところ、いちばん安かったのはスリランカの0.95ドル。日本は35.5ドルと世界の中でも高い水準の金額だった。