急進的な数学教育の改革組織「Computerbasedmath.org」が、最初の実験台となる地を見つけた。エストニアだ。
Computerbasedmath.orgは、コンラッド・ウルフラムが設立した組織だ。同氏は、数式処理システム「Mathematica」と独自の検索エンジン「Wolfram Alpha(日本語版記事)」を考案したスティーブン・ウルフラムの弟だ。
同組織は、子どもたちに二次方程式や多項式因数分解を解くのに時間を費やさせるのではなく、コンピューターを活用して数学的概念を探求させることを目指している。問題を解くために必要な手順を機械的に暗記させるのではなく、構成要素をより深く理解させることがその狙いだ。
「なぜ生徒たちに、コンピューターの方がはるかに得意なこと(コンピューティング)を模倣させるのだろう? 現在のコンピューターよりもずっとすぐれているはずの、創造的思考や分析、問題解決などに専念させるのではなく」と、ウルフラム氏は自身のブログの中で述べている。
Computerbasedmath.orgは、独自の確率および統計カリキュラムの改訂版を用意し、エストニアでの教育を始めようとしている。
エストニアは、コンピューター・サイエンス改革の最前線となっている。 同国の公立学校では、わずか7歳の生徒を対象にした新しいコンピューター・サイエンスのカリキュラムを開始する計画(日本語版記事)なのだ。同国は、「Skype」が開発された都市タリン(「バルト海のシリコンヴァレー」とも呼ばれる)がある国でもある。
※この翻訳は抄訳です。
TEXT BY KLINT FINLEY
TRANSLATION BY TOMOKO MUKAI/GALILEO