イスラエルのペレス前大統領が重体 脳卒中で入院

ペレス氏はイスラエルのあらゆる要職を務めてきた(写真は2015年11月撮影)

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画像説明, ペレス氏はイスラエルのあらゆる要職を務めてきた(写真は2015年11月撮影)

中東和平への貢献で1994年にノーベル平和賞を受賞したイスラエルのシモン・ペレス前大統領(93)が13日、重度の脳卒中のため入院した。医療関係者によると、ペレス氏は集中治療を受けている。

テルアビブ近郊テルハショメルにあるシバ・メディカルセンターによると、ペレス氏は脳卒中によって「大量出血」したという。

ペレス氏の事務所によると、同氏は鎮静剤を投与され、人工呼吸器を使用している。

今年1月には、胸の痛みを訴え、同じ病院でカテーテル手術を受けた。

ペレス氏は入院後、複数の検査を受けており、今後数時間のうちに病状に関する新たな評価が行われる見通し。

ペレス氏の息子のケミさんは、家族が「困難な時間」を過ごしていると述べた。ケミさんは、「私は楽観的です。父のことを強く信じている。とてもユニークな人です。これから状況は良くなると、家族と共に心から祈っている」と語った。

イスラエルのネタニヤフ首相はツイッターで、「シモン、私たちはあなたを愛しています。国全体が回復を願っています」とツイートした。

ノーベル賞受賞者

長年政治家を務めてきたペレス氏は、イスラエルが建国された1948年以降、政界のあらゆる要職を経験してきた。イスラエルが秘密裡に進めた核武装計画の中心人物でもある。

イスラエルの首相を2回務め、2007年から14年にかけては大統領職にあった。

1994年のノーベル平和賞受賞時(写真左から、アラファト氏、ペレス氏、ラビン氏)

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画像説明, 1994年のノーベル平和賞受賞時(写真左から、アラファト氏、ペレス氏、ラビン氏)

1994年には、イスラエルと当時のパレスチナ解放機構(PLO)が前年締結したオスロ合意への貢献を評価され、ノーベル平和賞を受賞。後に暗殺されたイツハク・ラビン首相やパレスチナ指導者の故ヤセル・アラファト氏との共同受賞だった。

高齢にもかかわらず、精力的に活動してきた。活動の中心にあるのは、イスラエルとパレスチナ人の関係強化を目指す非政府組織「ペレス平和センター」だ。

ペレス氏は13日に入院する数時間前に、自身のフェイスブックページに地元産品を買うよう促す動画を投稿していた。

今年1月の手術を終え退院した際には、記者団に対し、「仕事に戻れるのが非常にうれしい。そのための手術だったのだから」と語った。