メールの件名に相手の名前が入っていたので、返信時に自分の名前に書き換えた。これ、正解? 不正解?
※この連載は「メール文章力の基本」(藤田英時著)の第1章を、著者と出版社の許可の下、一部修正して転載するものです。
エンジニアが日々、業務で使用する電子メール。タイトルの付け方にはマナーがあること、ご存じですか?
メールの返事を書こうとして「返信」ボタンをクリックすると、件名の頭に「Re:(リー)」が付きます。これは返信の意味なので、件名はそのままにします。相手の社名と名前が書いてあっても変更・削除してはいけません。
Re:販促プランの打ち合わせの件
Re:プレゼン資料をお送りします(@ITシステム・田中)
何度もやりとりをしても、内容が変わらなければ件名はそのままにします。同じ件名のメールが何通にもなる場合は、末尾に番号を付けると見返すときに区別がついて便利です。
Re:プレゼン資料作成の打ち合わせ(2)
Re:プレゼン資料作成の打ち合わせ(3)
内容が追加されるなら、( )内に補足すると分かりやすくなります。
Re:プレゼン資料をお送りします
Re:プレゼン資料をお送りします(再送)
Re:プレゼン資料をお送りします(追伸)
Re:プレゼン資料をお送りします(改良版)
Re:ネット教育のご相談
Re:ネット教育のご相談(企画案)
ただし、メーラーが同じ件名のメールがまとまる「スレッド」表示の場合は、件名はそのままにしましょう。
「Re:」とは、ラテン語からきた言葉で「〜について、〜に関して」という意味です。英語のビジネス文書やファックスでは、次のように返事でなくても使われています。
Re:Travelexpenses
この件名の和訳は「出張費に関して」です。元のメールへの返事ではなく、最初からこういう書き方をします。
「Re:」はReply(返事)、Response(返答)などの単語の略でもありません。しかし、Replyなどと勘違いされて、メールでは返信の意味になりました。
ちなみに、メールを「転送」すると件名の頭に付く「Fw:」や「Fwd:」は英語「Forward(フォワード:転送する)」の略です。
藤田英時著
日本実業出版社 1300円(税別)
仕事のできる人がやっている「短く」「分かりやすく」「見やすい」メールが書ける77のルールを「良い文例・悪い文例」を対比する構成で紹介する。
藤田英時
コンピューター、インターネット、英語を得意とするジャーナリスト、ライター。米国ベイラー大学でコミュニケーションを専攻後、西南学院大学文学部外国語学科英語専攻卒業。翻訳出版、書籍編集・執筆、マニュアル制作、プログラム開発、技術サポート、大学で情報処理の指導など、幅広く活躍中。
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