ジア・コッポラにインタビュー！

スタイリッシュな作品で知られる映像作家のジア・コッポラ。彼女がドキュメンタリーを撮ることにしたのは、ちょうどカレッジを卒業するとき。ドキュメンタリームービーを作ろうとするにはワケがあったという。

「当時私は自分が何をしたいのかわからなくて、おじいちゃんを撮影することで作品にすることにしたの。彼そのものが映画学校みたいなもの。非常に勉強になると思ったわ。スタンダードとはちょっと違ったものはすべて面白いと思う。祖父が撮影する現場を見ることができたのは、本当に素晴らしい経験だったわ。自分の人生にとっても、いちばんいい経験のひとつになったわ。」


＞＞ジアが見るエル・ファニングの印象とは？　次ページへ続く！

photo : Kalman Mulle

しかし、彼女の観察眼は祖父コッポラだけでなく、俳優陣やスタッフにも向けられていたよう。

「エル・ファニングを女優としてみたとき、彼女は本当に素晴らしいと思う！　まだ若いのに天賦の才能がある。私のお気に入りの女優よ。それから、ヴァル・キルマーはいつもふざけていて、本当に面白かったわ！　衣装を担当したMarge Bowers はとても格好よく、優秀で働き者だったの。彼女が、（劇中の登場人物）フラミンゴたちのコスチュームをつくる話を聞くのがすごく好きだった」


＞＞ファッションマニアなジアが大好きなブランドとは？　次ページへ

photo : Kalman Mulle

さすがにスタイルアイコンとしても人気のソフィアを叔母にもつだけあって、ファッションにも一家言あり。あなた自身の生活の中で、ファッションとはどんな役割を果していると思いますか？と尋ねると……。

「私が小さいとき、祖母がよく私をテキスタイル博物館に連れて行ってくれたの。それに私の母も衣装デザイナーだったから、いつもファッションに囲まれて過ごしてきたし、ファッションに対しては審美眼があると思うわ。それに、服というのは人間について本当に多くのことを語ることができると思う。最も注目しているファッションデザイナーのユニットは、『プロエンザ スクーラー』と『ロダルテ』が大好き！」


＞＞ジアの次回作については次ぺージへ

photo : getty

デザイナーをユニット限定で挙げてくるところもさすがの“通”っぷり。生粋のLAっ子であるジアにおすすめのおしゃれスポットを聞くと、「私はLA育ちだから、ちょっと先入観があって答えるのが難しいかも」だそう。

次回作は、先日『オズ はじまりの戦い』での来日も記憶に新しいジェームズ・フランコの短編小説を映画化した『Palo Alto（原題）』。「私は何かいつも違ったものをつくりたいと思っているし、そして人を感動させたいと思っている。本当にジェームズは才能に溢れていて、やることすべてを尊敬しているわ！」　憧れの人について語る言葉はセレブ一家に生まれても、ほかの人たちと一緒。そんな彼女が「おじいちゃん」を撮影したドキュメンタリーは、なんだかほんわかとしていて、あのフランシス・F・コッポラの何気ない姿がキャッチできる。彼女の作品を今後、もっと見たくなること間違いなし。

フランスで大きく公開され、また日本でもミニシアター公開ながら、連日満員になった『Virginia/ヴァージニア』。「現在、小規模の作品を作るという考えから変わってきていて、自分のキャリアの最初のほうに戻ろうかと考えている。今は、大きな予算で長い映画を制作しようとしている」というコッポラ監督の、記念碑となるかもしれない作品。特典映像として収められているジアの作品をぜひチェックして。

＞＞祖父である巨匠コッポラ監督が語る監督としてのジアは？　次ページ

photo : Kalman Mulle

「毎日ジアには一緒に撮影に同行してもらうようにしたよ。というのも、ちょうど彼女は自分の映画を撮ろうとしていたからね。メイキングの撮影は、できる限り知識を広げて学ぶいい機会になったと思う。特に彼女にアドバイスしたことはないが、自分自身の感覚を生かすようにとは伝えたよ。ジアの撮影したドキュメンタリーは、非公式にとても気軽に撮ったものだった。それは、彼女にとっては祖父の撮影現場を経験するクロニクルのようなものだっただろうね。最近撮ったジア自身の映画は美しい映像で構成されて、演出もよかったと思う」

photo : Kalman Mulle