ネットから図書館を活用するなら、書籍購入サイトの雄、Amazonとの連携も考えてみたい。Firefox+Greasemonkeyの組み合わせで、Amazonの各書籍ページから図書館の蔵書ページにジャンプできるようになる。
図書館の使い方を改めて見直そうという前回の「おとなの図書館活用術【東京編】」に引き続き、今回はほかのWebサイトと図書館サイトを連携させて、さらに便利に活用する方法を紹介する。
それは、Amazon.co.jpと各図書館のサイトを連携させるというものだ。
「この本はどんな内容なのだろう?」と思ったら、まずはAmazonに行って、内容の概略や、レビュー、評価をチェックするという人も多いだろう。このAmazonの画面から直接、各図書館の蔵書の有無を調べたり、予約ができたりしたらどんなに便利だろう──と思ったことはないだろうか。実はこれが可能なのだ。
これから紹介する設定を行うと、下記画面のようにAmazonで開いている書籍のページから、直接各図書館に飛ぶことが可能になる。
これを行うには、Firefoxの利用が前提となる。必要ならばインストールしよう。続いて、「Greasemonkey」という、Firefoxの拡張機能が必要だ。こちらもダウンロードしてほしい。このGreasemonkey上で動くスクリプトを入れると、現在見ているWebページの表示を変更したり、リンクを挿入したりすることが可能になる。今回のAmazon−図書館連携も、これを使う。
続いて、Amazonと図書館を連携させるGreasemonkeyスクリプトをインストールする。といっても、Amazonや各図書館がスクリプトを配布しているわけではなく、有志が各々作成しているものだ。下記サイトなどから、入手してほしい。
図書館 | 作成(改変)者Webサイト |
---|---|
東京22区+都立 | おとうさんのつれづれLifehack(ライフハック) |
東京品川区立 | おとうさんのつれづれLifehack(ライフハック) |
千葉千葉市立 | おとうさんのつれづれLifehack(ライフハック) |
愛知県豊田市 | しげふみメモ |
東京調布市 | 僕は発展途上技術者 |
たいていは、「××.user.js」へのリンクをクリックすれば、Greasemonkeyスクリプトのインストール確認ダイアログが表示されるはずだ。自分で内容を書き換えたい場合は、いったんjsファイルをダウンロードして編集したのち、Firefoxにドラッグ&ドロップすればダイアログが開く。
実は、かなり以前からAmazonと図書館を連携させるGreasemonkeyスクリプトは存在していたのだが、Amazonのレイアウト変更やGreasemonkey、Firefoxのバージョンアップなどによって動作しなくなってしまう場合がたびたびあった。先日も、Amazonのページが変更されたタイミング(6月8日の記事参照)で従来のスクリプトが動かなくなっていた。筆者がざっと調べただけでも、世田谷、目黒、板橋、小平、埼玉県の川口市、さいたま市、栃木県宇都宮市、京都府京都市、神奈川県横浜市などの公立図書館向けのスクリプトが公開されている。興味があれば、「図書館 Greasemonkey」などのキーワードでWeb検索してみるといいだろう。
既存のスクリプトでは、Amazon上に検索結果を返して、Amazon上からその図書館に蔵書があるかどうかが確認できるようになっているものもあった。今後、新しいAmazonに対応したGreasemonkeyスクリプトの開発が進むことを期待したい。もしスクリプトを対応させた場合、トラックバックやメールなどでご一報いただければ、記事内からリンクさせて頂く予定だ。
またJavaScriptの知識があれば、既存のスクリプトを自宅近くの図書館向けに修正することもできなくはないだろう。こちらに、「僕は発展途上技術者」さんが作成したスクリプトを、練馬図書館向けに修正したものを置いてみたので、ご参考まで。
→図書館を選択すると対応したGreasemonkeyスクリプトを生成してくれるサービス「図書Ken」に関する記事を追加しました
Greasemonkeyの利用には、セキュリティのリスクがあるということもしばしば言われる。サイト内のリンクなどを自由に書き換えられることによるリスクはもちろん、Cookieの扱いも微妙だ。つまり、悪意を持った開発者が、危険なスクリプトを書くこともできる。
ただし逆に言えば、Firefoxの拡張機能やいわゆるオンラインソフトと違い、内容をテキストとして確認できるスクリプトでもあるので、悪意あるスクリプトがずっと放置されることは少ないという見方もある。内容を理解できる人しか使うべきではないとまで言う必要はないと思うが、少なくとも配布元の身元が明らかになっているかどうか(継続してブログ活動をしているかどうか)程度は確認してから使うべきだろう。
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