【11月2日 AFP】国際オリンピック委員会(International Olympic CommitteeIOC)は1日、ドーピングにより自転車競技からの永久追放を受けたランス・アームストロング(Lance Armstrong、米国)氏が2000年シドニー五輪の自転車ロードレース、男子個人タイムトライアルで獲得した銅メダルの剥奪の可能性について検討するために、正式な調査を開始したと発表した。

 IOCは、国際自転車競技連合(International Cycling UnionUCI)が、スポーツ史上最大のドーピング事件として米国反ドーピング機関(United States Anti-Doping AgencyUSADA)が同氏に下した処分を承認した事を評価した。

 アームストロング氏はドーピングの疑いで、1999年から2005年の間に達成したツール・ド・フランス(Tour de France)7連覇を含む、1998年8月1日以降の全タイトルを剥奪され、自転車競技からの永久追放処分を科された。

 シドニー五輪でアームストロング氏は銅メダルを獲得し、金メダルのヴィアチェスラフ・エキモフ(Viatcheslav Ekimov、ロシア)と銀メダルのヤン・ウルリッヒ(Jan Ullrich、ドイツ)と共に表彰台に上った。

 反ドーピング規程では、受理されるドーピングの証拠は最高過去8年の物までと定められているが、USADAはアームストロング氏とその取り巻きの禁止薬物乱用の規模から、その期間をさらにさかのぼるとしている。

 元チームメイトのタイラー・ハミルトン(Tyler Hamilton)氏は、アームストロング氏のドーピング違反を証言したとともに、自らも禁止薬物を使用したと告白し、2004年アテネ五輪で獲得した金メダルを2011年始めに返還した。IOCは8年間の期限内に順位を訂正し、金メダルは繰上げでエキモフに授与された。(c)AFP