蜘蛛の研究が本当のスパイダーマンを作り出す日もそう遠くはない?
千差万別とは言いますが、蜘蛛の巣はまさにそれ。ベトベトにくっつく巣を作る蜘蛛もいれば、この写真のUloborus spiderのように超極細ナノスケールのふわっふわっの巣を作る蜘蛛もいます。でもこのふわっふわっの蜘蛛の巣で一体どうやって獲物を捕まえるの? と思いますよね。どうやらこの巣、静電気を帯びてるらしいんです。
Current Biologyという雑誌に掲載された研究によると、このUloborus spiderがどうやって静電気を帯びる巣を作るのかという謎を科学者が解明したんだそうです。この巣の糸、実は蜘蛛の体の絹糸腺から液体として出てくるもので、蜘蛛がその液体を引っ張ると、その液体が個体の糸になっていくという摩訶不思議。でもそれだけじゃありません。学術誌「サイエンス」のMonique Brouillette記者が詳しく説明してくれています。
この蜘蛛がどのように糸に電気を流すかというと、まず自分の後ろ足のところにある櫛のような板のところまで糸を引っ張ります。その引っ張りは糸をふわふわにする効果もあります。その技術というのは紡織の準備で繊維の流れを整え、柔らかくする ハックリング (櫛通し)に近いものがあります。しかし蜘蛛の場合はその工程で電気を流すのです。それで、この電気糸がどうやって獲物を惹きつけるかというと、乾燥機からタオルを取り出すとき靴下がくっついて来るのと同じ原理で獲物をくっつけるのです。
ご存知のとおり、蜘蛛の糸はとっても強く軽量です。それぞれ違った種類の蜘蛛がどのように糸を紡ぐのかを理解することで、産業用ポリマーに応用できたりするんですね。この応用技術で電気の糸を出すスパイダーマンまで作れちゃったりして!
上はUloborus spiderの糸の画像です。
images by Royal Society
source: Current Biology via Science
Sarah Zhang - Gizmodo US[原文]
(リョウコ)