リアルな顔が溶けた2024年 社会、映画、ドラマ、小説で振り返る
自主制作映画としては異例のヒット作になった「侍タイムスリッパー」は、幕末の会津藩士が現代にタイムスリップし、時代劇の斬られ役として活躍する物語。年末の新語・流行語大賞の候補になるなど、今年の話題作の一つだった。
すっかり現代になじんだ侍はしかし、映画の終盤、殺陣に真剣を使うことを提案。リアリティーを持たせるという理由からだ。
時代劇といえば、米テレビ界のエミー賞で作品賞など18冠に輝いた、真田広之さんプロデュース・主演の「SHOGUN 将軍」が大ニュースに。日本人俳優は日本語で話し、しぐさや衣装の時代考証も正確。そのリアルさが注目された。
リアルさなら、山崎貴監督の「ゴジラ-1.0(マイナスワン)」が米アカデミー賞の視覚効果賞を受けたことも、今年の忘れがたい出来事だ。話題のテレビドラマ「海に眠るダイヤモンド」では、高度経済成長期の長崎・端島(軍艦島)のリアルな描写に注目が集まった。
毒のある風刺画で知られ、9月に亡くなったイラストレーターの山藤章二さんは、目にした人物を特異な線描によって、リアルな似顔絵に変換してみせた。
似顔絵の極意を「それぞれに…
【初トクキャンペーン】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら