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【村井七緒子】鳥取市の鳥取敬愛高校2年、寺坂祐介さん(17)が、東日本大震災後、福島県内の人たちが投稿した短歌2187首を調べ、思いの変化をたどった。浮かび上がったのは、放射能への恐怖や先の見えない不安、国の対応の遅れへのいらだち。寺坂さんは被災地にも行き、作者へアンケートもした。「被災者の思いを知りたかった。これからもつながりを求め続けたい」と誓う。
寺坂さんは、地域の文化を研究する同校社会部の部員。被災地に住む人たちが詠んだ短歌を「震災短歌」と名付け、研究成果を昨年秋にリポートにまとめた。
きっかけは2011年6月、東北へ支援活動に行った人に聞いた、「被災した人たちは、自分たちで街を再生させたいと思っている」との話だった。震災直後から、先輩たちと学校の玄関前で義援金を呼びかけていた寺坂さんは、「求められているのは、支援物資など形あるものだけじゃないんだ」と気づき、被災者の思いを知りたいと思った。