【7月9日 AFP】国際サッカー連盟(FIFA)のジェローム・ヴァルケ(Jerome Valcke)事務局長は8日、2010年サッカーW杯南アフリカ大会(2010 World Cup)での誤審騒動を受け、ゴールラインでの電子判定を含む新たな審判システムについて、次回14年大会からの導入を検討する方針を示した。

 今大会で相次いだ誤審や「微妙な判定」に、FIFAに対していわゆる「ゴールライン・テクノロジー」による判定やビデオ判定などの導入を求める圧力が高まっている。

 ヴァルケ事務局長は英BBCテレビに対し、決勝トーナメント1回戦のドイツ対イングランド戦でイングランドのフランク・ランパード(Frank Lampard)のシュートがノーゴールとされた件について、主催側にとっては「最悪の日だった」と語り、「審判が見ていなかったゴールについて、新しい技術の導入に関しても協議している」ことを明かした。

■ゴールライン上に「追加副審」も検討

 また、ゴールラインにさらに2人の「追加副審」を置くシステムについても言及し、「このシステムが助けになるかどうか、新たに4つの目が加わることで主審が安心でき、仕事がしやすくなるかどうかを見届けたい」と述べた。「追加副審」システムはすでに昨季のヨーロッパリーグ(UEFA Europa League)で試験済みで、次季欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League)でも採用が決まっている。

 W杯今大会では、予選の欧州プレーオフ、フランス対アイルランド第2戦でフランス代表の主将ティエリ・アンリ(Thierry Henry)のハンドが反則と判定されず、決勝点につながり問題化したが、サッカーの規則改正を協議する国際サッカー評議会(International Football Association BoardIFAB)は3月、電子判定による「ゴールライン・テクノロジー」を今後も導入しない方針を決定していた。

 しかしヴァルケ事務局長は、スピードが速く状況の変化が目まぐるしい近代サッカーのスタイルが、FIFAに新たな問題をもたらしている事実を認め、「チームも選手たちも非常に強く早くなり、試合も違う。審判たちは選手たちより年齢が高い」と述べた。(c)AFP