ジワジワと進歩してます量子コンピュータ。
量子コンピュータというと、ずっと研究室の中で専門家だけが扱うものでした。しかしIBMはこの度、誰でもインターネット経由でアクセスできる量子コンピュータのプロトタイプを発表しました。ほんとに誰でもアクセスできるんです。つまり、この記事を読んでらっしゃる皆さんも試せるということ!IBMが公開した量子コンピュータは5量子ビット(qubit)のコンピュータであり、実機はニューヨークの研究室に設置されているとのこと。こちらの特別なソフトウェアを使うことで誰でもアクセスができるのです。が! インターフェースの見た目は使いやすそうでも量子デバイスの仕組みを理解していないとまず使えないようです。
「え? 量子コンピュータって何ができるの?」と思った私のような素人には手に負えない物なわけですね…。
量子コンピュータの仕組みをシミュレーションするものがオンラインに公開されることは以前もありましたが、広く一般にコンピュータにアクセスできるようになるのはこれが初めてではないでしょうか。
こんな機会でもない限りは量子コンピュータに触れることもできないような学生、研究者の人々に広く利用してもらうことでテクノロジーの進歩につなげようというのがIBMの狙いのようです。もちろん、宣伝効果もあるのでしょう。
世界中の人々が試すことで、何か面白いアイデアや気付きが生まれるきっかけになるわけですね。
量子コンピュータとは? と思った方はこちらの記事を読んで頂くとして、今後テクノロジーを飛躍的に発展させる存在として量子コンピュータが大きな期待を集めています。実現すると従来のコンピューターとは比べ物にならない計算速度を発揮すると言われています。
現存する量子コンピュータは、どれも小さな数の量子ビットの性能しか持っていません。数百の量子ビットを扱うと主張するD-Waveも登場していますが、その真偽についてはちょっとまだ結論が出ていない様子…。
IBMのこの試みで、量子コンピュータの実用化が一気に進むような発見ができればいいですね。
Jamie Condliffe - Gizmodo US[原文]
(塚本 紺)